入れ歯コラムCOLUMN

入れ歯で口が乾くのはなぜ?原因とリスク、対処法を解説!

こんにちは。神戸市東灘区にある木下歯科医院です。
入れ歯

入れ歯を使い始めて、口が乾くようになったことで悩む方もいるでしょう。「入れ歯と唾液は関係ある?」「入れ歯で唾液が少なくなるのはなぜ?」と考えたり、家族から相談を受けたりすることもあるのではないでしょうか。

本記事では、入れ歯と口の乾燥との関係について解説します。

入れ歯で口が乾くのはなぜ?

入れ歯で口が乾く理由を考える人
入れ歯で口が乾きやすくなる人が多いのは、入れ歯を入れたことで咀嚼力が落ちたり、噛みにくくなったりする人が多いからです。入れ歯の人の口内が必ず乾燥するわけではありませんが、入れ歯だと乾燥しやすくなるでしょう。

理由やリスク、対策法を知ることで、快適に過ごせるようになります。本項目では、入れ歯で口が乾く理由についてさらに詳しく考えましょう。

咀嚼力が落ちて唾液の量が減っている

入れ歯を使用している人は、自分の歯で食事をしている人に比べて唾液の量が減る傾向があります。自分の歯でなんでも食べられる人に比べると、入れ歯は咀嚼力が落ちるからです。

食事中によく噛むことで脳に刺激が伝わり、唾液が分泌されます。入れ歯の人は自分の歯と同じようには噛めないため、唾液の量が少なくなるのです。

入れ歯が合っていない

入れ歯の大きさや形が、口腔内と合っていないために唾液が出ないことも考えられます。例えば、入れ歯が大きすぎて唾液線を潰しているケースが挙げられるでしょう。

唾液腺とは、唾液が分泌される場所のことです。口腔内に数か所ありますが、唾液腺が潰れていると唾液の分泌量が減り、口が乾きやすくなります。

さらに入れ歯が合っていない状態では、歯茎や舌などを傷つけて、口内炎になるリスクも高くなるでしょう。入れ歯が口内炎に当たると痛みを伴うため、噛んで食べられなくなります。

しっかり噛めないことが原因となって、唾液の量が減り、口が乾きやすくなるケースもあります。

口が乾くことによるリスク

口が乾くことによるリスクイメージ
口の中が乾いた状態だと、身体の健康のトラブルにもつながります。本項目では、口が乾くと起こる問題とその原因について考えましょう。

風邪をひきやすい

口腔内が乾燥した状態を放置していると、風邪をひくリスクが高くなります。口腔内が適度に潤っていることで、細菌が繁殖するのを防いでいるためです。

口の中が乾いた状態だと細菌がどんどん繁殖し、体内に侵入しやすくなるのです。

歯周病やむし歯のリスクが高くなる

口が乾くことで、歯周病やむし歯になるリスクが高くなります。唾液には、自浄作用や殺菌作用があります。

自浄作用とは、食べかすやプラークなど、口の中にある汚れをきれいに洗い流す働きです。殺菌作用は、細菌の働きや増殖を抑えたり殺菌したりする働きです。

口が乾いていると、自浄作用や殺菌作用がうまく働きません。口内に細菌が長く留まります。

さらにプラークが乾燥して歯にこびりつくでしょう。歯周病やむし歯の原因となる細菌が口腔内で増えやすいので、それらの疾患のリスクが高くなるのです。

食べ物を飲みこめない

口が乾いた状態だと、食べ物を上手に飲みこめません。特に、芋類やパン類など、水を多く吸い込むものはパサパサして飲み込みにくく感じるでしょう。

無理に飲み込もうとして、誤飲するリスクも高くなります。咳こんで食べ物が喉につかえたり、口腔内の菌が肺に運ばれて肺炎になったりする可能性もあるでしょう。

口臭の原因になる

口が乾いていると、口臭の原因になります。上述しましたが、口が乾燥していると口腔内の細菌や舌苔が繁殖しやすくなるからです。

さらに、歯周病やむし歯を発症した場合も、口臭が発生します。口臭がひどいと周囲の反応を恐れて、誰かと会話をすることをストレスに感じる可能性もあります。

口臭はご自身では気づけないことが多く、周囲の人が気づいても指摘しにくいので、人間関係に影響を及ぼすこともあるでしょう。


入れ歯で口が乾くときの対処法

入れ歯の調整
口の中が乾いた状態を放置していると、口の中だけでなく身体の健康トラブルを引き起こすリスクが高くなります。入れ歯で口が乾くと感じるときには、できるだけ早く対処しましょう。

