入れ歯コラムCOLUMN

入れ歯をしたときに喋りにくいと感じるのはなぜ?原因と対処法を解説

こんにちは。神戸市東灘区にある木下歯科医院です。
入れ歯をしたときに喋りにくいと感じるのはなぜか考える男女

「入れ歯をすると喋りにくい」「入れ歯で話すと聞き取ってもらえない」と悩まれている方がいるのではないでしょうか。入れ歯装着時に喋りにくくなると、日常生活に支障をきたすこともあるでしょう。

入れ歯をしたときの喋りにくさを改善するためには、原因と対処法を知ることが大切です。

そこで今回は、入れ歯をしたときに喋りにくいと感じる原因と対処法を解説します。喋りやすい入れ歯についても言及していますので、入れ歯の使い心地にお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。

入れ歯をしたときに喋りにくいと感じる原因

入れ歯をしたときに喋りにくいと感じる人
入れ歯をしたときに喋りにくいと感じる原因には、入れ歯の厚みや縁の長さ、お口との相性など、さまざまあります。

ここでは、入れ歯をしたときに喋りにくいと感じる原因について解説します。

新しい入れ歯に慣れていない

初めての入れ歯や新しい入れ歯を作った直後は、入れ歯がお口に馴染んでおらず、喋りにくいと感じる場合があります。

今まで歯がなかったところに入れ歯を入れるとお口の中の空間が狭くなるため、舌を動かしにくくなり、喋りにくいと感じる場合があるのです。また、入れ歯を作り直すと形が変わるため、舌の動かし方に慣れるまでは喋りにくいと感じる場合もあるでしょう。

入れ歯は患者さんのお口に合わせて作製しますが、新しい入れ歯に慣れるまでは1か月程度かかるといわれています。初めて入れ歯を装着する場合や新しい入れ歯に作った場合は、時間をかけて慣れていくことが大切です。

入れ歯が分厚い

入れ歯の歯茎部分が分厚いと舌を動かすスペースが狭くなるため、喋りにくいと感じることがあります。また、下の入れ歯の縁が長すぎる場合も、舌の動きを邪魔することで喋りにくさや飲み込みにくさを感じることがあるでしょう。

入れ歯と歯茎の間に隙間がある

入れ歯の床の部分と歯茎が密着することで安定し、会話や食事がしやすくなります。

しかし、入れ歯と歯茎の間に余分な隙間があると入れ歯が安定せず、喋りにくいと感じることがあります。また、隙間から空気が漏れて滑舌が悪くなるだけでなく、すぐに入れ歯が外れることもあるでしょう。

入れ歯の噛み合わせが合っていない

入れ歯の噛み合わせは、食事面だけでなく喋りやすさにも影響を及ぼします。噛み合わせが高すぎると、歯に入れ歯が当たりやすくなり、話すたびに「カチカチ」と音が鳴ることがあります。

また、噛み合わせたときに上下の歯の間に余分な隙間があると空気が漏れやすくなり、喋りにくいと感じることもあるでしょう。

入れ歯をしたときに発音しにくくなる音

入れ歯をしたときに発音しにくいイメージ
入れ歯をしたときの滑舌は、入れ歯の形以外にも舌の動かし方や息の出し方にも左右されます。

そこでここでは、入れ歯をしたときに特に発音しにくくなる音について解説します。

サ行

サ行は歯擦音と呼ばれ、前歯と舌の隙間から息を出して発音します。上の入れ歯が分厚いと、サ行が発音しにくいと感じることがあるでしょう。

ナ行・ラ行

ナ行やラ行は、舌を丸めて発音する音です。入れ歯を装着することで舌を動かしにくくなると、発音に影響が出ることがあります。

特に、下の入れ歯は舌に当たりやすいため、発音しにくいと感じることがあるでしょう。

カ行・ン

カ行やンは、上顎の奥側(軟口蓋)と舌の奥側を使って発音する音です。そのため、上の入れ歯に厚みがある場合や縁が長い場合に、発音しにくいと感じることがあるでしょう。

マ行

マ行は、上下の唇をくっつけて発音する音です。噛み合わせが悪く、入れ歯が邪魔をしてうまく口を閉じられないと、発音しにくいと感じることがあります。

入れ歯をしたときに喋りにくいと感じる場合の対処法

入れ歯をしたときに喋りにくいと感じる場合の対処法を説明
ここでは、入れ歯をしたときに喋りにくいと感じる場合の対処法について解説します。

発音しにくい音の練習

初めて入れ歯を装着する際や新しい入れ歯を作った直後など、入れ歯がお口に馴染んでいないことが原因で喋りにくい場合、まずは発音の練習をすることが大切です。新しい入れ歯に慣れるまで1か月程度かかることも珍しくありません。

