入れ歯コラムCOLUMN

総入れ歯の寿命はどれくらい?

総入れ歯の平均寿命・耐用年数

保険適用で製作した入れ歯の平均的な寿命(耐用年数)は、3~5年ほどであると言われています。

保険適用で入れ歯を製作する場合、義歯と歯茎の部分の両方に「レジン」と呼ばれるプラスチックを使用します。
レジンは水分を吸収する性質を持つため、しっかりお手入れをしていても、長期間使用しているだけで変形したり着色汚れが残ってしまったりするのです。

一度製作した入れ歯を作り変えるのがもったいないという理由から、1つの入れ歯をずっと使い続ける方もいらっしゃいますが、汚れが蓄積した入れ歯を使い続けるのは衛生的ではありませんし、お口の中の状態が変化して、噛み合わせなどに不具合が出ている可能性もあります。
衛生面と機能面どちらの理由からも、やはり新しい入れ歯を作った方がいいと言えるでしょう。

入れ歯が劣化する原因

一度製作した入れ歯は永久に使用することはできないものですが、どうして入れ歯には寿命が存在するのでしょうか。
入れ歯の作り替えが必要な理由には、「お口の中の状態の変化」と「入れ歯自体の状態の変化」という2つの側面があります。

総入れ歯の寿命の原因1.口腔環境の変化

作った総入れ歯が使用できなくなる原因の1つに、口腔環境の変化が挙げられます。入れ歯は「歯槽骨(しそうこつ)」と呼ばれる歯茎内部の骨を土台として装着します。
この歯槽骨は、加齢だけではなく虫歯や歯周病も原因となり、入れ歯を使用している間もだんだんと痩せていってしまうのです。

合わなくなった入れ歯は、歯科医院で定期的に調整しながら使用することもできますが、お口の中や入れ歯の状態によっては新しく作り直す必要があります。

総入れ歯の寿命の原因2.入れ歯自体の経年劣化

保険適用で製作した入れ歯の平均寿命は3~5年ほどです。
入れ歯は毎日のお食事の際に使用されるため、食べ物を噛むだけでも歯の表面がすり減ったり、圧力により入れ歯自体が変形したりします。

こうした経年劣化は毎日使用している以上避けられない部分でもあるため、日頃のお手入れや歯科医院での定期的な調整を行っている場合でも、ある程度使用したら作り直しの時期が来るということになります。

保険が適用されない自由診療の入れ歯の場合は、金属をはじめとした耐久性の高い素材を使用して強度を高めることも可能です。
しかし、それでも「ずっと壊れない」「ずっと口にぴったり」という状態が永久に続くわけではなく、破損・変形した場合や口腔内の状態が変化した場合は作り直しが必要になります。

総入れ歯の寿命の原因3.入れ歯の破損

保険適用で製作した入れ歯はプラスチックで作られているということもあり、稀に使用中に割れてしまうこともあります。
歯科医院に持ち込めば修理してもらえる場合もありますが、完全に直すことは難しく、再度破損するリスクもあるため、基本的には新しい入れ歯に作り変えることをおすすめされるでしょう。

なお、割れた入れ歯を接着剤でくっつけるという応急処置をされる方もいらっしゃいますが、安全性や衛生面の観点からはおすすめできません。

部分入れ歯の寿命の原因

部分入れ歯の作り直しが必要になるケースとしては、部分入れ歯を固定している隣の歯と部分入れ歯の留め金が合わなくなった場合が考えられます。

歯茎部分にかぶせる形で装着する総入れ歯とは異なり、部分入れ歯は隣の歯に留め金で固定するようにして装着します。
製作した時は健康だった隣の歯が、虫歯や歯周病になってしまうこともあるでしょう。

そのような場合、治療に詰め物や被せ物を使用することにより、留め金が合わなくなってしまうことがあるのです。また、虫歯や歯周病の進行により歯が抜けてしまった場合も、新たに抜けた歯も補うようにして部分入れ歯を製作し直すことになります。

入れ歯は毎日使用する分、どんなに気を使って使用していても必ず寿命がやってきます。合わない入れ歯を使用していると、お食事を十分に楽しめないだけでなく、新たな口腔トラブルの原因になってしまう可能性があります。
「せっかく作ったのにもったいない」と思われる気持ちもわかりますが、快適な口内環境を保つためにも、寿命が来た入れ歯は作り変えることをおすすめします。

入れ歯の寿命を延ばす(長持ちさせる)ために

入れ歯のお手入れ・メンテナンス

入れ歯を長く使い続けるには、日頃のお手入れやメンテナンスが必要不可欠です。 プラスチック製の入れ歯は特に汚れやすく、そのまま放置していると着色汚れがとれなくなったり臭いの原因になったりしてしまいます。食事が終わったら一度取り外してブラッシングし、就寝前には専用の洗浄剤に浸けておくようにしましょう。

