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歯周病が進行すると痛みが生じる?放置するリスクと対処法

こんにちは。神戸市東灘区にある木下歯科医院です。
鏡で歯周病を確認する男性

歯周病は、歯ぐきの腫れや出血といった症状が現れる初期段階では気づきにくく、進行に気づかない方も少なくありません。やがて歯を支える骨が溶け、最終的には歯が抜け落ちることもある深刻な病気です。

では、歯周病が進行すると痛みが生じるのでしょうか。放置することでどんなリスクがあるのか、不安に思う方も多いかもしれません。

この記事では、歯周病の痛みや放置によるリスク、進行を防ぐ方法についてわかりやすく解説していきます。

歯周病はどんな病気?
悪化した歯周病

歯周病とは、歯を支える歯茎や歯槽骨といった歯周組織に炎症が起こる疾患です。主な原因は、プラークと呼ばれる細菌のかたまりが歯と歯茎の間にたまることで、歯茎が炎症を起こし、やがて歯を支える骨にまで影響が広がります。

症状は段階的に進行し、初期の歯肉炎では歯茎の腫れや出血などが見られますが、この段階では強い痛みはほとんど感じません。そのため、気づかないうちに進行するのが特徴です。

さらに進行すると歯周炎となり、歯を支える歯槽骨が破壊され、歯がぐらついたり、噛むときに痛みを感じるようになったりします。最終的には歯が抜け落ちることもあります。

歯周病が進行すると痛みが生じる?
歯周病が進行して痛みを感じるようになった男性

歯周病は初期の段階ではほとんど痛みがなく、気づかないまま進行することが多い病気です。そのため、多くの人が「まだ痛くないから大丈夫」と考えて歯科医院を受診しない傾向にあります。

しかし、歯周病は静かに進行し、歯ぐきの奥深くまで炎症が広がると、やがてはっきりとした痛みとして現れることがあります。この痛みは、歯ぐきが腫れて圧迫されたときや、膿がたまったとき、あるいは歯がぐらついて動いたときなどに感じることが多いでしょう。

痛みが出たときには、すでに歯を支える骨が大きく溶けていることも少なくありません。つまり、歯周病による痛みは、進行のサインといえます。

歯周病を放置するリスク
歯周病の悪化によって抜けた歯

歯周病は、単なる歯茎のトラブルにとどまらず、放置するとさまざまなリスクを引き起こします。ここでは、歯周病を放置するリスクについて確認していきましょう。

歯の喪失につながる

歯周病が進行すると、歯を支える骨が徐々に破壊され、やがて歯がグラグラして抜け落ちることがあります。これは見た目の問題だけでなく、食事がしづらくなる、発音しづらい、表情が不自然になるといった日常生活への支障にも直結します。

さらに、歯を1本でも失うと、周囲の歯の位置がずれたり、噛み合わせが乱れたりすることで、新たなトラブルを招く恐れもあります。歯周病による歯の喪失は、口腔環境全体の悪循環を引き起こす可能性があるのです。

口臭の悪化

歯周病をそのままにしていると、強い口臭が生じるようになります。これは、歯周病菌が繁殖する過程で揮発性硫黄化合物(VSC)と呼ばれるガスを発生させるためです。

特に、進行した歯周病では、膿や壊死した組織が混ざることで臭いがさらに強くなり、慢性的な口臭へとつながります。

全身の健康にも悪影響を及ぼす

歯周病は口の中だけの病気と思われがちですが、近年の研究では、歯周病菌や炎症物質が血管を通じて全身に運ばれ、慢性的な炎症を引き起こす可能性が指摘されています。

これにより、糖尿病、心疾患(心筋梗塞・脳梗塞)、動脈硬化、誤嚥性肺炎、認知症など、全身疾患のリスクが高まることが多くの研究で報告されています。

歯周病は単なる口腔内の疾患ではなく、全身の健康にも深刻な悪影響を与える病気として認識されているのです。

歯周病が原因で痛みがあるときの対処法
レントゲンで歯周病の進行状況を確認する様子

歯周病による痛みを感じたときには、まず応急処置と早期の歯科受診が重要です。以下に、具体的な対処法を紹介します。

口腔ケアの見直し

歯周病による痛みがあるときは、毎日の歯磨きをこれまで以上に丁寧に行うことが大切です。朝と夜、最低2回は歯を磨く習慣を意識しましょう。なかでも、歯周ポケットにたまったプラークをしっかり取り除くことが重要です。

歯ブラシはやわらかめを選び、軽い力で細かく動かすのが効果的です。歯間ブラシやデンタルフロスを取り入れることで、歯と歯の間に潜む汚れまで届きやすくなります。

さらに、フッ素入りの歯磨き粉を使うと、歯ぐきの状態を整える助けになります。必要に応じて、歯科医院でブラッシング指導を受けるのもよいでしょう。

歯科医院での治療

痛みを感じている場合には、できるだけ早く歯科医院を受診することが重要です。歯科医師は、視診や歯周ポケットの深さを測る検査、レントゲン撮影などによって歯周病の進行状況を確認し、痛みの原因を明確にします。膿の排出や一時的な薬の処方など、炎症を抑えるための応急処置が行われることもあります。

