入れ歯コラムCOLUMN

総入れ歯をすると味覚に変化が出るというのは本当?

総入れ歯で味覚が落ちる原因

総入れ歯にしたばかりの頃に、「食事の味を感じにくくなった」「味が変わった」と感じられる方がいらっしゃるということをご存知でしょうか。
「食べ物の味は舌で感じるんじゃないの?」と思われるかもしれません。しかし実は、人間は舌以外の部分で味を感じたり、食べ物の硬さや温度といった要素も感知したりして、総合的に「おいしい」と思うようにできているのです。

味覚の低下を感じられる場合、以下のような原因が考えられます。

  • 総入れ歯の「材質」
  • 総入れ歯の「形状」
  • 総入れ歯の「噛み合わせ」
  • 総入れ歯による「温度の遮断」
  • 食べ物の粘度
  • 心理的な味覚障害
  • 加齢による味覚の低下

ここでは、それぞれの原因について詳しく触れながら、総入れ歯によって味覚が落ちてしまう原因と対策について解説します。

総入れ歯の「材質」

保険適用の入れ歯は、全体をレジンと呼ばれるプラスチックで製作します。プラスチックは水分を吸収するため、唾液や食品に含まれる水分、食品の中にある色素や着色剤などが入れ歯に浸透してしまいます。食べ物の味のついた入れ歯を口の中に入れっぱなしにしていると、味覚に影響を与え、「同じものを食べてもなんだか味が違う」ということが起こるのです。
食事の味を楽しみ、入れ歯を清潔な状態で使い続けるためにも、食後のブラッシングや就寝前の洗浄液によるお手入れは欠かせません。また、保険適用外であれば、食べ物の水分や味が付きにくい入れ歯を製作することも可能です。ご自身が普段よく食べるものや、お手入れの頻度に合わせて選ぶといいでしょう。

総入れ歯の「形状」

総入れ歯により、口の中の味を感じる器官を覆ってしまっている、ということも味覚が落ちる原因の1つです。
味を感じる器官のことを味蕾(みらい)と呼び、これは舌だけではなく、実は上あごや頬などにも備わっています。入れ歯を使用していない状態であれば、口全体で食べ物の味を感じられます。しかし、総入れ歯を使用している場合、味蕾のある上あご部分を覆ってしまうことになるため、本来感じるはずの味が届きにくくなるという現象が起きるのです。
味蕾の9割は舌に分布しているため、入れ歯の使用に慣れることで、舌で十分に味を感じられるようになります。厚みのある入れ歯を入れると舌の動きが制限されてしまうため、本物の歯に近い使用感が得られる、保険適用外の総入れ歯を検討するといいでしょう。

総入れ歯の「噛み合わせ」

食べ物はしっかり噛むことで味が出てくるため、入れ歯の嚙み合わせの良し悪しも味の感じ方に大きく影響します。特にできあがったばかりの入れ歯は口にぴったり馴染んでいないことが多く、少しずつ調整しながら慣らしていく必要があります。入れ歯が口に合うようになるまでは上手に噛めず、食べ物のうま味を感じにくいこともあるのです。
使っていく中でなかなか嚙み合わせが安定しない、痛みがあるなどといった場合は、無理に使おうとせず早めに歯科医院で調整してもらうようにしましょう。

総入れ歯による「温度の遮断」

熱さや冷たさといった食べ物の温度も含めて、「おいしい」と感じるという方がほとんどでしょう。しかし、入れ歯を使用すると口の中の粘膜を覆うことになってしまうため、食べ物の温度が遮断されてしまいます。せっかく熱いもの・冷たいものを食べてもいまいちピンとこないというのは、入れ歯が原因でリアルな温度を感じられていないことが原因なのです。
入れ歯で食べ物の温度を感じやすくするには、歯茎にあたる部分に熱伝導率の高い金属を使用するという方法があります。保険が適用されない自由診療の入れ歯にはなりますが、入れ歯自体を薄く製作することもできるため、着用感もよくなるというメリットがあります。

