医院ブログBLOG

Dental Photography  〜 color control 〜

2014年8月19日

先日私の歯科医師としての師匠の前で日々の自分の診療内容を見て頂く機会を頂き、撮りためていた写真を整理する機会を頂いたので、審美修復治療について少しまとめてみたいと思います。
審美修復治療において様々な大切なポイントがありますが、今回は歯の色について注目してみたいと思います。
今回ご紹介する患者様はまさに歯の色で悩まれてこられた患者様です。
とても美しい女性なのですが、若年期に歯をぶつけてしまい、その歯の色が次第に黒くなってきているのを何とかしたいという御要望で、技工士さんからの御紹介で来て下さいました。
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いわゆる歯の神経が死んでしまっている状態で、確かに歯の色がかなり黒くなってきており、また過去に矯正をされていたのですが、その矯正治療の装置の除去が不十分な為に、歯の表面がかなり粗造になってしまっていました。
今回は右上の2本の被せ物の治療と周囲の詰め物のつめ直し、粗造な歯の表面の研磨によって、歯の色の回復を測る御提案を致しました。
そして歯の根の治療や、歯の根のホワイトニングを行い、仮歯にて形の確認を行っていきました。
ここからが今回のポイントなのですが、歯の色というものをどのようにセラミックを製作してくれる技工士に伝えるのかという事です。
一般的には技工士が直接歯を見に来るという方法、そして写真を撮影して伝えるという方法が基本となりますが、技工士が記憶するというのも限界があるので、基本的には写真の精度という物が非常に大切になってきます。
ここで問題となるのが、写真と一口にいっても、カメラの機種や性能、光の加減、またそれを見るモニターの性能によって見え方がかなり異なります。
また、歯自身の色というのも非常に繊細で、写真を撮影する時間帯によっても歯が吸収している水分量が異なる為に色の見え方が異なります。
ただ白いだけならいいのですが、歯というのは厳密にいうと乳白色と透明と貝殻のような虹色のような色が混在した非常に複雑な色の構造をしています。
これをいかに正確に分かりやすく製作する技工士さんに伝えるのかが、審美修復治療において一つの大きなテーマとなっています。
今回のケースも技工士さんに実際に来てもらって色々と相談しつつ、通常の照明下と太陽光下、湿っている環境と乾いている環境、露出を上げた環境と下げた環境と、様々な条件で写真を撮影し、セラミックの製作に入りました。
この写真は湿っている環境と乾いた環境の比較。
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この写真は光量を変えた状況での比較。
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微妙な差かもしれませんが、歯の中央部分から先端に着目して頂くと、表面の白い帯や透明感、内部の構造などの見え方がかなり異なってくる事が分かると思います。
このわずかな差をこだわるのかそうでないのかによって、人工の歯のように見えるのか、それとも整体と調和した命の宿った歯として機能してくれるのかの差に繋がります。
そして出来上がった歯がこちらです。
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セットした直後なのでまだ完全にはなじんでいない状態ではありますが、時が経つ程にこの患者様の口の中にとけ込んでいくのではと思います。
歯の色が変わっただけでこの患者様の笑顔も非常に明るくなり、とても喜んで下さいました。
歯の事を悩んでいるだけで、笑うことができない、人前に出たくない、自分に自信が持てない、と大きな心の問題を抱えておられる患者様がたくさんおられますが、そのような悩みを抱えた方が、少しでも自分に自信をもち、本当の自分らしく日々の生活を送って頂けるようになりますよう、これからも日々精進していきたいと思います。
全ては患者様の本当の笑顔の為に。。。
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