こんにちは。神戸市東灘区にある木下歯科医院です。
歯を失ったときの治療方法は、入れ歯・ブリッジ・インプラントの3種類から選択します。3つの治療方法にはどのような違いがあるのでしょうか。
今回は、入れ歯・ブリッジ・インプラントの特徴やメリット・デメリットを解説し、違いを比較します。ご自身にあった治療方法を選ぶ際の参考にしていただければと思います。
入れ歯とは？
入れ歯とは、失った歯と歯ぐきなどを補うための装置です。入れ歯には総入れ歯と部分入れ歯があり、総入れ歯は自分の歯が1本もない場合に使用します。部分入れ歯は1本〜数本の歯を失ったときに選択し、人工歯を金属のバネで残っている歯に固定して使用します。
昔からある治療方法で、歯を失うと入れ歯というイメージを持つ方も多いでしょう。身近な治療方法である一方、金属のバネが目立ち噛み心地が悪いという印象があるかもしれません。
ここでは、入れ歯で治療するメリット・デメリットを詳しく解説します。
入れ歯のメリット
入れ歯のメリットは、以下のとおりです。
・治療期間が短い
・保険が適用される
・取り外し可能でお手入れしやすい
・外科手術が不要
・顎の骨が痩せていても対応できる
入れ歯は治療期間や費用の負担が少なく、外科手術が不要な点がメリットです。取り外しができるためお手入れがしやすく、残った歯もこれまで通り磨くことができます。
インプラントは顎の骨が痩せていると対応できないことがありますが、入れ歯であれば対応可能です。また、ブリッジと比べて残りの歯への負担が少ない点もメリットです。
入れ歯は噛み心地が悪い印象を持つ方も多いですが、正しく調整したフィットする入れ歯であれば、問題なく使用できます。
入れ歯のデメリット
入れ歯のデメリットは、以下のとおりです。
・見た目にこだわると費用が高額になる
・バネが目立つ
・定期的な調整が必要
・寿命が短い
・バネをかける歯に負担がかかる
・噛む力が天然歯の30％程度
・外れやすく違和感がある
・発音や咀嚼がしづらい
入れ歯のデメリットは、装着時や噛み心地に違和感を覚える方が多いことです。ぴったり合った入れ歯なら問題ありませんが、破損や変形・口内環境の変化など様々な要因で入れ歯が合わなくなると、発音や咀嚼に影響をおよぼします。
また、部分入れ歯の場合は金属のバネが目立つのもデメリットです。気になる方は、金属バネがない入れ歯（ノンクラスプ義歯）を選べることもあるため歯科医師に相談してみましょう。
ブリッジとは？
ブリッジとは、失った歯を補うために両隣の健康な歯を支えにして、橋のように人工歯を架ける治療方法です。入れ歯と比べて、見た目や噛む力をより天然歯に近づけることができます。
口内に固定するため取り外す必要がなく、違和感が少ないでしょう。
ここでは、ブリッジで治療するメリット・デメリットを詳しく解説します。
ブリッジのメリット
ブリッジのメリットは、以下のとおりです。
・外科手術の必要がなく短期間で治療可能
・保険が適用される
・固定式で取り外しが不要
・見た目が良い
・安定感がある
・噛む力が天然歯の70％程度
ブリッジは外科手術の必要がなく、治療は2〜3回の通院で完了します。費用は入れ歯より高額ですが、保険が適用されるためインプラントよりは安価でしょう。
ブリッジは、入れ歯よりも見た目や噛む力を天然歯に近づけることができます。また、口内に固定して取り外しができないため、噛んだときに安定する点もメリットです。
ブリッジのデメリット
ブリッジのデメリットは、以下のとおりです。
・見た目にこだわると費用が高額になる
・隣の歯を削らなければならない
・ブリッジを支える歯に負担がかかる
・ブリッジと歯茎の間に汚れが溜まりやすい
ブリッジのデメリットは、ブリッジを支える歯に負担がかかる点です。ブリッジで治療するためには、ブリッジを支えるために隣り合う歯を削って土台にします。
土台となる歯は歯冠部の1/3〜1/4を削る必要があり、健康な歯を削るリスクが伴います。また、ブリッジと歯ぐきの間に汚れが溜まりやすく、土台となる歯のむし歯のリスクが高くなる点にも注意が必要です。
インプラントとは？
インプラントとは、歯を失った部分の顎骨にインプラント体を埋め込み、その上に人工歯を取り付ける治療方法です。現在、入れ歯やブリッジに続く治療方法として注目されています。
外科手術で支柱となるインプラント体を埋め込むため、天然歯と変わらない噛み心地や機能を実現できます。
インプラントは見た目や機能が天然歯とほぼ変わらず、寿命が長いため人気の治療方法です。外科手術が必要であり、自由診療のため費用が高額な点には注意しましょう。
ここでは、インプラントのメリット・デメリットについて解説します。
インプラントのメリット
インプラントのメリットは、以下のとおりです。
・安定感がある
・噛む力が天然歯の90％程度
・固定式で取り外しが不要
・周りの歯に負担がかからない
・天然歯と変わらない見た目
・顎の骨が痩せるのを抑えられる
・寿命が長い
インプラント最大のメリットは、周囲の健康な歯に負担をかけない点です。周りの歯を支えにすることがなく治療できます。
さらに、見た目の良さと天然歯に近い噛み心地を実現できる点も、インプラントが選ばれる理由です。費用は高額ですが寿命も長く、コストパフォーマンスの良い治療方法と言えるでしょう。
