こんにちは。神戸市東灘区にある木下歯科医院です。
入れ歯とは、失った歯の代わりに装着する人工歯のことです。歯は加齢や病気により抜けることがあります。歯がないと食事が困難である上に審美性も悪いですが、入れ歯で歯を補うことで問題なく生活できるようになります。
しかし、入れ歯は様々な原因で外れることがあります。食事中や会話中に外れることは誰しもが避けたい事態です。
本記事では、入れ歯が外れる原因と対処法についてご紹介します。入れ歯を使用している方の参考になれば幸いです。
入れ歯が外れる原因
入れ歯は上顎や下顎に吸着させて固定しますが、時には予期せぬタイミングで外れる場合もあります。食事中や会話中に外れるのは避けたい事態です。
入れ歯が外れる原因は、大きく分けて以下の4つです。
入れ歯のサイズが合っていない
歯茎に対して入れ歯のベース部分のサイズが合っていないと、隙間によって入れ歯がフィットせずに外れやすくなります。
また、歯茎に対して入れ歯が大きいと入れ歯が外れやすくなるだけでなく、歯茎や粘膜に入れ歯が当たり痛みを感じる原因にもなるため注意が必要です。
入れ歯を作製した当初はサイズが合っていても、入れ歯の劣化や歯茎の痩せによりサイズが合わなくなることもあります。入れ歯が外れやすいなどの違和感がある場合は、歯科医院で相談して調整してもらいましょう。
噛み合わせに問題がある
噛み合わせに問題がある場合も入れ歯が外れやすくなります。口の動きと入れ歯の動きが合わなくなるためです。食事や会話をするときに入れ歯が口の外に滑り出る要因にもなりかねません。
こちらも歯科医院で入れ歯を調整してもらうことで改善されるでしょう。
唾液が少ない
唾液は入れ歯を適切な位置に吸着させるために重要な要素です。唾液が少ないと入れ歯が適切にフィットせず、外れやすくなります。加齢や薬の副作用などが主な要因です。
金具が歯にフィットしていない
部分入れ歯の場合「クラスプ」という金具を残っている正常な歯に引っ掛けて入れ歯を固定します。金具が歯に適切にフィットしていないと、入れ歯が外れやすいです。
長期間使用して着脱を繰り返すうちに金具がゆるくなると、入れ歯を固定しにくくなります。また、食事や外からの圧力によって金具が変形することもあります。金具が変形すると入れ歯を固定しにくくなるため、入れ歯が外れる原因になるでしょう。
入れ歯を固定する金具がゆるんでいる場合や変形している場合は、早めに歯科医院で相談しましょう。
部分入れ歯の金具を引っ掛けている歯がグラついている
前述した通り、部分入れ歯は残っている歯に金具を引っ掛けて入れ歯を固定します。金具を引っ掛けている歯がグラついていると入れ歯を固定しにくくなり、入れ歯が外れやすくなるのです。
金具をグラついている歯に引っ掛けていると抜けてしまうこともあるでしょう。金具を引っ掛ける歯を変更するなどの処置が必要となるため、気付いた時点で歯科医師に相談しましょう。
歯茎が痩せている
歯茎が痩せていることも、入れ歯が外れる原因です。歯茎が痩せる原因としては、加齢や歯周病、乱れた歯並びなどが挙げられます。歯茎が痩せた分だけ入れ歯と歯茎の間に隙間が生じて外れやすくなるでしょう。
歯茎の痩せは入れ歯が外れやすくなるだけでなく、正常な歯の抜け落ちにもつながります。心配な方は歯科医師に相談しましょう。
入れ歯が外れるときの対処法
入れ歯が頻繁に外れると、日常生活に支障をきたします。そのまま使用し続けるとストレスを感じるだけでなく、口腔内に痛みが出ることもあるため、早めの対処が重要です。
以下では入れ歯が外れるときにするべき具体的な対処法について解説します。
入れ歯を作り直す
