入れ歯コラムCOLUMN

歯がない人が保険適用外100万円の精密入れ歯を選ぶ理由とは?

保険適用でもできる歯がない場合の治療法とは

入れ歯

「入れ歯」は、失った歯の代わりにその機能を人工物で補うための補綴(ほてつ)治療の最もスンダードな方法で、ほとんどの症状に対応できます。

入れ歯の種類は大きく「部分入れ歯」と「総入れ歯」の2つ。

部分入れ歯は天然の歯が一部でも残っている場合に用いられる治療法で、人工歯、床、クラスプで作られます。床は口の中の粘膜表面に直接あたる部分、クラスプは口の中に残っている天然の歯に床を引っ掛けるために必要な装置です。

総入れ歯は、歯が一本も残っていない場合に用いられる治療法で、人工歯と床で作られます。取り外し式のため、しっかりフィットする入れ歯を作らないと天然の歯のように噛むのは困難ですが、お手入れは楽に感じる方も多いようです。

ブリッジ

「ブリッジ」は、失った歯を補うために、両隣の歯を削り、その両隣の歯を土台にした橋のような形で人工歯を固定する治療法です。

取り外し式の入れ歯と大きく違う点は、3本以上の歯が連結する形をしており、土台となる削った歯に人口歯を接着剤で接着するので、入れ歯のように動かず天然の歯とほとんど同じ感覚で食事ができることです。

失った歯の本数と土台となる歯の本数に決まりがあり、歯が一本もない場合や、適用範囲外の場合は用いることができません。

また、固定式のため天然の歯と同じように磨けますが、ブリッジと歯茎の境目や隙間などの汚れは歯間ブラシ等を使ってしっかりと磨く必要があります。

インプラント

「インプラント」は歯を失った部分に人工の歯根(インプラント)を埋め込み、歯を補う治療法です。歯を失った場合の治療法として、かつては入れ歯やブリッジが一般的でしたが、近年ではインプラントを希望する患者さんも増えています。

インプラントは、歯を失った顎の骨の部分に埋め込む人工歯根、その上に取り付けられる土台、人工歯の3つの部品でできています。審美的・機能的にも優れた治療法ですが、外科手術が必要なため、全身疾患がある場合など手術ができない場合は用いることができません。

保険適用の診療と自費診療の違い

保険診療とは、歯科医院をはじめとした医療機関で保険証を提示して普段私たちが受けている診療のことです。保険診療では、保険制度によって定められた範囲内で、全国どこの医院を受診しても同じ金額で同じ診療を受けることができます。

保険制度は、すべての国民が平等に医療を受けることができる非常に恩恵の大きな制度ですが、あくまで「病気に対しての最低限の治療」という条件があります。

なので、見た目が美しいセラミックやフィット感の良い素材を使った入れ歯などは保険適用外です。

自費診療とは、健康保険が適用にならない診療の総称です。費用が全額自己負担となるため、保険診療と比べると高価なイメージをお持ちになる方も多いでしょう。医院により治療法や費用に差があることも自費診療の特徴です。

自費診療では保険の制限を受けないため、「見た目がよいもの」「快適なもの」「満足できる治療」を目指し、より良い素材や最新の治療法を選択できます。

先に述べた「入れ歯」「ブリッジ」「インプラント」の3つの治療法では、すべて保険診療と自費診療があります。それぞれの治療法における、保険診療と自費診療の違いや適用範囲を詳しく見ていきましょう。

入れ歯治療の保険診療と自費診療

保険適用の入れ歯治療のメリット・デメリット

入れ歯は、「床(しょう)」と呼ばれる土台と「人口歯」、部分入れ歯の固定装置「クラスプ」といった部品でできています。

保険適用の入れ歯では、これらの部品に使用できる材料と作り方が健康保険で定められているものに限定されます。保険の入れ歯で「床」に使える材料は主に「アクリルレジン」と呼ばれるプラスチック樹脂で、金属のような強度がないため、ある程度の厚みが必要です。

そのため、保険診療で作る入れ歯の厚みはおおよそ3㎜~4㎜程度となり装着時に違和感を覚える方も少なくありません。

また、クラスプも保険の入れ歯では金属製となり、固定する歯に負担がかかったり、装着する位置によっては金属が見えてしまうなど審美性に影響があります。

保険の入れ歯は費用負担が少ないことと、自費診療の入れ歯と比べて治療期間が比較的短い場合が多いことがメリット。一方で、使える素材に制限があることが大きなデメリットです。

自費診療の入れ歯治療のメリット・デメリット

自費診療の入れ歯では、保険診療では選択できない様々な素材を選択できます。

クラスプの目立たない部分入れ歯や床を薄くして装着に違和感のない入れ歯など、「より良い見た目を手に入れたい」「機能性を重視したい」といった患者さんの希望に合わせた材質と治療法にできるのです。