食べ物の粘度

味覚というものは、食材の味や料理の味付けだけでなく、食べ物の硬さや舌ざわりも密接にかかわって繊細に感じられるものです。
患者様の中には、液体状の食べ物を食べたり飲んだりする際に、入れ歯が落ちてきてしまって味に集中できないという方もいらっしゃいます。スープのような液体状のものを口に運ぶ際に、人は無意識に口をすぼめる動きをしています。この時に口の周りの筋肉が動くことにより、入れ歯が付着している粘膜の部分が下がって、入れ歯が外れやすい状態になってしまうのです。
こうしたストレスを解消するためには、口に合った入れ歯を製作するだけでなく、歯科医院での調整が必要になります。

心理的な味覚障害

初めて入れ歯を使用される場合、口の中に異物感があることがストレスとなり、心理的な味覚障害が引き起こされるケースもあります。特に保険適用の入れ歯は、義歯の部分・歯茎にかぶせる部分をともにプラスチックで製作するため、どうしても分厚く、装着した時に違和感のある作りになってしまいます。使用していくうちに「入れ歯を使って食事する」ということに慣れてはきますが、より違和感のない使用感を求める方は、薄く加工できる金属を使用した入れ歯や、着用感のよいシリコン製の入れ歯を検討するという方法もあります。

加齢による味覚低下

年齢を重ねるにつれて視覚や聴覚が衰えていくように、味覚も同様にだんだんと機能が低下していきます。高齢になってから入れ歯を製作される方の中には、入れ歯を使い始めるのと同じタイミングで、加齢による味覚の低下を感じられるケースも少なからずあります。そのような方は「入れ歯によって味覚が落ちた」と思い込んでしまうこともありますが、入れ歯の使用に関係なく起こるもの、ということを覚えておきましょう。

味覚が低下したと感じる原因はいくつもありますが、入れ歯を装着した状態での食事に慣れてくれば、味も感じやすくなっていきます。最初のうちは「食べ物をおいしいと感じられなくなったらどうしよう」と不安になる方もいらっしゃいますが、過度に心配することなく、少しずつ入れ歯を上手に使って食事を楽しむことに慣れていきましょう。

総入れ歯でも味覚を維持できる「精密入れ歯」とは

総入れ歯を使用しながらも味覚を維持するためには、使用していて違和感のない、自分にぴったりの入れ歯を作ることが大切ということをお話してきました。
「初めて入れ歯を作るからどうしたらいいかわからない」「どこに行けばぴったりの入れ歯が作れるの?」と不安を抱いていらっしゃる方におすすめしたいのが、木下歯科医院が手掛ける「精密入れ歯」です。

木下歯科医院で製作する精密入れ歯の特徴は、なんといっても「使用感のよさ」。 製作する際には、治療を担当する院長の他に、入れ歯専門技工士も立ち会います。患者様おひとりおひとりのお口の中の状態だけでなく、筋肉の動き方や噛み合わせの状態なども入念に診断することで、お食事の時にずれたり痛みを感じたりしにくい、心地のいい着用感を目指しています。

さらに、入れ歯の材料には通常の入れ歯の約10倍高価な、厳選された素材を使用。より本物の歯や歯茎に近い質感と、まるで自分の歯で噛んでいるかのような使用感を実現でき、それまで入れ歯でのお食事にストレスを感じておられた患者様にも「よく噛めるようになった」「食べ物をおいしく感じられるようになった」とご好評いただいています。

木下歯科医院は、患者様にぴったりの入れ歯を製作することに力を入れているため、1日5名様限定の完全予約制です。無料相談ではリラックスした状態でお話しいただけるよう、診察室とは別にカウンセリングルームもご用意。歯医者に行くことに抵抗があるという方でも、プライバシーが守られた空間で治療に専念していただけます。

今の歯の悩みを解消して、おいしく食事を楽しみたいという方は、ぜひ一度木下歯科医院にご相談ください。

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医療法人社団 木下歯科医院 
院長 木下 貴雄

  • 国立徳島大学歯学部歯学科 卒業
  • IPSG咬合認定医
  • BPSメンバー(日本第一号となる精密入れ歯国際ライセンス認定歯科医師)