まずは入れ歯を装着し、家族や周りの方に自分の発音を聞いてもらったり、録音した声を自分で聞いてみたりして、発音しにくい音や単語を確認しましょう。

発音しにくい音や単語が分かったら、繰り返し発音して練習してみてください。お口周りの筋肉トレーニングにもつながるでしょう。

入れ歯の厚さや縁の調整

入れ歯が分厚すぎると、舌を動かす範囲が狭くなることで滑舌が悪くなります。このような場合、入れ歯の厚みを調整することで改善できる場合があります。

しかし、入れ歯にある程度の厚みがあることで入れ歯の安定性が向上し、破損しにくくなります。入れ歯を削りすぎると噛み合わせが悪くなったり、破損しやすくなったりするため、自己判断で調整せず、必ず歯科医師に相談しましょう。

入れ歯の噛み合わせを整える

入れ歯を装着して喋ると「カチカチ」と音が鳴ることや、歯と入れ歯との間に余分な隙間があると、空気が漏れて滑舌が悪くなることがあります。

これは、自分の歯と入れ歯の噛み合わせ部分が高かったり低かったりすることが原因です。そのため、噛み合わせが高いところは削り、低いところには材料を足すことで改善できるでしょう。

ただし、噛み合わせが変わることで顎の位置も変わるため、慣れるまでは違和感や喋りにくさを感じるかもしれません。入れ歯の調整時に不具合がある場合は、その旨を歯科医師に伝えましょう。

喋りやすい入れ歯はある?

喋りやすい入れ歯のイメージ
保険の入れ歯の歯茎の部分はプラスチック素材しか選択できないため、どうしても厚みが必要になり、噛みにくかったり喋りにくかったりしやすいです。特に、入れ歯の範囲が広い方や総入れ歯の方は喋りにくいと感じやすいでしょう。

入れ歯をしたときの喋りにくさにお悩みの方は、金属を使用した金属床義歯が適しているかもしれません。

金属床義歯とは、外から見える歯茎の部分はピンク色で、歯茎に触れる部分は金属の入れ歯のことです。金属を使用することで耐久性が高くなるため、保険の入れ歯よりも薄く仕上げられます。

そのため、異物感が減るだけでなく、お口の中の空間が広くなることで舌が動かしやすくなります。特に、上の総入れ歯の場合、上顎を覆う部分の厚みが減ることで違和感や喋りにくさは改善されるでしょう。

また、金属は熱を通しやすいため、食べ物の温度を感じやすくなります。冷たい・熱いなど、食べ物の温度を感じやすくなるため、毎日の食事を楽しめるでしょう。

金属床義歯は自費になるため費用は高額ですが、その分入れ歯の使い心地を向上させることができるでしょう。

「使っている入れ歯が喋りにくい」「保険の入れ歯が合わない」など、今お使いの入れ歯に不具合を感じている方は、一度金属床義歯を検討してみてはいかがでしょうか。

まとめ

入れ歯
今回は、入れ歯をしたときに喋りにくいと感じる原因と対処法について解説しました。

新しい入れ歯に慣れていないと、喋りにくいと感じることがあります。新しい入れ歯に慣れるまでは1か月程度かかるといわれているため、しばらく様子をみるとよいでしょう。

発音の練習をすることで改善される場合もあります。発音しにくい音を知り、繰り返し練習しましょう。

また、入れ歯が分厚すぎることや入れ歯の噛み合わせが悪いことが原因で喋りにくいと感じる場合もあるかもしれません。入れ歯の厚さや噛み合わせが原因で喋りにくい場合は、調整してもらうことで改善される場合があるため、歯科医師に相談しましょう。

入れ歯を検討している方は、神戸市東灘区にある木下歯科医院にお気軽にご相談ください。