入れ歯コラムCOLUMN

入れ歯で食事をおいしく楽しむための方法と注意点を詳しく解説

こんにちは。神戸市東灘区にある木下歯科医院です。
入れ歯をもって指をさしているご年配

失った歯をおぎなう主な方法に、入れ歯があります。入れ歯は、ブリッジ同様、保険が適用されるため、治療費をおさえることが可能です。

しかし、入れ歯を使用した食事は、さまざまなトラブルが起こることがあります。
今回は、入れ歯で食事を楽しむための方法やトラブルの予防法について解説します。

入れ歯で食事をするときのトラブル
両手で頭をかかえる男性

入れ歯で食事をすると、さまざまなトラブルが生じることがあります。入れ歯で食事をするときのトラブルは、以下のとおりです。

痛みがでる

入れ歯を使用して食事をすると、痛みがでることがあります。
痛みの原因には、以下の3つが考えられます。

噛み合わせの問題

入れ歯の噛み合わせが悪いと、噛み合わせたときに生じる力が決まった部分に集中し、歯茎に痛みが生じることがあります。また、場合によっては顎関節に負荷が加わり、顎関節症の原因になることがあります。 

適合の問題

入れ歯の適合が悪いと、食事のときに入れ歯が動き、歯茎が擦れて傷ができます。傷は1週間程度で治りますが、適合を改善しない限りまた傷ができる可能性があります。
入れ歯が安定しない場合は、歯科医師に相談しましょう。

クラスプの問題

部分入れ歯では、安定性を保つためにクラスプとよばれる金属を歯に引っ掛けますが、クラスプが変形し、適合が悪くなると、クラスプの先端が頬にあたり傷の原因になります。

また、クラスプの適合が強いと引っ掛けている歯に過剰な力が加わり、痛みの原因になります。

入れ歯が破損する

保険が適用される入れ歯は、プラスチックでできているため、硬いものを食べると入れ歯の人工歯などが欠けることがあります。

火傷する

総入れ歯の場合、歯茎の大部分を入れ歯が覆います。そのため、食事をしたときに温度を感じにくくなり、熱い食べ物を食べたときに火傷する可能性があります。

頬や舌を噛むことがある

入れ歯の人工歯の位置が悪い場合や噛み合わせたときの高さが低い場合、食事をしたときに頬の粘膜や舌を噛んでしまうことがあります。
お口の中の粘膜を頻繁に噛む場合は、歯科医師に相談しましょう。

入れ歯を外して食事をするリスク
リスクをあらわすマーク

入れ歯を外して食事をするリスクは、以下のとおりです。

粘膜を傷つけることがある

入れ歯を外した状態で食事をすると、お口の中の粘膜を傷つけることがあります。
例えば、せんべいや唐揚げなど表面がざらついているものを食べると、粘膜に傷ができ、口内炎の原因になります。熱いものを食べると、粘膜を傷つける原因になるでしょう。

誤嚥することがある

食べ物を噛んで飲み込むことを専門用語で「嚥下(えんげ)」といいます。
入れ歯を外した状態では、細かく噛むことができずに、食べ物を丸呑みしてしまうことがあります。食べ物を丸呑みすると、嚥下がうまくできずに、食べ物が気管に誤って入ってしまう「誤嚥(ごえん)」の原因になるでしょう。また、誤嚥が起こると、肺炎を引き起こすこともあります。

食事以外で入れ歯を外すリスク
拡声器で注意をうながしている

食事以外で入れ歯を外すリスクは、以下のとおりです。

歯並びが変化する

歯が抜けた状態を放置すると、抜けた歯をおぎなうように歯が動きます。例えば、前歯が抜けた状態を放置すると、すき間を埋めるように両隣の歯が抜けたすき間の方向に倒れます。そのため、部分入れ歯を所有していても、装着しないと歯が動き、入れ歯が入らなくなることがあるのです。
また、歯並びが悪くなるため、汚れが溜まりやすくなり、虫歯の原因になります。

滑舌が悪くなる

入れ歯がないと、すき間から息が漏れて滑舌が悪くなり、コミュニケーションに支障が出ることがあります。

脳への刺激が減る

人間は、噛むことで脳に刺激を送っています。
入れ歯がないと噛むことができないため、脳への刺激が減少します。近年の研究では「噛まない影響で認知症になりやすくなる」ともいわれているのです。