入れ歯が頻繁に外れるのであれば、サイズや噛み合わせが合っていない可能性が考えられます。入れ歯を作り直して適切なものを着用すると外れにくくなるでしょう。
歯科医院では顎の大きさや歯並び、歯茎の厚さなどを念入りにチェックし、1人ひとりの口の形状に合った入れ歯を作製します。
入れ歯は時間の経過とともに劣化します。また、口腔内の環境も時間の経過とともに変化するため、定期的に調整や作り直しが必要なのです。
唾液の分泌量を増やす
前述した通り、唾液が少ないと入れ歯が外れやすくなります。また、口腔内が乾燥すると入れ歯が外れやすくなるだけでなく、虫歯や歯周病の原因にもなるのです。
唾液が少ないときは、唾液腺をマッサージすることで改善する場合もあります。人工唾液を使用するのもよいでしょう。
入れ歯の内面に材料を足す
歯茎が痩せて入れ歯がフィットしなくなった場合、入れ歯の内面に材料を足すことでフィット感を改善できます。歯科医師が歯茎の痩せ具合や隙間の大きさを正確に把握した上で、精密に材料を足して調整します。
歯茎が大きく痩せている場合は、入れ歯を作り直すこともあるでしょう。歯科医師に相談して、最適な方法を選択しましょう。
外れにくい入れ歯はある?
入れ歯が外れることは日常生活に支障をきたし、ストレスを感じる原因にもつながります。
入れ歯には部分入れ歯や総入れ歯、保険適用のものや自由診療のものなど様々な種類があります。なかには外れないよう工夫が施されている入れ歯もあるため、外れやすい方は検討するとよいでしょう。
以下では外れにくい入れ歯を4つご紹介します。ご自身のお口の状態や条件に合わせて適切な入れ歯を選択しましょう。
コンフォート入れ歯
コンフォート入れ歯とは、シリコン素材を使用した入れ歯のことを指します。歯茎に触れる部分がシリコン性であるため、密着度を高めて外れにくくなるという原理です。さらに咀嚼時などの衝撃をシリコンが吸収するため、違和感や痛みを和らげる効果もあります。
欠点としては、シリコン部分に汚れがつきやすい点と劣化が早い点が挙げられます。
マグネット式入れ歯
磁石の力を利用して入れ歯を外れにくくする方法もあります。残っている歯根に金属を付け、入れ歯についている磁石と吸着させるというものです。外観は通常の入れ歯と変わらず目立ちにくいことから、近年注目を集めています。
常に磁力が働いているため、食事中や会話中に入れ歯が外れるのを防ぐことができます。
インプラントオーバーデンチャー
歯茎にインプラントを埋め込み、入れ歯の磁石と吸着させる入れ歯もあります。埋め込んだインプラントと入れ歯が磁力で吸着するため、安定して外れにくくなります。
注意点としては、インプラントの埋め込みには麻酔を伴う大掛かりな外科手術が必要であるという点です。体への負担が大きいため、高齢の方は特に歯科医師とよく話し合って決めましょう。
また、正常な歯が残っている場合は、マグネット式入れ歯のほうが適しているかもしれません。
まとめ
本記事では、入れ歯が外れる原因と対処法について解説しました。入れ歯は失った歯を補い、審美性を高めつつ日常生活を問題なく送るために重要な役割をもちます。
入れ歯が外れる原因は、入れ歯のサイズ・噛み合わせが合っていないことや、唾液量の減少などが挙げられます。頻繁に入れ歯が外れる場合は、歯科医院で調整してもらいましょう。唾液量が少ない場合は、マッサージや人工唾液を使用して唾液量を増やしましょう。
入れ歯を長期間使用していると、入れ歯の劣化や歯茎の痩せなどにより徐々に外れやすくなります。一生使い続けられるものではないため、定期的な調整や新調が必要です。少しでも違和感を感じたら歯科医師に相談しましょう。
入れ歯を検討している方は、神戸市東灘区にある木下歯科医院にお気軽にご相談ください。