入れ歯コラムCOLUMN

総入れ歯とは?保険適用や種類、他の治療との違い

総入れ歯とは

あらためて知りたい「総入れ歯」とはどんなもの?

「総入れ歯」とは、上下どちらかの歯が1本も残っていない場合に用いる着脱可能な装置。歯茎に似せて作られた床(しょう)と呼ばれるピンク色の土台と、人工歯(人工の歯)を組み合わせて作られます。

総入れ歯は保険適用?

総入れ歯は保険適用になる場合とならない場合があります。

保険適用の総入れ歯は、床と人工歯の両方が「レジン」と呼ばれるプラスチックで作られています。
保険適用外の総入れ歯と比較して費用を抑えられるだけでなく、短期間で作ることが可能。万が一修理が必要になった際も安価で対応しやすいというメリットがあります。

ただし、床部分の色のバリエーションが少ない・長期間使用すると変色する・大きめの作りのため着用時に違和感がある・強度がやや弱いといった複数のデメリットも存在します。

保険適用外の総入れ歯は、使用する材料に制限がありません。
人工歯がセラミックや硬化レジンでできているものが一般的ですが、床部分を金属にして強度を上げたり、歯茎にあたって痛くないようにシリコーン素材を採用したりすることも可能。

保険適用の総入れ歯と比較するとどうしても費用が嵩んでしまいますが、強度が高いうえに着け心地がよく、本来の歯や歯茎の色に寄せて作れるため、より自然な仕上がりを求める人にはおすすめです。

総入れ歯の治療の流れと治療期間

総入れ歯の作製 を検討し始めたら、まずは歯科医院に診察に行きましょう。そこで現在の歯や歯茎の状態を診てもらい、総入れ歯が必要かどうか、作製する場合はどの種類にするかといったカウンセリングを受けます。

カウンセリングが終了したら、口の中の型取りをします。取った型を元に患者様の口の中を再現し、歯の高さや噛み合わせを調整することで、ぴったりな入れ歯をしていくのです。
こうしてある程度出来上がった入れ歯を何度か実際に口の中に入れてみて、顔に対して歯が正しい位置にきているか、歯並びは綺麗に整っているかといった点を確認して完成となります。

全体の治療期間は、保険適用の総入れ歯の場合で約1~2週間程度。その間、嚙み合わせや歯並びの調整などのために4~5回ほど通院することになります。
なお、保険適用外の総入れ歯の場合は、精緻な装置を作り細かな調整を繰り返すため、保険適用の総入れ歯より完成までに時間を要する場合もあります。

総入れ歯のお手入れ法

総入れ歯を長期間きれいな状態で使用するためには、日々のお手入れが非常に重要です。
食事をした後は、総入れ歯に汚れや食べかすが残らないように洗浄を。水を溜めた洗面器などの容器の上で入れ歯を流水に晒しながら専用のブラシで磨きます。力を入れて磨くと故障や型崩れの原因になるため、優しく丁寧に磨くのがポイントです。

就寝前には、ブラッシングした入れ歯は入れ歯洗浄剤を入れた水の中に一晩浸しましょう。入れ歯にはブラッシングでは落としきれない汚れや菌が残りやすいため、必ず1日1回は入れ歯洗浄剤を使用するようにします。翌朝の使用前には、しっかりと水で洗い流すのを忘れないようにしましょう。

他の治療と総入れ歯のちがい

インプラントと総入れ歯のちがい

インプラントと総入れ歯のちがいは、「取り外しができるかどうか」という点にあります。
総入れ歯の場合はすべての歯が一体となっており、歯茎を覆い隠すように装着します。日中は着用したまま生活できますが、就寝時には外して必要なお手入れをする必要があります。
一方、インプラントは歯茎に金属でできた歯根を1本1本埋め込み、そこに人工の歯をかぶせるという治療法ですので、取り外しができません。総入れ歯とは異なり、歯茎から直接歯が生えているように見えるので、より自然な仕上がりになります。また、歯根がある分、総入れ歯と比較してしっかりと食べ物を噛めるという点がメリットと言えます。

部分入れ歯と総入れ歯のちがい

部分入れ歯と総入れ歯のちがいは、「残っている歯があるかどうか」によります。

部分入れ歯は、人工歯のついた床を抜歯後の歯茎に被せ、残っている歯にバネ(クラスプ)をかけて安定させる形で装着します。
部分的に数本だけ欠損している場合だけでなく、1本だけ残っているという場合でも対応できるのが特徴です。

一方総入れ歯は、歯が1本もない場合に採用されます。
患者様によっては「残りの歯が1本しかないのであれば、いっそのこと抜いてしまって総入れ歯にしよう」と考えられる方もいらっしゃいます。しかしながら、1本でも歯が残っているのであれば、その歯を使って部分入れ歯を固定したほうが食べ物を噛んだ際の安定感や話しやすさを得られるのです。

