こんにちは。神戸市東灘区にある木下歯科医院です。
「虫歯を繰り返している」「歯磨きをしているのに虫歯ができた」という経験がある方もいるでしょう。歯の黒ずみや痛みといった自覚症状が現れる虫歯は、口内の細菌の働きによって歯が溶かされている状態のことを指しますが、なりやすさには個人差があります。
今回は、虫歯になりやすい人の特徴や対策方法、歯科検診の重要性について解説します。
虫歯になる仕組み

虫歯は、口内の細菌が糖分をエサにして酸を作り出し、その酸によって歯が溶かされた状態のことです。虫歯の原因として、細菌・糖質・歯質の3つが挙げられ、これらの条件を揃うことで虫歯が進行していきます。
細菌
虫歯の主な原因として挙げられるのがミュータンス菌です。ミュータンス菌は、食事などに含まれる糖分をエサにして増殖し、歯に強力に付着するプラークを作り出します。
プラークに潜む細菌が糖を分解する際に酸を作り、この酸によって歯を溶かして穴を開けることで虫歯が発生します。
糖質
虫歯の原因になるミュータンス菌の働きを活発にするのが、普段口にする食べ物や飲み物に含まれている糖質です。口内に糖質が含まれている時間が長ければ長いほど、ミュータンス菌が活発になって歯を溶かす酸を生成される時間が増加します。
歯質
歯の表面であるエナメル質やその奥にある象牙質などの状態によって、虫歯になりやすい場合があります。特に、遺伝的に歯質が弱い人や、エナメル質・象牙質が弱い乳歯を持つ子どもは、虫歯になりやすいです。
虫歯になりやすい人の特徴5つ

虫歯になりやすい原因は、歯質や歯並びといった遺伝的なものや食生活や歯のケア方法といった習慣的なものなど、様々な種類があります。自分が虫歯になりやすいかどうかを確認し、適切な対処を行うことで虫歯を予防できるでしょう。
ここでは、虫歯になりやすい人の特徴を5つ解説します。
歯並びが悪い
虫歯になりやすい人の特徴として、歯並びが悪いことが挙げられます。歯並びが悪いと歯磨きの際に歯ブラシが細部まで届かず、歯と歯の間に汚れが溜まりやすくなるためです。
歯と歯の間に溜まった歯垢によって虫歯菌が活発化し、虫歯が発生・進行する原因になります。
正しく歯磨きができていない
歯を正しく磨けていないと口内に汚れが残り、歯に悪影響を与えることにつながります。食べかすによってできる歯垢はプラークとも呼ばれ、口内に残った糖質を分解して酸を作ることで虫歯を引き起こします。
甘いものを頻繁に食べる
虫歯の原因であるミュータンス菌は、糖をエサに増殖します。糖が長時間口内に留まることで、ミュータンス菌が活発になり虫歯が進行しやすくなります。
糖を多く含む甘いものを頻繁に食べる人や、ダラダラと間食する習慣がある人は注意が必要です。
口呼吸をしている
虫歯になりやすい人の特徴として、口で呼吸をしているということも挙げられます。口呼吸をすると、口内が乾燥します。
唾液には、口内の細菌を洗い流す自浄作用や、細菌の働きを弱める抗菌作用などがあります。溶け出した歯を修復する再石灰化を促す作用もありますが、口内が乾燥すると唾液の作用が十分に働きません。
乾燥している環境では細菌が増殖しやすく、唾液の作用もうまく働かないため、口呼吸をする方は虫歯になりやすいのです。
歯質が弱い
遺伝や年齢による歯質によっても、虫歯のなりやすさは変わります。
特に、乳歯は歯の表面にあるエナメル質が薄いため、酸の影響を受けやすいという特徴があります。また、遺伝的な要因によって歯のエナメル質や象牙質が弱かったり薄かったりして、虫歯になりやすい場合もあります。
歯質の弱い乳歯の時期は虫歯になりやすく進行も早いため、注意が必要です。
虫歯になりやすい人ができる虫歯対策

