こんにちは。神戸市東灘区にある木下歯科医院です。
「歯の神経の治療は痛いの?」「どんな治療をするの?」と考えることはありませんか。歯の神経の治療は、専門用語で根管治療と呼ばれます。
虫歯が進行して歯の神経に達した場合や、外傷によって神経がダメージを受けた場合などに行われます。歯の寿命を伸ばし、長く使用するために必要な治療です。
本記事では、歯の神経の治療内容や流れ、かかる費用と期間について解説します。
歯の神経の治療とは
歯の神経の治療は、虫歯や外傷などで歯の内部にある神経(歯髄)が感染したりダメージを受けたりしたときに行う処置です。専門用語で根管治療と呼びます。
細い歯の神経の中の細菌や汚れを取り除く必要があるため、難しい治療とされています。根管治療を終えて完治するまでに、長期間かかることも少なくありません。
しかし、歯の神経の治療を行えば歯を抜かずに機能を維持できるため、メリットは大きいでしょう。
歯の神経の治療が必要な症例
歯の神経の治療が必要な症例は、以下のとおりです。
・虫歯が重症化した
・外傷により歯が破損した
・神経が炎症を起こした
・歯の根の先に膿が溜まった
虫歯が進行し神経にまで達すると、強い痛みを感じます。痛みを落ち着かせるためには、歯の神経の治療を行って細菌に感染した神経や細菌を取り除かなければなりません。
また、交通事故や転倒などが原因で、歯が破損することもあります。外傷により神経がダメージを受けて炎症を起こしたり壊死したりすると、根管治療が必要です。
歯の根に膿が溜まり、骨にまで炎症が起こった場合も神経の治療を行います。
治療後の歯の寿命
歯の神経の治療後の歯の寿命は、5年〜30年です。再治療が必要になる度に、寿命が短くなります。特に、神経を取った後の歯は痛みを感じることができません。2次う蝕になっても気づかず、重症化するケースも少なくないのです。
さらに、神経がないため、歯に必要な栄養分や血液が行き渡りません。枯れ木のような状態になるため、衝撃を受けたときに破損したりひび割れたりするリスクも高まるでしょう。
上記のことから、神経の治療後の歯の寿命は短くなるといえます。長く機能を維持するためには、しっかりとしたメンテナンスが欠かせません。
歯の神経の治療は痛い?
歯の神経の治療中や治療後に痛みが出るのか、気になる方は多いでしょう。歯の神経を取る際は麻酔するので、治療中に痛むことは基本的にありません。麻酔の効果が出にくく感覚が消えにくい方もいますが、お伝えいただければ麻酔を足すなどして対応可能です。
ただし、治療中に圧迫感や違和感を覚えることはあります。痛みなどの感覚は消えますが、治療中の音や振動によって恐怖心を感じる方も少なくありません。
また、治療後に痛みが出ることがあります。基本的には数日で落ち着くので、過度な心配は必要ないでしょう。
以下、歯の神経の痛みの原因や痛むときの対処法について解説します。
歯の神経の痛みや原因
歯の神経の感染がひどく、神経に多くの細菌が繁殖している場合は、痛みが出たり腫れたりすることがあります。特に、歯根まで膿が溜まっている場合は、膿が完全になくなるまでズキズキと痛む場合もあるでしょう。
また、歯の神経の治療を繰り返している方は、痛みが長引くことも珍しくありません。その場合、歯根が破折したりひび割れていたりすることも考えられます。
さらに、治療が完了し、歯根に薬剤を詰めたときに圧迫感が出る場合もあるでしょう。
痛むときの対処法
歯の神経の治療後、痛みが出た場合でも一般的に3日ほどで治ります。長く続いても1週間程度でしょう。
しかし、痛みがあると日常生活に支障が出るのは否めません。痛みが長引いたり我慢できないほど強かったりする場合は、我慢せずに歯科医師に相談してください。痛み止めや抗生物質を処方して、対処できることがあります。市販の鎮痛剤を服用することも可能です。
治療直後は、患部に過度な負担がかかるのを防ぐために硬い食べ物を避けましょう。また、患部で噛まないようにしてください。
さらに、患部を水で濡らしたタオルで冷やすと効果的です。この際は、保冷剤を使って急激に冷やすことは避けてください。
痛みが治らない場合や悪化する場合は、歯科医院に相談して適切な処置を受けたほうがよいでしょう。
歯の神経の治療の流れ
歯の神経の治療の流れは、次のとおりです。