基本的な治療としては、スケーリングやルートプレーニングといった歯石や汚れの除去が行われます。これにより、歯ぐきの炎症が改善され、痛みも和らぐことが期待できます。治療後は再評価を行い、必要に応じて外科的な処置が追加される場合もあります。

治療が終わったあとも、再発を防ぐために定期的な通院とメンテナンスが欠かせません。痛みの根本原因を取り除くためには、専門的な治療が不可欠です。

生活習慣の改善

歯周病による痛みを緩和し、進行を防ぐには日々の生活習慣を見直すことが非常に重要です。まず、喫煙は歯ぐきの血流を悪くし、歯周病の治癒を妨げる大きな要因のひとつです。禁煙することで歯ぐきの回復が早くなり、歯周病の悪化を防ぐ効果が期待できます。

また、糖尿病がある方は歯周病と相互に悪影響を及ぼすことが知られています。血糖値を適切に管理することが、炎症の悪化を防ぐために欠かせません。

加えて、栄養バランスの良い食事も大切です。特に、ビタミンCやビタミンDは歯周組織の健康維持に効果があり、野菜や果物、乳製品などを積極的に摂るとよいでしょう。

さらに、十分な睡眠をとり、ストレスを溜めない生活を心がけることで免疫力を保つと効果的です。

歯周病を予防するためには
歯周病ケアに使用するデンタルフロス

歯周病は発症すると自然に治ることはなく、進行すると歯を失う恐れがあります。だからこそ、発症させない・進行させないことが最も重要です。毎日のセルフケアと歯科医院でのプロフェッショナルケアを組み合わせることで、効果的に歯周病を予防することができるでしょう。

正しい歯磨き習慣を身につける

歯周病予防の基本は、毎日の歯磨きにあります。まず、歯ブラシの毛先を歯と歯茎の境目に45度の角度であて、小刻みに優しく動かすことで、プラークを効果的に除去できます。

力を入れすぎず、1本あたり10〜20回程度磨くことが推奨されており、全体で3分程度かけて丁寧に磨くよう心がけましょう。

また、歯と歯の間の清掃にはデンタルフロスや歯間ブラシを活用することで、歯周病の原因となる細菌の温床を減らせます。正しい歯磨き習慣を身につけることが、歯周病を未然に防ぐ第一歩となります。

生活習慣を見直す

歯周病の予防には、毎日の生活習慣の見直しも重要です。喫煙は、歯周病菌の増殖を促し、免疫力を低下させるため、禁煙することでリスクを大幅に下げられるでしょう。実際に、喫煙者は非喫煙者に比べて、歯周病を発症する確率が高いとされています。

また、ストレスや睡眠不足は免疫力を弱め、歯ぐきの炎症が進行しやすくなります。バランスの取れた食事も大切です。糖分を控え、ビタミンCやビタミンD、カルシウムなどの栄養素を意識して摂取することで、歯ぐきの健康が保たれます。

歯科医院での定期検診とクリーニング

歯周病を予防するうえで欠かせないのが、歯科医院での定期検診とクリーニングです。歯科医師による検診では、歯ぐきの状態や歯周ポケットの深さ、歯石の付着状況などを正確にチェックし、必要があれば治療を速やかに行うことができます。

加えて、専門的なクリーニング(PMTC)は、家庭では取りきれない歯石やバイオフィルムを除去し、歯ぐきの健康を守るのに非常に効果的です。歯の表面が清潔で滑らかになることで、細菌の再付着も抑えられます。

特に症状がなくても3〜6ヶ月に一度の頻度で受診することが推奨されており、患者さまの状態にあわせて定期検診を受けるようにしましょう。

まとめ
仲良く歯周病ケアをする夫婦

歯周病は初期段階では自覚症状が少なく、気づかないうちに進行することが多い病気です。痛みがあるときには、すでに進行している場合も少なくありません。歯周病が進行すると、出血や腫れといった歯ぐきの炎症だけでなく、歯の喪失や口臭、さらには全身の健康にも悪影響を及ぼすことがあります。

歯周病による痛みを感じた際には、自己判断で放置するのではなく、速やかに歯科医院を受診すること、正しいケアを行うことが重要です。また、痛みがなくても常に危機感を持ち、定期的な歯科検診と日々の口腔ケアを続けることが、歯と体の健康を守る予防の第一歩となります。

この記事を参考に、歯周病への意識を高め、日常生活に取り入れるようにしましょう。

歯周病の治療を検討している方は、神戸市東灘区にある木下歯科医院にお気軽にご相談ください。

当院では、虫歯・歯周病治療や入れ歯治療、インプラント治療など、さまざまな診療に力を入れています。ホームページはこちら無料相談も行っておりますので、ぜひご覧ください。