また、入れ歯は知らず知らずのうちに変形しています。ご自身では違和感を覚えなくても、実はお口に合わなくなっていた…ということも少なくないため、定期的に歯科でメンテナンスしてもらうことも大切です。

定期的な歯科での検診

入れ歯を使用していると、入れ歯だけでなくお口の中の状態も変化していきます。歯科で定期的に検診を受けるようにし、口腔トラブルが起きていないかどうかチェックしてもらうようにしましょう。
「総入れ歯にすれば虫歯や歯周病のリスクはない」と思われる方もいらっしゃいますが、実はすべて歯がない方であっても、残っている歯の根元部分や歯槽骨が虫歯菌や歯周病菌に侵されてしまうことが少なくありません。
入れ歯を長く使い続けるためにはお口の中を健康に保つことも大切なため、必要に応じて治療を受けるようにしましょう。

残存歯のケアも大切

部分入れ歯を使用している方は、残っている歯のケアがとても重要です。部分入れ歯は隣の歯に固定して装着するため、隣の歯が虫歯や歯周病になってしまうと、せっかく作った部分入れ歯を使えなくなってしまいます。
部分入れ歯自体の歯磨きはもちろん、残っている歯も丁寧に磨く必要があるため、なかなか上手にできないという方は、歯科で歯磨きの指導を受けてみるといいでしょう。

【番外編】歯の寿命に関する「8020運動」って?

「8020(はちまるにーまる)運動」という言葉をお聞きになったことはあるでしょうか。これは「80歳まで自分の歯が20本以上残っているように、歯の健康状態を保つ努力をしましょう」という運動です。

8020運動は、近年の研究結果で日本人の「健康寿命」と歯の健康状態との密接な関わりが判明したことから始まりました。

「健康寿命」とは、健康上の問題に制限を受けることなく日常生活を送れる寿命のことを指します。
日本人の「平均寿命」は男性で約80歳、女性で約87歳。一方で「健康寿命」はそれよりも10年前後短く、男性で約71歳、女性で74歳にとどまっており、この「平均寿命」と「健康寿命」の差が問題視されているのです。

そこで注目されたのが、歯の健康状態。歯の健康状態が保たれていると食事をしっかり噛めるため、脳に刺激が伝わって認知症のリスクが低下します。
さらに、食べられるものが多いと低栄養状態になりにくく、筋肉量の低下を防ぐことができ、結果的に転倒による怪我のリスクも減らせるのです。

自分の歯が残っている場合は、その歯をしっかりケアして大切にしてあげることが大切です。ただ、歯が抜けてしまったからと言って諦めることはありません。現在では本物の歯に近い入れ歯を製作する技術も発達していますから、自分に合った治療を受け、「よく噛める」口元を取り戻しましょう。

寿命が永い総入れ歯は、専門クリニックに相談

保険適用の入れ歯の寿命が3~5年とあまり長くないこともあり、患者様の中にはもっと長く使える入れ歯を希望される方も少なくありません。

そんな方に多く選ばれているのが「精密入れ歯」と呼ばれる総入れ歯です。

木下歯科医院は、精密入れ歯の国際資格である「BPS国際ライセンス」を日本で最初に取得した歯科医院として、これまで多くの患者様の入れ歯の悩みに寄り添ってまいりました。来院される患者様の中には、他院様で製作した入れ歯がすぐに合わなくなってしまい、より長持ちする快適な入れ歯を作りたいとおっしゃる方も少なくありません。

BPS国際ライセンスにより製作される入れ歯には、型取りから入れ歯の製作まで、通常の入れ歯製作では使用されない特殊素材を採用。高度な技術による型取りにより、患者様のお口にぴったりで長く快適にお使いいただける総入れ歯を実現しています。

当院はカウンセリングから診察、アフターケアまでのすべてを木下院長が担当し、フルオーダーメイドによる総入れ歯製作を行っているのも特徴。一度製作した入れ歯のメンテナンスも丁寧に行い、いつまでも美しく快適にご使用いただけるように全力でサポートしております。

入れ歯製作が初めてという方や、歯科に抵抗があるという方のために、当院での治療は完全予約制とさせていただいております。無料相談も実施しておりますので、長く使える入れ歯を作りたいという方は、ぜひ一度お問い合わせください。

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医療法人社団 木下歯科医院 
院長 木下 貴雄

  • 国立徳島大学歯学部歯学科 卒業
  • IPSG咬合認定医
  • BPSメンバー(日本第一号となる精密入れ歯国際ライセンス認定歯科医師)