入れ歯コラムCOLUMN

前歯を失った場合に入れ歯を選択するメリットとは?種類や費用も解説

こんにちは。神戸市東灘区にある木下歯科医院です。
前歯を入れ歯にする説明

前歯を失った場合に入れ歯を選択するとどのようなメリットがあるのでしょうか。前歯は目立つ部分なので、補綴物が入っているとわからないように補いたいと考える方も多いでしょう。

本記事では、前歯を失うことのリスクや、前歯を失った場合に入れ歯をするメリットについて解説します。失った前歯を入れ歯にするデメリットも併せて解説するため、入れ歯を検討している方はぜひ参考にしてみてください。

前歯を失う原因

前歯の虫歯
ここでは、前歯を失う原因について解説します。


重度の虫歯

歯を失う原因の47%程度は虫歯といわれています。歯を失うほどの虫歯は奥歯に多い傾向にあるものの、前歯を失う原因にもなり得ます。

重度の虫歯によって歯を抜かざるを得ない状態になった結果として、歯を失うのです。

歯周病

歯を失う原因の約37%が歯周病で、とくに中高年の歯を失う主たる原因です。歯周病は年齢が高くなるにつれて増加する傾向にあり、45~54歳になると半分以上の人に4mm程度の歯周ポケットが見られます。

重度の歯周病の場合は歯を失う可能性があり、6mm以上の歯周ポケットができると注意が必要です。

破損

歯を失う原因の約18%が破損です。

といっても、歯に無理な力が加わったり事故にあったりしたことが原因で健康的な歯が破損する割合は低く、虫歯によって神経をとった歯が破損することが多いです。ほかにも、ブリッジの土台となっていた歯が摩耗して維持できなくなることもあります。

前歯を失ったまま放置するリスク

前歯を失ったまま放置するリスクイメージ
前歯を失っても、奥歯があれば食べ物も噛めるから問題ないと放置する方もいるかもしれません。

しかし、前歯を失ったまま放置するとさまざまなリスクがあります。前歯を失ったまま放置するリスクは、次の通りです。

見た目に影響がでる

前歯を失ったまま放置すれば、当然ながら見た目に影響が出ます。歯が1本ないだけでも、年齢よりも老けた印象を与えます。

また、歯のない部分の歯槽骨は痩せるため、歯茎が下がって歯が長く見えるなど、これまでの印象とは変わってしまうかもしれません。

発音に影響が出る

前歯は発音にも大きく関係しています。前歯が抜けると空気が漏れやすくなるため、発音に影響が出やすいでしょう。

特にサ行を発音する際は、歯の抜けた部分から空気が漏れ、うまく発音しにくくなると考えられています。コミュニケーションへ影響が出るかもしれません。

歯並びが悪くなる

歯が1本でも抜けた状態になっていると、抜けた部分の反対側の歯が伸びてきたり、抜けた歯の両側の歯が隙間に倒れてきたりして歯並びが悪くなります。歯並びが悪くなることでうまく物を噛めなくなったり、顎に負担がかかって顎が痛くなったりします。

前歯を失った場合に入れ歯を選択するメリット

前歯を入れ歯にするメリットイメージ
失った前歯を補強する選択肢として、入れ歯が選択される傾向にあります。前歯を失った場合に入れ歯を選択するメリットは、次の通りです。


すぐに歯を補える

入れ歯は作製に時間があまりかかりません。前歯が無い期間を短くしたいと考える方は、入れ歯を選択する傾向があります。

また、近年では入れ歯の技術が進み、一目で入れ歯をしているとはわからないほど美しいものもあります。自由診療で入れ歯を作れば、より自然な白い歯が手に入るでしょう。

容易に修理できる

人工物のため、天然歯と比べれば入れ歯が割れたり欠けたりする可能性は高いです。入れ歯は修理がほかの治療法に比べると容易なので、壊れてもすぐに修理が可能です。

歯科に通うのが難しいという忙しい方にはメリットになるでしょう。

取り外しが容易

入れ歯は取り外しを容易にできます。歯磨きなどを普段どおりに行えるので、口の中を清潔に維持できます。虫歯や歯周病によって歯を失うリスクも低減できるでしょう。

口の中でトラブルが起きても自分で入れ歯を外してチェックできるので、異常の早期発見もしやすいです。

前歯を失った場合に入れ歯を選択するデメリット

前歯を入れ歯にするデメリットイメージ
前歯を失った場合に、入れ歯を選択することにはデメリットもあります。メリットだけでなくデメリットについてもおさえておきましょう。

