入れ歯コラムCOLUMN

抜歯をして総入れ歯をする場合の気になることについてお答えします

総入れ歯をつくるために抜歯が必要ってホント?

自分の歯が残っているのに、わざわざ抜歯をして総入れ歯にする必要があるのか、 疑問に思われる方も多いでしょう。

実際のところ、抜歯をするかどうかは残っている歯の状態によります。
健全な歯であり、部分入れ歯の支えになれるような状態であれば、歯を残す形で入れ歯をつくることも可能です。

しかし歯の状態が悪ければ、部分入れ歯をつくっても結局長持ちしないため、抜歯をして総入れ歯をつくるよう勧められる場合もあります。

抜歯せざるを得ない歯の状態には以下のようなものが考えられます。

重度な虫歯になっていて、治療が難しい場合

すでに食事がしにくいといった影響が出ているような重度な虫歯は、治療よりも抜歯を選択する場合もあります。

歯周病が進行している

歯周病は、歯を支えている歯槽骨という骨を溶かしてしまいます。歯がぐらついてしまい、入れ歯の支えにできない可能性が高いです。

歯が破折している

歯が折れてしまっている、歯の根が割れたりヒビが入っているといったケースでは、抜歯をしてしまったほうが安定した入れ歯をつくりやすい場合があります。

根の先に炎症がある

歯の根の深くに炎症が起きてしまう根尖性歯周炎は、非常に治療が困難な症状。入れ歯を検討する際にこのような歯があった場合は抜歯することがあります。

親知らずの状態がよくない

親知らずの生え方によっては、虫歯や歯周病の原因になってしまったり入れ歯の形成が難しくなってしまうため、抜歯することがあります。

過剰歯がある

大人の永久歯の本数は28~32本とされていますが、それ以上に生えてきた歯を過剰歯といいます。本来は生えない歯であるため、正しい生え方をしていないことが多く、虫歯の原因や入れ歯づくりを難しくしてしまう場合があります。

抜歯から総入れ歯完成までの歯が無い期間はどれくらい?

抜歯をした後の歯茎には穴(抜歯窩)ができます。この穴が塞がるまでには短くとも2~3ヶ月、場合によってそれ以上の期間が必要です。

総入れ歯は、歯茎や口の形にあわせて精密につくる必要があるため、まず型取りをします。
しかし正常な状態での型取りをするには、歯茎の穴の治癒を待たなければなりません。つまりその間は歯が無い状態になってしまいます。

型を取った後に入れ歯の作製がはじまりますが、型に合わせてつくることはもちろん、試しに装着をして噛み合わせの微調整をするなど、完成までには一定期間が必要です。最短でもだいたい2週間~1ヶ月はかかるでしょう。

抜歯から総入れ歯完成までを凌ぐ治療とは

歯が無い状態で起こる問題とは

抜歯をして歯が無い状態になった場合、生活において様々な支障をきたすことは言うまでもありません。

当然ながら、まずは食事がしにくくなります。歯が無ければうまく噛むことができない、つまり食べ物を細かく咀嚼することができません。食べにくいことはもちろん、よく咀嚼しないまま飲み込むことで胃や腸への負担が増えてしまうというリスクもあります。

次に、発音がしにくくなり会話に支障が出ることが考えられます。歯が無いことで空気が漏れてしまい、はっきりとした発音ができない状態に。
そうすると、相手が聞き取りにくいということに加えて、うまく会話できないことによるストレスも溜まってしまいます。

力作業がしにくくなる点にも注意が必要です。力作業をする際は歯を食いしばることで力を発揮しやすくなるのですが、歯が無い状態では自分が思っているよりも力が入らず、思わぬケガにつながることもあるかもしれません。

最後に、見た目への変化があります。 例えば前歯が無い状態では、思い切り笑顔になることにためらいを感じる方は多いでしょう。また、口を閉じていたとしても頬がくぼんでしまったり、顎がたるむ、口元が内側に巻き込まれてしまう、といった状態になってしまいます。このような変化があると、出かけたり、人と会うような場面も避けがちになってしまうのではないでしょうか。

このように、歯が無い状態では生活に様々な支障が出てしまいます。そのため、抜歯後に歯の無い期間をつくらないよう、以下のような治療を行うことがほとんどです。

すぐ入れ歯ができる治療(1):即時義歯

即時義歯とは、抜歯をする前に型を取り、その型からできた模型の上で抜歯する歯の部分を削って仮の入れ歯をつくる方法。あらかじめこの即時義歯を準備しておくことによって、抜歯した直後から入れ歯を入れることができます。

つくった即時義歯が抜歯後も自分の口に合えばそのまま使い続けることも可能ですが、あくまで抜歯後をイメージしながらつくる入れ歯のため、実際につけてみると違和感がある場合が多くなります。そのため、できた入れ歯を何度か調整したり、自分にあったものにつくりなおす工程が必要になります。

すぐ入れ歯ができる治療(2):残根上義歯

残根上義歯とは、歯の根っこの部分だけを残した状態で入れ歯をつくる方法。この方法は、9本以上の多くの抜歯が必要な場合に行われます。歯の根っこを残すことで入れ歯の安定性を保ちつつ、スケジュールを立てて少しずつ抜歯をしていくのです。

自分の歯が土台としてあるため、ある程度噛む感覚を保てるものの、残した歯根の周囲が不衛生になったり、残した義歯が負荷に耐え切れず破折してしまうこともあるので、速やかに抜歯を進めていく必要があります。 抜歯後の歯茎の状態は大きく変わっていますので、改めて入れ歯をつくりなおすことがほとんどです。

