「全部抜く」と聞くと、多くの方がまず不安に感じるのは、歯がない期間のことだと思います。
「歯を抜いたあと、しばらく歯がないまま過ごさなければならないのか」
「人前で話せるのか」
「食事はできるのか」
「仕事や日常生活に支障が出ないのか」
その不安は、とても自然なものです。
当院では、お口の状態によっては、歯を抜いたその日に入れ歯を装着する治療方法をご案内できる場合があります。
この治療は、専門的には「即時義歯」と呼ばれます。
即時義歯とは、歯を抜く前の段階であらかじめ型取りや噛み合わせの確認を行い、抜歯当日に装着できる入れ歯を準備しておく治療方法です。
つまり、歯を抜いてから入れ歯を作り始めるのではなく、歯を抜く日を見据えて、先に入れ歯の準備を進めていきます。
即時義歯は、
どなたにも同じように行う治療ではありません
即時義歯は、歯を抜いた日に入れ歯が入るという点で、大きな安心につながる治療です。
ただし、すべての方にとって一番よい方法とは限りません。
歯ぐきの状態、残っている歯の本数、噛み合わせ、骨の状態、痛みの出やすさ、見た目にどこまでこだわるかによって、治療の進め方は変わります。
たとえば、歯を抜いてから傷口の回復を待ち、その後に入れ歯を作る方法もあります。
この方法は、歯がない期間ができる一方で、試着や精密な型取りがしやすく、完成時の見た目や装着感を確認しながら進めやすいという良さがあります。
反対に、歯を抜いたその日に入れ歯を入れる方法は、見た目の空白期間を避けやすく、治療日数も少なくできます。
一方で、抜歯した傷口の上に入れ歯を入れるため、痛みが出やすいことがあります。
また、事前に試着ができないため、見た目や装着感の調整には限界が出る場合があります。
大切なのは、どちらが優れているかではありません。
その方の状態と生活に合わせて、どちらの進め方が合っているかを見極めることです。
このような方はご相談ください
重度の虫歯や歯周病で、多くの歯がグラグラしている方。
歯が欠けたり、折れたりして、どこから治せばよいか分からなくなっている方。
歯医者が怖くて、何年も通えなかった方。
まだ若い年齢で総入れ歯を考えることに抵抗がある方。
インプラントをすすめられたものの、外科処置に不安がある方。
見た目が気になり、人前で笑うことを避けている方。
食事がしづらく、やわらかいものばかり選んでいる方。
こうした状態で悩んでいる方に、当院は「無理に頑張りましょう」とは言いません。
これまで歯医者に行けなかった理由も、今のお口の状態も、人それぞれです。
まずは今の状態を確認し、何ができるのか、どこまで改善を目指せるのかを一緒に考えていきます。