1.診断
2.麻酔
3.歯髄の除去
4.洗浄と消毒
5.根管充填
6.被せ物の装着
まずは、レントゲン撮影や検査をして、歯根の状態や感染の範囲などを確認します。歯の神経の治療が必要だと診断された場合は、麻酔をします。感覚が残っていると強い痛みを感じるため、慎重に感覚の消失を確認します。
次に、針のような専用の器具を使って、感染した神経や細菌を掻き出します。しっかりと除去できたら、薬剤で根管内を洗浄・消毒します。この後、根管内に薬剤を詰めて、蓋をして数日おきます。
その後、根管の中に細菌がなくなり無菌状態になるまで、消毒と殺菌の治療を続けます。根管はとても細く複雑な形をしているため、簡単に細菌を排除できません。
特に、保険診療の場合は使用できる器具や薬剤に制限があるため、消毒・殺菌を3〜4回続けなければならないでしょう。1週間に一度の頻度で通院し、治療を継続します。
根管内の消毒・殺菌が完了したら、細菌や汚れが入り込まないように充填剤を詰めます。隙間があると細菌が繁殖して再度炎症が起こる危険性があるので、丁寧に処置を行います。
しっかり充填できたら、歯を補強し機能を補うために、土台を立てて被せ物を装着します。
このように、歯の神経の治療はいくつかのステップを踏まなければならず、長期間かかります。1ヶ月以上かかると考えておきましょう。
歯の神経の治療の費用
歯の神経の治療は保険適用です。3割負担だと、1,500円〜4,000円とされていますが、症状や通院頻度によっても異なります。
歯の神経の治療後にはクラウン(被せ物)を装着しますが、クラウンの素材によっても費用が変わるでしょう。保険適用の素材であれば5,000円〜1万円ほどかかりますが、白い素材のものは8万円〜15万円の費用相場です。
また、歯の神経の治療を自由診療で行う場合、費用が高額になります。相場としては、7万円〜15万円程度でしょう。
自由診療は高額ですが、使用する材料や機械などに制限がありません。患者様の状態に合わせて的確に治療を進められるため、再治療が必要となる確率が低くなります。治療の質や耐久性にこだわりたい場合は検討しても良いかもしれません。
歯の神経の治療の期間
歯の神経の治療は、症状が軽い場合だと2週間〜3週間で終了します。一般的には1か月〜2か月ほどで、通院の回数は2回〜6回ほどです。
しかし、膿が顎の骨にまで溜まっていたり、痛みが続いたり、重症化している症例や、再治療の症例だと3か月〜4か月を有することも少なくありません。
歯の神経の治療の期間が長くなる理由は、歯根の形が複雑だからです。特に、奥歯は歯根の数が多く、細く曲がっているので洗浄や消毒に時間がかります。また、薬を定期的に交換して徹底的に細菌や汚染された組織を排除しなければなりません。
そのために、長時間かける必要があるのです。
治療を長引かせないためにできること
歯の神経の治療は、長期間かかるため通院したくないと感じることもあるでしょう。
しかし、治療を長引かせないためには、予約日を守って通院することが重要です。また、治療中の歯に刺激を与えないため、患部で噛まないようにしましょう。治療中の部分で咀嚼すると、仮蓋が外れる可能性もあります。
チューイングキャンディーやキャラメル、ガムなどの粘着性のある食べ物を食べると、仮蓋が外れやすいため避けたほうがよいでしょう。仮蓋が外れた場合は、細菌が中に入り込むのを防ぐために早めに歯科医院を受診してください。
まとめ
今回は、歯の神経の治療について考えました。歯の神経の治療は、虫歯や外傷などで神経がダメージを受けたときに行う処置で、根管治療と呼びます。歯の神経の治療をするメリットは、抜歯を防ぎ歯の寿命を延ばせることです。
神経を取り除く際は麻酔するため痛みはありませんが、治療後に痛みが出ることはあります。また、細菌や神経を完全に除くのに時間がかかるため治療期間が長く、一般的には1か月〜2か月ほど必要です。
治療を長引かせず成功に導くためにも、通院日を守り歯科医師の指示に従いましょう。
根管治療を検討している方は、神戸市東灘区にある木下歯科医院にお気軽にご相談ください。
当院では、虫歯・歯周病治療や入れ歯治療、インプラント治療など、さまざまな診療に力を入れています。ホームページはこちら、無料相談も行っておりますので、ぜひご覧ください。