入れ歯コラムCOLUMN

総入れ歯になる平均年齢と、年代ごとの割合

公的調査で分かった「総入れ歯になる年齢」

厚生労働省では、歯科保健医療対策を推進するための基本資料を得ることを目的とした「歯科疾患実態調査」を実施しています。この調査は5年ごとに実施されており、日本人の歯の状態や歯科治療の受診状況、人工歯の使用状況やデンタルケアに対する意識などが年代別に報告されています。

年齢別・総入れ歯の割合

平成28年の調査によると、総入れ歯を初めて装着する年齢は50~54歳が最も早く、その割合は0.9%、55~59歳では1.6%となっています。シニア世代が使用するイメージのある総入れ歯ですが、50代から総入れ歯を使用される方もいらっしゃいます。

60~64歳では4.0%とさらに増加し、70~74歳では実に14.7%もの方が総入れ歯を使用。80~84歳にもなると、およそ3割の人が総入れ歯を使用しています。

8020(はちまるにいまる)を達成した人の割合

「8020(はちまるにいまる)」とは日本歯科医師会が推進している運動で、日本人の平均寿命である80歳を迎えた時点で、20本以上の歯を保っていることを目標としています。

平成28年の調査によると、8020を達成した人の割合は51.2%。平成23年の調査結果が40.2%であったことをふまえると、日本における歯科治療技術の進歩や、オーラルケアに対する意識の向上がうかがえます。

年代ごとのう歯(虫歯)の状況

歯の喪失の一因ともなりうるう歯(虫歯)。年代ごとにどの程度の人が発症しているのでしょうか。

平成28年の調査によると、虫歯がある人の割合は5~9歳で8.2%、10~14歳で19.7%、15~19歳で47.1%と、そこまで多くない印象を受けます。ところが20~24歳においては78.6%と急増し、25歳を超えるとほとんどの年代で実に90%の人が1本以上の虫歯があるというのが実情です。(厚生労働省「平成28年歯科疾患実態調査結果の概要」p.11参照)

虫歯は治療しないまま放っておくと重症化し、場合によっては抜かなくてはいけなくなる場合もあります。定期的に歯科医院で検診を受け、虫歯が見つかったら早めに治療を受けることが大切です。

年代ごとの喪失歯の状況とその補綴状況

歯科治療における補綴(ほてつ)とは、虫歯や歯周病などにより失ってしまった歯を、補綴装置や補綴物によって補う治療のことを言います。具体的には部分入れ歯や総入れ歯、インプラントなどが補綴にあたります。

平成28年において喪失歯のある方の割合は、50代以上で実に50%以上。さらに50代前半では40%程度であった補綴物の装着率も、50代後半になると半数以上を占めるようになります。(厚生労働省「平成28年歯科疾患実態調査結果の概要」p.15参照)

つまり、歯の欠損はシニア世代だけの問題ではないということです。

年代ごとの「噛める・噛めない」の状況

年齢を重ねるにつれて、食べ物を満足に噛める人の割合も減少していきます。

「噛めないものがある」と回答した人の割合は、45~54歳では2.4%と低い割合ですが、55~64%で8.5%と1割に迫ってきます。そして65歳を超えると、10%以上の人が普段の食事で何かしらの不自由を感じているという調査結果が出ています。(厚生労働省「平成28年歯科疾患実態調査結果の概要」p.34参照)

食べ物をしっかり噛めると、日々の食事が楽しみになるだけでなく、生活習慣病や認知症の予防にもなると言われています。食べ物を噛むことに不自由を感じるようになったら、早めに歯科医師に相談に行くことをおすすめします。

※参照:厚生労働省「平成28年歯科疾患実態調査結果の概要」

総入れ歯と年齢にまつわる「歯の寿命」

体の中で最も頑丈な部位と言われる歯ですが、そんな歯にも寿命があるということをご存じでしょうか。

歯の寿命は部位ごとに異なります。最も寿命が長いのは下顎の犬歯で、男性の場合で66.7年(左右側)、女性の場合で66.2年(右側)。さらに下顎の中心4本の前歯も、男女ともに66年前後で、比較的寿命が長いというデータが出ています。

