総入れ歯の種類1. レジン床義歯
総入れ歯は歯の部分と歯茎部分の2つで構成されており、歯の部分を「人工歯」、歯茎の部分を「床(しょう)」と呼びます。
保険適用で総入れ歯を製作する際は、床部分をレジンと呼ばれるプラスチックで製作します。レジン床義歯にするメリットは、治療費を安く抑えられること。入れ歯は長期間使用しているとだんだんと口に合わなくなってくるため定期的な作り替えが必要ですが、レジン床義歯であれば上下合わせても2~3万円で製作できるため、万が一作り変える場合でもお財布に優しいという点が魅力です。
一方デメリットは、患者様にぴったりの入れ歯を製作するのが難しいこと。国から定められた素材と工程で製作しなくてはいけないため、お口の中の複雑な構造に完全には合わせられないという側面があります。また素材自体が硬いため、食べ物を噛んだ時に動いたりずれたりして痛みを感じ、お口の中を傷つけてしまうことも少なくありません。見た目も「入れ歯っぽさ」が出てしまうので、入れ歯をつけていることを周囲に悟られたくないという人にはあまり向いていないといえるでしょう。
総入れ歯の種類2. 金属床義歯
床部分に金属を使用した入れ歯を「金属床義歯」と呼びます。金属床義歯に使用される金属には、コバルトクロム・チタン・ゴールドなど様々な種類があります。
金属床義歯は、レジンと比較して耐久性が高く、汚れにくいのが特徴。日頃のお手入れをしっかりしていれば、きれいな状態で数十年使用することも可能になります。また、レジンは加工できる薄さに限界があり、どうしても厚ぼったい仕上がりになってしまいますが、金属であれば薄く加工できるので、より着用感の高い総入れ歯が完成します。
一方でデメリットは、大きく分けて2つあります。1つ目は治療費がやや高くなる点。金属床義歯は保険適用外の治療になるため、治療費は全額自己負担です。コバルトクロムの場合で片顎50万円~、チタンだと片顎62万円~、ゴールドだと片顎69万円~ほどが価格の目安です。2つ目は金属アレルギーの方は使用できない素材があるという点。チタンやゴールドは比較的金属アレルギーの心配は少ないですが、どの金属に対してアレルギー反応が出るかは個人差があるため、安全性が高い金属が一概に大丈夫とは言えないのが実情です。
総入れ歯の種類3. シリコーン義歯
着用感を高めたいという方に人気なのが、床部分にシリコーンを使用した「シリコーン義歯」です。薄くて柔らかいシリコーンが口の中に密着するので、食事の際にずれにくいのが魅力。シリコーンがクッションのような役割を果たすことで、しっかりと噛んだ時でも歯茎への負担を軽減してくれます。金属アレルギーのため金属を使用できないという方でも、シリコーンであればアレルギーの心配もありません。
治療費も保険適用外ではありますが、金属床と比較して安価で、片顎24万円~で製作可能。ただし金属床と比較すると耐久性は劣るため、何年も使用しているとシリコーンの劣化により着用感が悪くなってしまいます。着用感が落ちた入れ歯はメンテナンスや修理により継続使用できる場合もありますが、状態によっては作り直す必要があり、再度治療費がかかってしまう可能性もあるのです。
総入れ歯の種類4. マグネット義歯
「マグネット義歯」とは、強い磁石の力を使い、入れ歯をくっつけて装着するタイプの総入れ歯。歯根が何本か残っている患者様におすすめの治療法です。残っている歯根に磁石にくっつく金属を埋め込み、入れ歯には強力な磁石をセットします。
マグネット義歯の魅力は安定した着用感。通常の総入れ歯は唾液や入れ歯安定剤でお口の中に固定しますが、そこに磁石の力が加わります。ずれにくいだけでなく噛む力も強くなるので、安心して食事を楽しむことが可能です。
治療費には保険が適用されないためやや高額。マグネット2つの場合で片顎につき30万円~となっています。さらに安定感を得るためにマグネットを増やすと、片顎につき60万円~となります。