失った歯の本数や部位、周囲の歯の状況に合わせた、患者さんお一人お一人に最適な入れ歯を作ることができます。

違いは素材だけでなく、製作工程にもあります。最低限の回数で仕上げる保険の入れ歯と異なり、精密に口の中を型取りします。多くの工程を経て緻密に作り上げていくので、密着力が高く外れにくい、違和感が少ない入れ歯を作ることができます。

自費診療の入れ歯のメリットは、お手入れがしやすい入れ歯の特徴を持ちつつ、見た目や噛み心地、装着感がより自然な入れ歯を作れること。デメリットは費用が全額自己負担のため、保険適用のものに比べれば高額になってしまうことです。

部分入れ歯と総入れ歯の違い

「部分入れ歯」は文字通り部分的な歯列の欠損を補う入れ歯です。1~複数本の歯の喪失に対応できます。 人工歯と義歯床がある点は総入れ歯と同じですが、残存歯に固定するためのクラスプがある点が特徴です。

原則として、「すべての歯を失ったケース」以外は、部分入れ歯で補うことができますが、ケースによっては抜歯をして総入れ歯を装着した方が良いこともあります。部分入れ歯は残った歯にクラスプを引っ掛けて固定するため、健康な歯にも負担がかかります。

また、クラスプ部分に溜まってしまった食べかすなどの清掃が不十分だと、そこから虫歯や歯周病の原因になってしまう場合も。部分入れ歯では、特に普段からの継続的なケアが大切となります。

「総入れ歯」は、すべての歯を失った場合に装着する入れ歯です。人工歯と義歯床だけで構成された装置のため、部分入れ歯よりも設計の自由度が高くなります。

顎の中に吸盤と同じような吸着力を使って固定します。固定方法が「粘膜への吸着」であるため、安定性はそれほど高くありません。

部分入れ歯か総入れ歯かは、「お口の中の状態によって自動的に決まってしまうもの」です。患者様の希望で選択するのは難しいですが、残った歯が1~2本など少なく、歯の健康状態も良くないという場合には、あえて抜歯をして総入れ歯にするという選択も可能です。

保険診療と自費診療の入れ歯の費用

保険診療の入れ歯の費用は、部分入れ歯の場合5,000円~14,000円、総入れ歯の場合で10,000円~15,000円程度です。※いずれも概算、1個(総入れ歯の場合片顎)、3割負担の場合。

保険診療の入れ歯は「最低限の機能回復」を目指すものなので、審美性や耐久性は望めませんが、費用を抑えて作ることができます。なお、保険で入れ歯を作った場合、一度作ると病院を変えても6か月経過しないと作り直しができないいわゆる「6か月ルール」が存在します。

自費診療の入れ歯の費用は素材・製法・歯科医院によって様々です。一例として、部分入れ歯の場合で300,000円~800,000円、総入れ歯の場合で500,000円~1,100,000円程度です。

保険の入れ歯と比べると非常に高額ですが、時間をかけて高い技術を持つ技工士とともに製作する入れ歯は、患者さんの身体の一部として調和します。

自費診療の入れ歯が目指すものは「患者さんお一人お一人に合った世界でひとつの入れ歯」であり、自然の歯のような付け心地・噛み心地となるように、こだわりを持って製作します。

さらに口の中の状態に柔軟にあわせられることや、外科的な治療が不要といった点もあり、高額であっても自費診療の総入れ歯を選ぶ方がいらっしゃるのです。

ブリッジ治療の保険診療と自費診療

保険適用のブリッジ治療のメリット・デメリット

保険診療でブリッジ治療ができる条件は以下の通りです。

  • 欠損歯が1本、または連続した2本の歯であること
  • 前歯部(ぜんしぶ:真ん中から1番目とその隣の歯)の場合、連続して4本まで
  • 負担のかかる支台歯が健康なこと(最低でも2年間は再治療が必要な状態にならないと診断されること)

上記の条件に合致しない場合は保険診療でブリッジ治療を受けることはできません。

また、保険診療のブリッジで使用できる材料には制限があり、白色のレジンか銀色の金属となります。レジンは白色ですが、十分な審美性があるわけではありません。銀色の金属は主に奥歯の被せ物として使い、レジンよりも強度は高いですが、金属アレルギーの度合いによっては使用できない場合もあります。

このように、保険診療のブリッジは経済的に製作できますが、審美性や耐久性といった面では自費診療のブリッジには劣るといえるでしょう。また、保険適用には様々な条件があり、希望すれば必ず保険適用となるわけではない点にも注意が必要です。