入れ歯の種類と素材

コーヌスデンチャー

「コーヌスデンチャー」は、バネ(スクラプ)を用いて他の歯に固定する部分入れ歯とは異なり、残っている歯の上からかぶせるように装着するタイプの人工歯です。
残っている歯との一体感があるため、本来の歯と同じような感覚で食事ができるだけでなく、見た目の面でも自然な仕上がりになる点が支持されています。

ミリングデンチャー

ずれにくい・目立ちにくい部分用入れ歯を希望される方には「ミリングデンチャー」がおすすめです。ミリングデンチャーは隣の歯にバネ(スクラプ)をかけるのではなく、入れ歯本体と土台となる差し歯の両方を設計し、より安定感のある自然な着け心地を実現してくれます。

磁性アタッチメント

「磁性アタッチメント」は、その名の通り磁石を使った入れ歯です。虫歯により歯根のみが残った場合に、歯根側には支えの金属を、入れ歯側には小さな磁石を入れて、磁力により双方をくっつけます。金属部分が露出しないため見た目がよく、部分用入れ歯だけでなく、インプラントを併用した総入れ歯にも適用可能です。

ノンスクラプ

歯茎にあたるピンク色の部分が柔軟性の高い特殊な樹脂でできている入れ歯を「ノンスクラプ」と呼びます。一般的に使用されるレジンよりも薄くしなやかに仕上がり、さらに歯にかける留め具も樹脂でできていることから、着け心地の良さと見栄えの良さを両立することが可能です。

金属床義歯

「金属床義歯」の特徴は、歯茎にあたるピンク色の部分の一部が薄い金属に置き換えられている点。設計によっては金属部分が目立ってしまう場合もありますが、強度が高いだけでなく、しっかりと食べ物を噛める安定感もあるのがメリットと言えます。

チタン床義歯

「チタン床義歯」は、入れ歯の床部分を作る際、強度の高い金属を使用したいけど金属アレルギーが心配という人におすすめ。チタンは金属アレルギーが出にくいだけでなく、軽くて丈夫・においが付きにくいという特徴を持っています。

コバルト床義歯

「コバルト床義歯」に使用されるコバルトクロムという金属は、熱伝導率が高く耐久性に優れているという特徴があります。保険適用のレジン床と比較しても食べ物の温度を感じやすく、より自然で快適な装着感を得ることが可能です。

補足:金属とプラスチックのちがい

金属製の入れ歯とプラスチック製では、「耐久性」と「異物感」において大きなちがいがあります。
プラスチックの入れ歯の場合、食事の時にしっかりと噛むと歪んでしまったり、強く噛むと破損してしまったりすることがあります。その点、金属であればあごの力をしっかり受け止めてくれるので安心です。
また金属の場合、プラスチックの約3分の1~6分の1の薄さで作ることが可能。口の中で邪魔になりにくいので、食事だけでなく会話の際も異物感を感じづらく、スムーズに話せます。

入れ歯専門の国際ライセンス日本第1号取得の歯科医院とは

入れ歯のプロ「BPS国際ライセンス」取得

BPSシステムとは、高品質な診察・工程・材料・技術をもって精密な入れ歯治療を行う仕組みのことで、そのBPS義歯を製作できる免許のような資格のことを「BPS国際ライセンス」と呼びます。
BPS義歯を作製するには、BPS国際ライセンスの中でも「BPS国際クリニカルライセンス」を取得した歯科医師による精度の高い診察と、「BPS国際テクニカルライセンス」を取得した歯科技工士による精密な設計が必要です。

日本有数の症例数と専門性

兵庫県・神戸の精密入れ歯専門外来「木下歯科医院」は、日本で最初にBPS国際ライセンスを取得した歯科医院。BPS国際クリニカルライセンスを取得した木下院長と、BPS国際テクニカルライセンスを取得した歯科技工士・森永純氏が在籍しています。
その確かな知識と経験・技術により、2021年現在で1217症例という日本でも有数の精密入れ歯治療の実績を誇ります。

精密入れ歯「エスティース」

より快適に、美しく、まるで本物の歯のように感じられる入れ歯を提供したい。そんな思いから木下歯科医院が提供するのが、精密入れ歯「エスティース」です。
入れ歯専門義歯が患者様1人1人に寄り添い、よく噛めて快適なだけでなく、見た目が美しく長持ちする入れ歯と、安心して治療を受けられるリラックス空間を提供しています。

どこまでも患者に寄り添う治療を

木下歯科医院では、徹底したプライバシー厳守のために1日5名限定の完全予約制を採用しています。
カウンセリング・治療・アフターケアまで院長自らが担当し、患者様が抱えておられるお悩みに責任をもって寄り添います。
また、完全個室による医院貸し切り診療とさせていただいておりますので、他の人の目が気になる、他の人に悩みを聞かれたくない、という方にも、安心してご相談いただける環境です。

医療法人社団 木下歯科医院 
院長 木下 貴雄

  • 国立徳島大学歯学部歯学科 卒業
  • IPSG咬合認定医
  • BPSメンバー(日本第一号となる精密入れ歯国際ライセンス認定歯科医師)