虫歯になりやすい人でも、適切に対策を講じれば虫歯を予防できる可能性を高められます。特に、習慣的な原因で虫歯を引き起こしている場合には、意識して行動することで健康的な歯を維持できるでしょう。
歯磨きを正しく行う
虫歯を予防するには、歯磨きを正しく行って虫歯の原因となる歯垢を取り除くことが重要です。歯の表面だけでなく、歯と歯茎の境目や歯と歯の間に歯ブラシを当てて丁寧にブラッシングを行いましょう。
また、歯ブラシでのブラッシングだけでなく、デンタルフロスや洗口液も使用してケアしましょう。効果的に口内の汚れを取り除くことが可能になります。
食事の仕方に注意する
甘いものを控えることや食事する時間を決めることも、虫歯対策として効果的です。甘い食べ物に含まれる糖を口内にとどめておくことが虫歯の原因になるため、食事後はすぐに歯磨きを行いましょう。口内に糖が残っていない時間を作ることが重要です。
また、食事中や食後に水分を摂ったり、十分に噛んで食事を行って唾液の分泌を促したりすることも、虫歯予防につながります。
フッ素を活用する
歯科医院でフッ素を塗布してもらったり、フッ素入りの歯磨き粉やマウスウォッシュを使用したりすることで、虫歯への予防効果に期待ができます。フッ素には、酸によって歯が溶け出すのを予防し、虫歯の原因であるミュータンス菌の働きを弱める効果があります。
また、歯質の弱い乳歯に使用すれば、歯のエナメル質を強化して虫歯の予防につなげられます。
虫歯になりやすい人にとっての歯科検診の重要性

歯科検診とは、歯の健康状態を確認することを目的とした検査です。口内の健康維持のためには歯科検診が欠かせませんが、虫歯になりやすい人にはさらに重要といえるでしょう。
ここでは、虫歯になりやすい人にとっての歯科検診の重要性を解説します。
虫歯の早期発見・治療が可能になる
初期段階の虫歯の場合には、症状がほとんどなく自分で気づくのは難しいとされています。歯の痛みや黒ずみを発見するなど、虫歯の症状を自覚した時には象牙質にまで虫歯が進行している可能性があるのです。
歯科検診を受けて虫歯を早期に発見すれば、歯を削る範囲を最小限に抑えて治療できます。ごく軽度の虫歯であれば、フッ素の塗布とブラッシングの見直しで改善できることもあります。
歯の健康を維持することができる
歯科検診では、口内のクリーニングを受けることができます。自宅でのケアだけでは落としきれない歯垢や歯石を専用の器具を使用して除去するため、虫歯の原因を取り除き口内を清潔に保てます。
また、歯磨きや食生活といった日常生活のアドバイスを受けることもできます。
治療の費用と時間を削減できる
歯科検診を定期的に受けていれば、虫歯治療の費用と時間を最小限に抑えることが可能です。歯科検診を受けるたびに費用は必要ですが、虫歯が悪化すると治療にかかる費用は高くなっていきます。
歯科検診を受けて虫歯を予防することで、費用を安く抑えられるのです。
また、定期検診は、歯の状態によって3ヶ月~半年の頻度で通うのが一般的です。虫歯の治療が始まると短期間で複数回通院する必要があるため、虫歯を予防すれば通院の時間と手間を抑えることが可能になります。
まとめ

黒ずみや痛みが症状として現れる虫歯は、細菌・糖質・歯質が主な原因です。口内のミュータンス菌が食事の際に口にする糖をエサに増殖し、歯を溶かす酸を作り出すことで虫歯が引き起こされます。
虫歯になりやすい人の特徴として、正しく歯磨きができていない人や甘いものを頻繁に食べる人などが挙げられます。このような人は、口内の汚れをきちんと取り除けていないことや長時間糖質が口内に留まっていることによって、虫歯になりやすい口内環境が作られています。
虫歯になりやすい人が虫歯を予防するには、歯磨きを正しく行って口内の汚れをしっかり除去し、食事の仕方に注意する必要があります。また、定期的に歯科検診を受けることで、虫歯を早期発見・治療することが可能になります。
虫歯治療を検討している方は、神戸市東灘区にある木下歯科医院にお気軽にご相談ください。
当院では、虫歯・歯周病治療や入れ歯治療、インプラント治療など、さまざまな診療に力を入れています。ホームページはこちら、無料相談も行っておりますので、ぜひご覧ください。