マグネット義歯を装着するためには、金属のプレートを歯根にセットする必要があります。金属アレルギーの場合は治療が受けられなかったり、歯根が残っていない場合は外科手術によるインプラントの埋入が必要になったりして、治療費がさらに高額になる場合もある点がデメリットです。
総入れ歯の種類5. インプラント・オーバーデンチャー
「インプラント・オーバーデンチャー」は、より安定感のある使用感が特徴の総入れ歯治療です。
「インプラント」と呼ばれる金属の軸を歯茎に埋め込み、そこに着脱式の人工歯を装着します。歯茎部分にかぶせるだけの総入れ歯とは異なり、歯根を再現することで着用した時の安定感が格段に上がります。ずれたり外れたりするリスクが減るだけでなく、噛む力も強くなるため、日々の食事がより楽しみになったという方も多くいらっしゃいます。また、長期的に使用することを考慮すると、簡単に着脱できてお手入れしやすいという点もまた魅力だと言えます。
保険適用外で外科手術を伴う治療のため、費用は片顎100万円~と高額で、治療期間も4~8ヶ月間と長期に渡るのが難点。また、型取りをするだけの総入れ歯とは異なり、体への負担も少なくありません。糖尿病をはじめとする持病をお持ちの方や、体力に自信のない方は治療を受けられない場合もあるため、医師による入念なカウンセリングが必要になります。
総入れ歯の種類6. ノンクラスプデンチャー
「ノンクラスプデンチャー」は、バネを使用しない入れ歯のことを言います。
これまでの部分入れ歯は、隣の歯に部分入れ歯を固定するために「クラスプ」と呼ばれる金属製のバネを使用していましたが、笑った時に金属部分が露出してしまい審美性に欠けるため、入れ歯を使用していると周囲に悟られたくない人にとっては悩みの種となっていました。
そこで使用されるようになったのが、「ノンクラスプデンチャー」です。固定する部分が歯茎と似た色の樹脂でできているため、部分入れ歯をつけているようには見えない自然な見た目になります。また、固定する部分が床と一体型になっているため隣の歯に局所的に力が加わることがなく、安定性にも優れているため快適に装着できるという点が魅力です。
ただし、他の歯に全く負担がかからないというわけではありません。既に重度の虫歯や歯周病などで、残りの歯の耐久性に不安があると使用できない場合があるということも覚えておきましょう。
総入れ歯の種類7. オーダーメイド入れ歯(精密入れ歯)
入れ歯ではなく、本物の歯を作りたい。そのような思いから木下歯科医院が提供するのが、精密入れ歯「ESTHEETH(エスティース)」です。
エスティースの特徴は、まるで本物の歯のような美しさと着用感です。天然の歯のような透明感を持つ人工歯と、歯茎の毛細血管や血色のグラデーションを再現した床を組み合わせることで、周囲に入れ歯だと気づかれない美しい口元を演出。着用感に関しても、綿密なカウンセリングと型取り、噛み合わせや表情筋のトレーニングも含めたケアにも力を注ぐことで、「痛くないのにしっかり噛める」入れ歯をご使用いただけるようになります。
カウンセリングからアフターケアまで一貫して担当するのは、精密入れ歯の国際資格を取得した木下院長。そして精密入れ歯の製作に携わるのは、同じく国際ライセンスを取得した歯科技工士:森永純氏です。日本でも有数の治療技術と加工技術をもって、患者様が美しい口元を取り戻せるよう、全力でサポートさせていただきます。
木下歯科医院には、これまで何年にもわたり他院様で治療を受けられているものの、なかなか噛めるようにならない・入れ歯が合わなくなってしまったなど、さまざまなお悩みを抱えた患者様が多く来院されています。
総入れ歯が初めてという患者様にも安心してご相談いただけるよう、万全の体制でお待ちしております。歯の健康でお悩みの方は、ぜひ一度木下歯科医院の無料相談にお越しください。