本項目では、入れ歯で口が乾くときの対策法を3つ解説します。

よく噛めるように対策する

口が乾くときは、入れ歯でできるだけよく噛めるように対策することが重要です。入れ歯だと、天然歯と同じようになんでも食べるのは難しいです。

しかし、いくつかのポイントを押さえることで、快適に食事できるようになるでしょう。

・入れ歯が合うように調整する
・入れ歯を作り直す
・繊維質な食べ物や硬い食べ物を避ける
・柔らかい食べ物を食べる
・ゆっくりとよく噛んで食べることを意識する


入れ歯が合っていない場合は、歯科医院で入れ歯を調整してもらいましょう。強く当たって痛みが生じ、しっかりと噛めないと感じる方は多いです。調整して痛みがなくなれば、噛みやすくなるでしょう。

入れ歯が古くなり、歯茎と入れ歯の形が完全に合っていない場合は、作り直しも検討してください。保険適用外の入れ歯を選択すれば、歯茎にあたる部分に柔らかい素材を選択できます。より口内にフィットする入れ歯を作成できるでしょう。

また、せんべいやごぼうのように、硬い食べ物や繊維質な食べ物を力一杯食べるのは避けてください。柔らかい物を食べることからスタートしましょう。

ゆっくりとよく噛んで食べることを意識すれば、唾液の分泌が促進されます。

こまめに水分補給をする

こまめに水分補給をして、口の中を潤すことも重要です。唾液が出る人は、日頃から口の中が潤った状態になっています。

入れ歯になり「噛む回数が減った」「唾液腺が塞がった」などの理由で、十分な量の唾液が出てこない場合があるでしょう。こまめに水分補給をして、唾液の代わりに口の中を潤すことを意識しなければなりません。

白湯を一口分、口に含めるだけで十分です。毎回、コップ1杯の水を飲むのは大変かもしれませんが、一口分の白湯をこまめに摂取するとよいでしょう。

特に、食事前はまずは水分補給をしてください。口内が潤うと、食べ物を飲み込みやすくなるでしょう。

口や舌の筋肉を鍛える体操をする

口や舌の筋肉を鍛える体操で、唾液腺を刺激して口の渇きをなくしましょう。自宅でも簡単に行える体操をご紹介します。

【舌の体操】

1:舌を「ベー」と出す
2:出した舌を上下左右に動かす

【口の体操①】

1:大きく口を動かしながら「あ」「い」「う」「え」「おー」と発音する

【口の体操②】

1:顎を上にあげる
2:顎を上にあげたまま、口を開けたり閉じたりする

簡単な動作ですが、毎日行うことで、口周りの筋肉を整えたり、唾液腺を刺激したりできます。

口周りの筋肉が鍛えられれば、咀嚼しやすくなります。唾液腺が刺激されれば唾液が分泌されるので、口が潤うでしょう。

まとめ

入れ歯を持つ歯科医師
入れ歯を入れると絶対に口が乾くとは言い切れませんが、天然歯に比べると、口が乾きやすくなることは確かです。咀嚼力が落ちたり、入れ歯が痛くて食事ができなかったりすることが理由でしょう。

しかし、乾燥した状態を放置していると、口の中の細菌が繁殖しやすくなります。そのため、風邪をひきやすくなる、むし歯や歯周病のリスクが高まる、口臭の原因になるなど、さまざまな問題につながります。

誤飲した食べ物と一緒に、ウイルスが体内へ入り込んで肺炎を引き起こすリスクも高くなるでしょう。

状態を改善するためには、入れ歯のメンテナンスをしっかりと行って噛める状態にすることや、噛みやすい食べ物を選んでゆっくりとよく噛んで食べることが大切です。

さらに、口周りや舌の筋肉を鍛え、唾液が出るように刺激しましょう。入れ歯でも快適に過ごせるように、歯科医院のスタッフと一緒に取り組んでください。

入れ歯を検討している方は、神戸市東灘区にある木下歯科医院にお気軽にご相談ください。