入れ歯コラムCOLUMN

歯科恐怖症とは?症状や原因、安心して受診できる歯科医院の特徴!

こんにちは。神戸市東灘区にある木下歯科医院です。

歯科医院での歯科治療を拒否する女性

「歯医者が怖くて、どうしても治療を受けられない」「治療しないといけないのはわかっているけど、歯科医院に行きたくない」などのお悩みを抱えている方もいるのではないでしょうか。
日本人の30〜40%が歯科に対する恐怖を抱いているといわれており、歯科恐怖症は決して珍しい病気ではありません。多くの人が安心して治療を受けられるよう、カウンセリングを丁寧に行う、笑気麻酔を導入するなど、歯科医院も工夫しています。
今回は、歯科恐怖症の症状や克服方法などを解説します。この記事を参考に、ご自身に合った歯科医院を見つけ、歯科恐怖を軽減しながら治療への一歩を踏み出してください。

歯科恐怖症とは

肘をついて悩む女性

歯科恐怖症とは、歯科に対する恐怖心の強さが、動悸や吐き気などの多様な身体症状を引き起こす病気です。症状や恐怖の対象は人によって異なり、定義はありません。ドリルで歯を削るなどの処置に恐怖心を抱いて身体症状が出現する方もいれば、歯科医院特有の匂いに恐怖心を抱いて不安をおぼえる方もいます。
WHO(ICD-10)では、歯科恐怖症を「恐怖性不安障害」と位置付けています。恐怖性不安障害とは、特定の場面において極度の不安や恐怖を感じる病気です。同様の病気として、高所恐怖症や閉所恐怖症などが挙げられます。
ある研究では日本人の30〜40%の人が歯科治療に恐怖心を持っていると報告されており、決して珍しい病気ではないことがわかるでしょう。患者は女性に多く、20〜40代の方に多い傾向があります。

 

歯科恐怖症の症状

壁にもたれる疲れた女性

歯科恐怖症の症状は人によって異なります。共通するのは、歯科という特定の場面において症状が出現することです。歯科恐怖を感じたときに出現する主な症状は、以下のとおりです。


・動悸やめまいがする

・大量に汗をかく

・過呼吸になる

・体がこわばる

・吐き気を感じる

・嘔吐反射が起きる

・診察台に座れない

歯科医院を受診したときや診察時に症状が出る方もいれば、歯科医院のことを考えたときや歯科医院の近くを通ったときに症状が出る方もいます。症状が重度の場合、診察時に意識を失う方もいます。

歯科恐怖症の方に合わせた治療法があるため、我慢せずに歯科恐怖症であることを歯科医院に伝えてください。

 

歯科恐怖症の原因

顎を抑える女性とカウンセリングをする男性

歯科恐怖症の原因は人によって異なりますが、過去に歯科医院でトラウマとなるような出来事があった場合が多いとされています。発症時期は幼少期に多いです。

・治療時に抑えつけられた

・ドリルの音が怖かった

・乳歯の抜歯が怖かった

・麻酔で気分が悪くなった

・抜歯後の痛みが続いた

・歯科医師が怖かった

上記のような出来事がトラウマとなり、大人になってからの歯科治療にも支障をきたしている場合があります。また、大人になってからの歯科医院での経験が発端になり、歯科恐怖症を発症するケースもあるでしょう。歯科医師に怒られた経験や、歯科医院のミスで怖い思いをした経験などが発端となることが多いです。
歯科医院に対するトラウマのない方でも、もともと不安感が強い方・知らないものに対する不安感が強い方は、歯科恐怖症に悩む場合もあります。

 

歯科恐怖症が生活に及ぼす影響

顎を抑えて痛みに耐える男性

歯科恐怖症を患うと、口腔内のトラブルを自覚していても歯科医院の受診を避けるでしょう。治療を受けなければいけないことがわかっていても、虫歯や歯周病の治療が遅れてしまいます。虫歯が多発する、歯周病が進行するなど、歯を失うことにもつながります。

進行した虫歯や歯周病は、自然と治るものでありません。事前に治療について調べて歯科恐怖を軽減する、信頼できる歯科医院を見つけるなどして、通院・治療する必要があります。
特に歯周病は、重症化すると歯周病菌が口腔内の傷から血液に入り込み、心筋梗塞や脳梗塞を引き起こす場合があります。誤嚥性肺炎や糖尿病など、全身の健康にも悪影響を及ぼすため、早期の治療が必要でしょう。