自費診療のブリッジ治療のメリット・デメリット

保険適用の条件にあわない場合のブリッジ治療は自費診療となります。

自費診療のブリッジ治療では、審美性と耐久性に優れた材料を選択できます。目立つ部分の歯を白くするだけでなく、大きな口で笑った時にしか人には見られない奥歯まで、自然な色になる材料を選択できます。

材料にも様々な選択肢があり、お口の中の状態に合わせて最適なものを選ぶことが可能。自費診療でよく用いられるセラミック素材は、天然歯と並んでも違和感がありません。

自費診療は全額自己負担のため、保険診療と比べると高額になりますが、耐久性や審美性に優れた材料を選択し、より良いブリッジを製作できるでしょう。

保険診療と自費診療のブリッジの費用

保険診療のブリッジの製作にかかる費用は、支台歯の治療の必要度や欠損した歯の部位によっても異なりますが、欠損歯が1本の場合でブリッジそのものの値段は、10,000円前後です(3割負担の場合)。

自費診療の費用も欠損した歯の部位のほか、材料や病院により異なりますが、欠損歯が1本の場合で50,000円~120,000円程度です。自費診療では保険診療に比べ高額にはなりますが、使用する材料の選択肢が広がり、保険診療では対応できない症例でも治療できる可能性があります。

インプラント治療の保険診療と自費診療

保険適用のインプラント治療のメリット・デメリット

インプラント治療を保険適用で行うためには、患者さんと治療する医療機関の両方が条件を満たすことが必要です。

患者さん側の条件がそろっている場合には、保険診療でインプラント治療を受けられる可能性があります。自分で条件に合う医療機関を調べるのは困難だと思われますので、かかりつけ医やお近くの医院に相談してみましょう。

患者さんの条件

  • 先天性部分無歯症:生まれつきの病気で、顎の骨の1/3以上が欠損している
  • 病気や交通事故による欠損:悪性腫瘍や顎骨骨髄炎、交通事故による外傷などで、顎骨を1/3以上欠損している

※虫歯や歯周病などによる歯の喪失の場合は保険適用とはなりません。

医療機関側の条件

  • 病院(病床数20床以上の入院施設(病棟)を持つ医療機関)に設置されている歯科・口腔外科であること
  • 歯科、口腔外科での治療経験が5年以上、またはインプラント治療の経験が3年以上の常勤歯科医師が2名以上在籍していること
  • 当直体制をとっている医療機関であること
  • 国が指定している医療機器や医薬品が完備され、安全な治療環境が整っていること

自費診療のインプラント治療のメリット・デメリット

インプラント治療の最大のメリットは、人工歯をしっかりと固定できることです。インプラント治療の最大のメリットは、人工歯をしっかりと固定できることです。

自費診療では保険適用の条件に合致しない方でもインプラント治療を選択できます。自費診療のため材料には多様な選択肢があり、審美性にこだわって仕上げることが可能です。

しかし、インプラントは外科手術を伴う治療のため、全身疾患がある場合など、手術ができない方は選択できません。また、入れ歯やブリッジなど他の治療法と比べ治療期間も長く、治療費用も高額になります。

保険診療と自費診療のインプラントの費用

医療機関、使用するインプラントの種類、お口の中の状態により異なりますが、インプラント治療の費用の相場は1本あたり300,000円~400,000円です。

自費診療となるケースが大半のため、高額となるのが一般的。また、1本あたりの費用で計算されることが多いため、必要となるインプラントの本数が多い場合はトータルの治療費も高額となります。

保険適用の条件に合致されている方は費用の3割負担で治療が受けられますが、顎骨造成の手術が必要なケースに相当するため、治療内容により金額は大きく差が生じます。事前によく相談の上、治療をすすめましょう。

保険適用にはない快適性と審美性の「フルオーダー精密入れ歯」とは

木下歯科医院では、丁寧なカウンセリングと精密な検査をした上で作るフルオーダーメイドの精密入れ歯治療を提供しています。

「ESTEETH(エスティース)」と名付けた精密入れ歯は、BPSという国際的に認められた入れ歯治療の認定資格を持った医院長と専門技工士が、患者様と相談をしながら作り上げていきます。

自費診療だからできる快適な装着感はもちろん、自然な歯肉の色を再現した審美性を兼ね備えた入れ歯です。

プライバシー面でも安心してご相談いただけるよう、1日5名限定でしっかり時間をかけた貸切診療をします。

歯がない状態でお困りの点や些細な悩み、治療方法についてのご相談があれば、ぜひ無料カウンセリングにお越しください。

★精密入れ歯「ESTEETH」についてもっと詳しく>>

医療法人社団 木下歯科医院 
院長 木下 貴雄

  • 国立徳島大学歯学部歯学科 卒業
  • IPSG咬合認定医
  • BPSメンバー(日本第一号となる精密入れ歯国際ライセンス認定歯科医師)