見た目が悪くなる

前歯がないと、口元がくぼみ、ほうれい線が目立ちます。また、奥歯がないと、噛み合わせが深くなり、しわやたるみが目立ちます。
見た目を維持するためにも、入れ歯の装着は重要です。

入れ歯で食事をするときの注意点
注意をうながすマーク

入れ歯で食事をするときの注意点は、以下のとおりです。

食事を行う前にうがいをする

歯が1本も残っていない場合、総入れ歯を使用します。総入れ歯は、入れ歯と歯茎が吸盤のように吸着し安定しますが、お口の中が乾燥していると、吸着性が落ちて入れ歯が安定しません。

お口の中が乾燥している場合は、入れ歯を装着する前にうがいをして、お口の中を湿らせてから入れ歯を装着しましょう。

食べ物の形態を工夫する

入れ歯に慣れるまでの間は、食べ物の形態を工夫しましょう。食材を小さく切って、やわらかい食べ物から食べましょう。
食べ物を小さく切ることで、入れ歯が噛み合わせにくくなることを防ぎ、やわらかい食べ物を選ぶことで、入れ歯に負担をかけずに食事を楽しむことができます。

入れ歯の着用時間を守る

入れ歯を長時間使用すると、歯茎が赤くったり痛みが生じたりすることがあります。
食後に入れ歯を洗ったあとや就寝前などは、入れ歯を外して歯茎を休めましょう。

食後は入れ歯の清掃を行う

食後は食べ物が入れ歯に付着しているため、毎食後必ず清掃しましょう。入れ歯に食べ物が付着した状態で放置すると、細菌が増殖し口内炎や口臭の原因になります。

また、入れ歯はプラスチックでできているため、カビが生えることがあります。入れ歯を長く使用するために、義歯ブラシや洗浄剤を使用しましょう。

入れ歯の調整を定期的に行う

顎の骨の形態は時間と共に変化するため、長期間使用すると入れ歯が外れやすくなります。また、入れ歯が顎の形に合っていない状態で使用し続けると、お口の中に傷ができることがあります。
定期的に歯科医師に相談し、入れ歯を調整しましょう。

入れ歯でさけたほうがよい食べ物はある?
入れ歯の模型をもって説明する歯科医師

入れ歯でさけた方がよい食べ物の例は、以下のとおりです。

硬い食べ物

天然の歯と比べて、入れ歯は強度が低く、硬い食べ物を噛むことで破損することがあります。硬いキャンディーやせんべいなどはさけましょう。

粘り気のある食べ物

粘り気のある食べ物は、食べ物が入れ歯に付着し、入れ歯が外れる原因や汚れの原因になります。お餅やキャラメルなどはさけましょう。

繊維を多く含んだ食べ物

ほうれん草やキャベツなど、繊維を多く含んだ食べ物は、入れ歯で噛みきれないことがあるのでさけましょう。

入れ歯でうまく食事ができないときの対処法
積み木が倒れるのを人形が手で防いでいる

入れ歯で食事がうまくいかないときの対処法は、以下のとおりです。

入れ歯の調整を行う

入れ歯が合わなくなった場合は歯科医師に相談し、入れ歯の調整が必要です。入れ歯の調整により、食事のときの噛み合わせや入れ歯の適合を改善できます。

食べ物を小さく切る

入れ歯は、天然の歯と比べて噛む力が弱いため、きちんと噛むことが難しいです。食べ物を小さく切って食べることで、噛みにくい食べ物もしっかり噛むことができるでしょう。

安定剤を使用する

食事のときに入れ歯が安定せず噛めない場合は、義歯安定剤を使用しましょう。安定剤を使用したあとは、安定剤が義歯に付着したままとならないように、しっかり洗浄しましょう。

まとめ
ポイントを指さす女性

今回は、入れ歯を使って食事を楽しむための方法を解説しました。
入れ歯は、長期間使用すると顎の骨に適合しなくなることがあります。そのため、定期的に歯科医院に相談し、入れ歯を調節しましょう。また、入れ歯が汚れた状態で長時間放置すると、口内炎や入れ歯にカビが生えることがあります。食後は必ず入れ歯を洗浄しましょう。

入れ歯を検討している方は、神戸市東灘区にある木下歯科医院にお気軽にご相談ください。