入れ歯コラムCOLUMN

究極の入れ歯を求めて。。

日本で一番初めとなるBPS精密義歯国際認定歯科医師となってもうすぐ3年半の時が経とうとしております。
長かったような、早かったような、本当に色々な事を勉強させて頂いた、充実した時間でした。


もともとインプラント治療中心の医院で勤務しておりましたので、まさか自分が入れ歯治療を中心とした診療を行うようになるとは思いもよりませんでしたが、インプラント主流のこの時代の中で、入れ歯で困っておられる患者様は非常に多く、気がつけば、日々の診療は精密入れ歯治療とマイクロスコープ治療がちょうど半分ずつになってきています。


入れ歯でお困りで、インプラント治療を受けられなかった方というのは、非常に高齢の方だったり、全身的なご病気をたくさんお持ちだったり、顎の骨が細すぎてインプラントを断られた方、そして歯科恐怖症で手術に踏み切れなかった方という場合が殆どなのですが、裏を返すと、インプラントができないくらい高齢の方や、顎の骨が細い方というのは、正直入れ歯治療も非常に難しい方です。


特に日本人の小柄な女性というのは、顎の骨も細く、歯茎も薄いので、入れ歯治療が世界で一番難しいともいわれています。


それもあってか、現在の当院の入れ歯治療の患者様は、高齢の小柄な女性が殆どです。
大学病院の入れ歯の有名な教授に診てもらった方、5件目、10件目という方はざらで、本当にお困りの難しい方ばかりが、遠方からお越しになられるようになってきました。


つまり、日々びっくりするような難しい方がこられ、この3年半の時間は、一人一人の患者様ごとに、本当に「挑戦」「挑戦」の連続でした。


毎回、入れ歯専門技工士の森永さんと長い時間のミーティングを重ね、少しでもいい入れ歯を作るため、日々試行錯誤の連続を繰り返し、完成形という物はなく、今もなお日々進化し続けています。
特に、高齢者医療という問題も含まれてきますので、難易度は更に増すこともあり、様々な文献を開いたり、大学に残っている先輩や後輩に質問したり、入れ歯の高名な先生方にアドバイスを頂いたりと、本当によく勉強させて頂きました。


当院は一人一人の方とじっくりカウンセリングを行い、一人貸し切り診療という診療体系をとっているだけに、一日に診させて頂ける患者様は5人から7人くらいですが、精密入れ歯治療の患者様ものべ100名を超えました。


皆様、半年から1年のお時間を一生懸命通って下さり、本当によく頑張って下さるので、こちらも毎回真剣勝負です。


壁にぶつかる事もたくさんありますが、それでも患者様の想いに少しでも答えられるように、日々進化を続けていきたいと思います。


今日は一日精密入れ歯治療の患者様ばかりの日でしたが、入れ歯治療の一番の肝となる精密印象を行った方が2人おられました。


一人目の方の印象です。
imp.jpg
imp1.jpg
二人目の方の印象です。
imp3.jpg
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こうして写真で見ると何の事だかよくわからないかもしれませんが、私にとっては非常に感慨深い物でした。


3年半前に入れ歯治療を本格的に始めた頃には想像もできない印象です。


今までの苦労と試行錯誤の連続の中で、磨かれてきた技術の結晶なのです。


4種類の型取りの材料を駆使して、上下計4回から、多い場合は8回の印象を行います。


そうすることで、頬や舌、唇の筋肉の微妙な運動を印象に再現し、入れた時に身体としっくりと調和するような入れ歯を目指していくのです。


また何年か経ったとき、こうして写真を見比べた時に、わずかなようで大きな進化ができているように日々努力していきたいと思います。


全ては患者様の本当の笑顔の為に。。


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医療法人社団 木下歯科医院 
院長 木下 貴雄

  • 国立徳島大学歯学部歯学科 卒業
  • IPSG咬合認定医
  • BPSメンバー(日本第一号となる精密入れ歯国際ライセンス認定歯科医師)