医院ブログBLOG

エンドの虎の穴

2012年6月12日

先日歯の根の治療の勉強会に参加してきました。
場所は東京のお茶の水、東京医科歯科大学のすぐ近くの研修会場でした。
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初めて東京医科歯科大学を間近でみましたが、駅をおりてびっくりするぐらいに、そびえ立っており、ものすごい存在感でした。
今回の勉強会は、いわゆる歯の神経の治療と呼ばれている分野ですが、「歯内療法」「根管治療」「エンド治療」と我々は呼んでおります。
今の現状の日本の歯科界の中では、矯正専門医や小児歯科専門医、口腔外科専門医というのは一般の患者様には知られていると思いますが、この歯内療法専門医という言葉は、ほぼ知られていないと思いますし、また、現状歯内療法専門医として開業されている先生も、かなり少ないです。
欧米では、歯科のそれぞれの分野を細分化し、専門医制をしいて、患者様はそれぞれの治療を各歯科医院を回って治療します。
例えば、虫歯があれば、まずは一般的な歯科医院に行き、虫歯が深く神経の治療が必要となれば、そこから歯内療法専門医に紹介され、そこで歯の根の治療が完了すれば、次は歯の被せ物の治療をしてくれる、補綴専門医のところに紹介されます。
もしここで、外科治療が必要になったり、インプラントとなれば、外科専門医に紹介、歯周病の治療や矯正治療も必要となれば、それもまたその専門医、審美となれば、また審美の専門医。。。。
良いところは、それぞれのスペシャリストの治療が受けられるので、全体のクオリティーはとても上がりますが、患者様はあちこちの歯科医院を回らなければならないので、なかなか大変な部分もあります。
日本は、その全てを一人の歯科医師がトータル的に治療しているので、患者様はあちこちいかなくて楽かもしれませんが、一つ一つの治療のクオリティーアップが非常に大変です。
そのような背景の中で、歯の根の治療というのは、家でいうまさに基礎工事の部分であり、非常に重要です。
ここがきちんとなされていなければ、場合によっては早期に歯を抜かなければならなくなりますし、せっかく治療した歯もまた再治療となることも多々あります。
現状、日本の歯科界で行われている歯の根の治療は、そのほとんどが再治療だといわれているくらいです。
インプラントが全盛の時代になってきたがゆえに、歯を頑張って残さずに早期に抜いて、インプラントにした方が長い目で見てメリットがあるという考え方もあります。
反面、直径1ミリもない複雑な鍾乳洞のような構造の歯の根の管の中をきちんと治療するのは至難の業であり、とても難しい治療です。
が、どちらにせよ、積極的に抜歯してインプラントにすることも、歯を残す為に歯の根の治療を積極的に受けられることも、全てのメリットデメリットをお話しして、患者様にご納得頂ける治療を選んで頂くのが理想だと思っております。
その為、インプラントに偏っても、歯の根の治療に偏っても、また入れ歯の治療に偏ってもならないと思っております。
今回は、この歯の根の治療の専門医として活躍されている石井宏先生の歯の根の治療の勉強会に参加してきました。
二日間朝から晩まで、ひたすらに歯の根と向き合ってきました。
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今まで様々な勉強会に参加してきましたが、最も論理的で、科学的根拠に基づいた勉強会であり、とても理解しやすい素晴しい勉強会でした。
今回は理論と概念のコースでしたので、来月は実際にマイクロスコープを覗きながら、それぞれのステップのテクニックを学んできます。
今年の目標として、この歯の根の治療のレべルアップを心に決めておりました。
復習を重ね、私自身の治療の基礎の部分を見つめ直していきたいと思います。
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