それに対して最も寿命が短いのは、下顎左側の最も奥にある歯。男性の場合で50.0年、女性の場合で49.4年と、前歯と比較して約10年もの開きがあります。

一方で日本人の平均寿命は、平成28年の調査時点で男性が約78歳、女性が約85歳。歯の寿命と20~30年も差があるということにお気づきでしょうか。近年の歯科地治療技術の進歩やデンタルケアへの意識の高まりにより、歯の健康寿命は少しずつ延びてきています。それでも20~30年程度歯がない期間が生じ、入れ歯を使用した日常生活を送る人も少なくないのです。

歯が健康だと寿命が延びる?健康寿命と歯の関係

日本人の寿命は世界的に見ても高水準で、長寿大国と言われているということはご存じの方も多いはず。一方で近年では、単なる年齢による寿命だけでなく、「健康寿命」への関心が高まりつつあります。

「平均寿命」は健康状態にかかわらず人が死亡する年齢の平均値であるのに対し、「健康寿命」は健康上の問題による制限を受けずに日常生活を送れる期間を指します。

2021年12月の「第16回健康日本21(第二次)推進専門員会」の資料によると、日本における平均寿命と健康寿命との間には、男性の場合で約9年、女性の場合で約12年もの差があるという報告がされています。つまりほとんどの人が健康上の問題により、日常生活に何らかの支障が出ている状態で約10年生活を送っている、ということを示しています。

そして、実はこの「健康寿命」に、歯や口の中の健康状態も密接にかかわっているのです。

歯を健康に保っていると、食事の際に食べ物をしっかりと噛めます。十分に咀嚼ができることで得られるメリットは

  1. 消化器官への負担を減らし栄養の吸収率が上がる
  2. 誤嚥のリスクを減らせる
  3. 脳に十分な血液を送ることが可能になるため、認知症の予防になる
  4. 唾液の分泌により虫歯や歯周病の予防ができる

などが挙げられます。

特に虫歯菌や歯周病菌は、糖尿病や心臓病を重症化させたり、誤嚥性肺炎の原因にもなったりするという研究結果も出ています。つまり歯の健康状態を保つことで、その他の病気の発生や重症化のリスクを減らせる=健康寿命を延ばせる、ということになるのです。

歯や歯茎の健康状態が損なわれると、食べ物を噛むことや食事自体にストレスを感じるようになります。すると食事の回数や食べる量まで減ってしまい、健康を維持するために必要な栄養素を十分に摂取することも難しくなります。

こうしたことからも、歯の健康状態が健康寿命に大きく関係しているということがわかります。

歯を失っても健康でいたい!快適で美しい総入れ歯を求める方へ

歯を健康に保つことが体の健康にもつながるということを解説してきましたが、万が一歯を失ってしまっても、入れ歯治療を受けることで、また健康な生活を取り戻すことが可能です。

しかしながら、自分に合った入れ歯を使用しないと、食事の際にずれたり動いたりして痛みを感じ、かえって食事や日常生活にストレスを感じるようになってしまいます。

そこで木下歯科医院がおすすめするのが「精密入れ歯」です。

精密入れ歯とは、「BSPシステム」と呼ばれる高度な歯科治療と入れ歯加工技術により製作される入れ歯のことで、まるで本物の歯のような使用感と審美性から、近年ヨーロッパを中心に広がりを見せています。精密入れ歯を製作できるのは「BSP国際ライセンス」の取得者のみで、木下歯科医院は日本でこの資格を取得した医院として、これまで多くの患者様のお口の健康に寄り添ってまいりました。

BPSシステムの特徴は、型取り時に用いられる高度な技術と特殊素材。お口の中の構造は非常に複雑なため、型取りの正確さが完成後の使用感を大きく左右します。当院には他院様で製作された入れ歯の使用経験のある患者様も多く来院されますが、それまでにない快適な使用感により、毎日の食事が楽しみになったと大変ご好評いただいています。

当院では1日5名様限定の完全予約制とさせていただき、安心してご相談いただける環境をご用意しております。無料相談も実施しておりますので、歯の健康を取り戻したいとお悩みの方は、ぜひ一度お話をお聞かせください。


★神戸の精密入れ歯専門外来・木下歯科医院の症例を見る>>

医療法人社団 木下歯科医院 
院長 木下 貴雄

  • 国立徳島大学歯学部歯学科 卒業
  • IPSG咬合認定医
  • BPSメンバー(日本第一号となる精密入れ歯国際ライセンス認定歯科医師)