インプラントのデメリット
インプラントのデメリットは、以下のとおりです。
・保険が適用されず費用が高額
・外科手術が必要
・治療期間が長い
・インプラント周囲炎のリスクがある
・持病などによっては治療できない
インプラントは保険が適用されないため、入れ歯やブリッジと比べて費用は高額です。治療後も定期的なメンテナンスが必要になるため、その分の費用も確認しておきましょう。
インプラントは外科手術が必要なため、持病や骨の状態によっては治療できないことがあります。また、顎の骨にインプラント体を埋め込む必要があり、インプラント体が身体に馴染むまで経過を見るため治療期間が長い点もデメリットです。
入れ歯・ブリッジ・インプラントの違いを比較
入れ歯・ブリッジ・インプラントの特徴やメリット・デメリットを理解したところで、3つの治療方法の違いを比較します。ご自身が何を優先するのか考えて、治療法を選択しましょう。
施術方法と治療期間
入れ歯の場合、外科手術は不要で治療期間は2週間〜1ヶ月程度です。ブリッジも外科手術は不要、治療期間は1〜2ヶ月程度でしょう。インプラントは外科手術を行うので、治療期間は半年〜1年程度と長くなります。
施術方法の大きな違いは、外科手術が必要かどうかです。顎の骨とインプラント体が結合するのを待つ期間が必要なため、入れ歯・ブリッジに比べてインプラントは治療期間が長いです。
見た目の美しさ
入れ歯の場合、保険診療では天然歯と色調が異なり、部分入れ歯は金属バネが目立ちます。ブリッジも保険診療では天然歯と色調が異なりますが、装置が固定式のため目立ちにくいでしょう。
インプラントの人工歯は色調や透明感が天然歯に近く、美しい見た目を実現できます。
噛み心地
インプラントは機能性も天然歯に近く、3つの治療法の中で最も優れています。インプラントは違和感が少なく、噛む力は天然歯とほぼ変わりません。
ブリッジも違和感なく使用できますが、噛み心地や噛む力は天然歯の70％程度で、インプラントには劣ります。入れ歯は発音や咀嚼に影響することがあり、噛む力は天然歯の30％程度のため食事や会話の際にストレスを感じる方も多いです。
寿命
それぞれの寿命は、以下のとおりです。
・入れ歯：5年程度
・ブリッジ：7〜8年程度
・インプラント：10年以上
寿命は、メンテナンスや日々のケアによって変わりますが、一般的にはインプラントの寿命が最も長いことがわかっています。長く使い続けられる義歯を希望する方は、インプラントを選択すると良いかもしれません。
費用
それぞれの費用を表にまとめました。
＜費用の違い＞
| 入れ歯 | ・総入れ歯：8,000円程度 ・部分入れ歯：4,000円〜1万円程度 |
|---|---|
| ブリッジ | 1本あたり1万3,000円〜2万3,000円程度 |
| インプラント | 1本あたり30〜40万円程度 |
入れ歯とブリッジは保険が適用されるため、費用が抑えられます。インプラントは、自由診療のため費用は高額です。
しかし、入れ歯やブリッジでも、見た目や機能にこだわって自由診療を選択することが可能です。この場合、インプラントと変わらない値段になることも少なくありません。
ご自身に合った治療法を選ぶときのポイント
入れ歯・ブリッジ・インプラントの中から治療方法を選ぶ際は、自分が何を優先したいかをしっかりと考えることが大切です。一般的に、治療を検討する際に優先される項目は以下の3つです。
・費用（保険適用か自由診療か）
・見た目にどの程度こだわるか
・周りの歯への負担
費用を優先する方は、入れ歯、またはブリッジを選択する傾向があります。
ただし、入れ歯とブリッジは周囲の健康な歯に負担をかけるリスクがあります。ブリッジは噛み心地や見た目は入れ歯よりも良いですが、土台となる歯を削るリスクがあります。
一度削った歯は元に戻ることがないため、慎重に判断しましょう。最初は入れ歯にして、使い心地が悪ければブリッジに変えるという選択も可能です。
見た目を優先する方に選ばれるのはブリッジ、もしくはインプラントでしょう。入れ歯のような金属のバネを気にする必要がなく、取り外しが不要なため天然歯と同じ感覚で生活できます。
より見た目を自然するために、自由診療のブリッジを選択する方もいます。
周りの歯への負担が少ないことを優先するのであれば、インプラントを選択するべきかもしれません。インプラントは、入れ歯やブリッジのように周りの歯を支えにする必要がありません。顎の骨が痩せるのを防ぐこともできるため、治療後も健康に過ごしたい方に選ばれています。
まとめ
今回は、入れ歯・ブリッジ・インプラントの特徴と違いについて解説しました。3つの治療方法にはそれぞれメリット・デメリットがあり、何を優先するかは患者様によって異なります。
それぞれの治療方法について正しく理解し、自分に合った治療方法を選択していきましょう。
入れ歯を検討している方は、神戸市東灘区にある木下歯科医院にお気軽にご相談ください。
当院では、虫歯・歯周病治療や入れ歯治療、インプラント治療など、さまざまな診療に力を入れています。ホームページはこちら、無料相談も行っておりますので、ぜひご覧ください。