こういった治療は、歯が無い状態をなるべくつくらず、生活に支障がある期間を可能な限り短くするためには有効な方法です。保険適用ができるものであれば、費用も抑えやすくなります。
しかし、こうした治療でつくられた入れ歯はあくまで仮の歯茎やお口の状態に基づいたものですので、長く使い続けていくのには向いていません。口の中というのは、髪の毛のような細い異物であってもしっかり感じ取れるほど敏感なもの。快適に長く使い続けられる入れ歯を手に入れるには、抜歯後の歯茎の状態に合わせてつくりなおすことが前提であると考えておきましょう。

安心して自分にあった入れ歯をつくるためには

入れ歯をつくる際に、歯の状態が悪いと抜歯が必要になるという点はある程度ご理解いただけるかと思いますが、場合によっては残すことが可能な歯であっても抜歯を提案されることがあります。

まず、歯を残す場合はその歯を支点とした部分入れ歯をつくることになります。クラスプという留め具で残った歯に引っかけて入れ歯を使うのですが、この支えになった歯には大きな負担がかかり、いずれは抜けてしまったり、入れ歯がガタガタしてしまうといった不具合が生じることを、実例をもって歯科医は知っているのです。そのため、今は歯を残せたとしても、長期的な観点で抜歯を提案されることがあります。

また、残す歯の位置が悪い場合、その状態に合わせた入れ歯をつくる難易度が高かったり、安定しなくなってしまうこともあります。その点、総入れ歯であれば理想的な歯並びをつくりやすいため、残った歯の状態によっては抜歯も検討されるというわけです。

安心できる入れ歯づくりで重要なのは、このように抜歯をする理由をしっかりと説明してくれる歯科医を選ぶということです。どういった治療方針で進めるのか、なぜそのような治療を行うのかをわかりやすく説明してくれる医師であれば、満足できる入れ歯をつくりやすくなるでしょう。

保険の総入れ歯と自費の総入れ歯の違い

自分の歯が無くなってしまい総入れ歯にする際には、保険適用の総入れ歯と、自費での総入れ歯の2つの選択肢があります。

まず保険適用の総入れ歯の場合、費用が抑えやすく、治療期間も早くできる点がメリット。ただし、精密さの部分ではデメリットをはらんでいます。
というのも、保険適用の場合、素材は歯科用のプラスチックだけと定められており、型を取る方法や型取りに使う材料も決まっているから。患者さんの状態に合わせた入れ歯をつくりにくく、装着後に違和感がある、噛み合わせが悪い、入れ歯が破損してしまうといったことが起こる可能性があるのです。

次に自費の入れ歯の場合ですが、こちらは保険適用されないため、費用が高くなってしまう点がデメリットです。しかし、より精密な型取りが可能になっており、さらに入れ歯の素材についてもいくつか種類がある中から選ぶことができるため、見た目や装着感に違和感が無い、まさに「自分だけの入れ歯」をつくれるという点が最大のメリットになります。耐久性も高く、長く快適に使える入れ歯づくりが可能です。

抜歯が怖い、総入れ歯が不安…そんな悩みは専門クリニックに相談を

歯というのは、ものを噛むという機能だけではなく、笑顔の際にのぞく前歯の並びや色などの審美面でも重要な部分です。

自費でつくる入れ歯であれば、形状・色・使用感などをより自然な仕上がりにすることができますが、歯科医や歯科技工士の技術によって、同じ自費の入れ歯でも完成度は異なってきます。それほどに総入れ歯というのは、高い技術力や精密さが求められるのです。

木下歯科医院で入れ歯治療を担当するのは院長の木下、入れ歯製作に携わる歯科技工士は森本純氏。2人とも「BPS国際ライセンス」という精密入れ歯の国際資格を取得しているプロフェッショナルです。

治療は院長によるカウンセリングからスタート。1日5名限定の完全予約制となっており、完全個室でプライバシーが守られたリラックスできる空間で要望を細かく伝えることができます。

その後、口の中の精密検査はもちろん身体全体のバランスを見ながら、噛み癖や歪み、顔の筋肉の状態までチェック。
それらの情報を元に現状と今後の治療計画を丁寧に説明した上で、患者さんの要望に合わせて一緒に治療方針を決めていきます。

そんな木下歯科医院では、その技術の高さを活かした精密入れ歯「ESTEETH(エスティース)」をご提供しています。

エスティースは、まるで自分の歯で生活しているかのような快適な使用感に加え、入れ歯だと気づかれにくい高い審美性を追及した総入れ歯。
人工歯は自然な歯に見える透明感を持ち、歯肉の部分に関してもまるで血が通っているようなグラデーションを再現。「自分だけの美しい口元」をつくることができるため、女性の方や普段人と話す機会の多い方にもおすすめの精密入れ歯です。

初めて入れ歯を製作される方だけでなく、過去に他院様で入れ歯治療を受けたことのある方もご相談いただけます。無料相談を実施しておりますので、歯のお悩みを解消して美しい口元を取り戻したいという方は、ぜひ一度木下歯科医院にご相談ください。

★精密入れ歯「ESTEETH」についてもっと詳しく>>

医療法人社団 木下歯科医院 
院長 木下 貴雄

  • 国立徳島大学歯学部歯学科 卒業
  • IPSG咬合認定医
  • BPSメンバー(日本第一号となる精密入れ歯国際ライセンス認定歯科医師)