 

歯科恐怖症の克服方法

歯科医院で治療を受ける女性

歯科恐怖症の克服方法は、少しずつ苦手意識を軽減してスモールステップで通院することです。具体的な方法は、以下のとおりです。

・安心できる歯科医院を見つける

・歯科治療について知る

それぞれ解説します。

 

安心できる歯科医院を見つける

歯科恐怖が強い方は、歯科恐怖症に理解のある歯科医院を探してください。歯科恐怖症の方に向けたカウンセリングを重視している歯科医院や、歯科恐怖症に合わせた対応をしてくれる歯科医院であれば、通院へのハードルも下がるでしょう。

歯科恐怖症への配慮を徹底している歯科医院では、初回はカウンセリングのみで処置は次回という流れを採用しているところもあります。まずは実際に歯科医院に足を運ぶところから、スモールステップで歯科恐怖症を克服しましょう。

歯科医院のホームページでは、内装などを公開していることも多いです。ご自身に合いそうな雰囲気の歯科医院を見つける手掛かりとなるでしょう。

 

歯科治療について知る

歯科治療について知り、治療の流れをイメージすることで恐怖心を和らげましょう。
幼少期の経験による歯科恐怖症に悩まされている場合は、自分の想像で恐怖心が大きく膨らんでいることがあります。実際の治療法を知ることで「思っていたよりも怖くなさそう」と恐怖心が軽減することもあるでしょう。また、医療技術の進歩により、過去よりも痛みやストレスの少ない方法で歯科治療を受けられるようになっています。

まずは近隣の歯科医院について調べ、自分が受けられそうな治療をしている歯科医院を受診しましょう。

 

歯科恐怖症の方でも安心して受診できる歯科医院の特徴

ミーティングをする歯科医師等

歯科恐怖症の方でも安心して受診できる歯科医院の特徴は、以下のとおりです。

・カウンセリングを重視している

・静脈内鎮静法や笑気麻酔を実施している

それぞれ解説します。

 

カウンセリングを重視している

歯科恐怖症の方は、カウンセリングを重視して患者さまのペースに合わせた治療を実施している歯科医院を選ぶとよいでしょう。歯科医院のホームページに、治療の流れを記載している場合があります。治療前のカウンセリングを実施している歯科医院を探してください。
また、ホームページで歯科恐怖症の方へ向けた情報を発信している歯科医院もあります。歯科恐怖症に理解があるため、それぞれのペースに合わせた治療を実施してくれるでしょう。

カウンセリングは個室のようなプライバシーが保護される環境で実施している歯科医院が多いため、歯科恐怖症の方でも安心して通院できます。

 

静脈内鎮静法や笑気麻酔を実施している

静脈内鎮静法や笑気麻酔は、歯科恐怖症の方でもリラックスした状態で治療を受けられます。
静脈内鎮静法は、インプラント手術や親知らずの抜歯などで選択される麻酔方法で、眠っているような状態で治療を受けることが可能です。笑気麻酔は、鼻から気体を吸うことでリラックス効果を得られる麻酔です。副作用が少ないため、歯科恐怖症の方でも利用しやすいでしょう。

静脈内鎮静法や笑気麻酔に対応していない歯科医院もあるため、事前に導入の有無を調べてください。

 

まとめ

歯科医院で説明を受ける男性

過去に歯科医院で痛い思いをした経験や、歯科医師からの言葉に傷ついた経験から歯科恐怖症になり、歯科医院に通いたくても通えない方もいるでしょう。現在は歯科恐怖症への理解がある歯科医院も多く、カウンセリングやプライバシーの厳守、痛みの少ない治療の導入などを行っています。さまざまな工夫を行って、歯科恐怖症の方でも安心して通院できるような環境を整えています。

「歯科医院=怖い」というイメージを変えるには大きな努力が必要ですが、まずは歯科医院や治療について知ることから始めましょう。ご自身に合った雰囲気の歯科医院や、ご自身が受けられそうな治療をしている歯科医院を見つけてください。安心して歯科治療を受け、健康な口内環境を保ちましょう。

歯科医院の受診を検討している方は、神戸市東灘区にある木下歯科医院にお気軽にご相談ください。