慣れるまでに時間がかかる

今まで口内になかった人工物を入れることになるので、違和感を覚える方は少なくありません。装着を続けていれば徐々に慣れてくるものの、慣れるまでに時間がかかる傾向にあります。

違和感だけでなく痛みが出ることもあるため、入れ歯の使用を断念する方もいます。

噛む力が弱い

入れ歯は、自分の歯の噛む力を100%とした場合、30%ほどの力しか出せません。とくに、前歯は食べ物を噛み切る役割を担います。

噛む力が弱いため、お肉やせんべいなどの硬い食べ物は噛み切れなかったり、無理に噛んで破損したりといった可能性が考えられるのです。

審美性が劣る

入れ歯のうち、とくに保険適用のものは留め具に金属を使います。・前歯の入れ歯の場合、この金属が目立つので審美性が劣ります。

審美性を意識する場合は、保険適用外の入れ歯を作るか入れ歯以外の方法を考えたほうがよいでしょう。

顎の骨が痩せる

入れ歯の最たるデメリットが、顎の骨が痩せることです。あごの骨は、歯の根から噛む力が刺激として伝わった結果、鍛えられていきます。

しかし、入れ歯は歯の根の部分は再現しません。噛む刺激が伝わらず、顎の骨が痩せていきます。

顎の骨が痩せると口周りがたるんだり、ほかの歯に影響が出たりすることが考えられます。

前歯の入れ歯の種類

前歯の入れ歯
前歯の入れ歯には、さまざまな種類があります。入れ歯の種類を把握して、自分にぴったりな入れ歯を装着しましょう。

主な種類は、以下のとおりです。

レジン床義歯

入れ歯の中で唯一、保険適用で作れるものです。保険が適用されるので安く作れる一方、使える素材が限られるので、審美性が劣ったり劣化しやすかったりします。

また、プラスチックを使って作るため、強度が低いです。日々の使用に耐えられる強度を保つためには厚く作る必要があるので、装着時に違和感を覚える方が多いです。

金属床義歯

保険適用の入れ歯の場合、土台にあたる部分にはプラスチックを使います。金属床義歯は、土台部分に金属を使用した入れ歯です。

金属を使っているので食べ物の温度が伝わりやすく、強度が高いため入れ歯を薄く作れることがメリットでしょう。

作製までに3か月程度必要な場合が多いです。

ノンクラスプデンチャー

金属の留め具を使わない入れ歯です。見た目は天然歯とかなり近く、審美性が高い点が特徴でしょう。

床を薄く作れるためフィット感もよく、はじめての入れ歯を使用する方に選択される傾向があります。約1か月程度で完成することが多いです。

シリコーン義歯

土台部分にシリコーンを使った入れ歯です。シリコーンは安全性が高く、金属アレルギーの方でも問題なく使えます。

やわらかい素材であることから、噛むときの力を吸収し顎の負担を軽減してくれます。治療期間は2か月程度です。

インプラント義歯

インプラントと入れ歯を併用する方法です。インプラント体を顎の骨に埋入し、インプラントを利用して入れ歯を固定します。

安全性は高いですが、インプラントを埋入する外科手術が必要です。身体的な負担が大きいため、治療を受けられない方もいるでしょう。

前歯を入れ歯にする場合の費用

前歯を入れ歯にする場合の費用イメージ
前歯を入れ歯にする場合の費用は、保険が適用されるかどうかで大きく変わります。保険適用の入れ歯であれば、3割負担で自己負担額は3,000~8,000円程度でしょう。

保険適用外の治療を選んだ場合には、どの治療を選んだとしても10万円は最低限かかります。治療内容によっては50~100万円近くかかるでしょう。

前歯を入れ歯にする場合は、かかる費用や予算も考慮する必要があります。

まとめ

前歯を入れ歯にした人
虫歯と歯周病は前歯を失う2大要因とされています。前歯を失ったあとは、放置するのではなく何らかの治療で補う必要があります。放置すると、日常生活や歯の健康に大きな影響を与えてしまいます。

前歯の入れ歯にはメリット・デメリットがあります。また、保険適用外であれば費用も高額になります。

前歯の入れ歯の種類や特徴、メリット・デメリットをよく理解したうえで、自分に合った方法を選択しましょう。

入れ歯を検討している方は、神戸市東灘区にある木下歯科医院にお気軽にご相談ください。