医院ブログBLOG

本当は怖い歯周病

2011年4月9日

今回は歯周病のお話をしたいと思います。
日々テレビなどでも歯周病のお話はよく取りざたされていますし、歯医者さんでもよく聞く言葉だと思いますが、実際はどのような病気なのでしょう。
歯医者さんに行って、当たり前のように「歯石をとりますね」とカリカリと専用の器具で、歯ブラシでとりきれない「歯石」をとってもらう事は皆様も経験あるとは思いますが、実際どのような事をしているのでしょう。
大量の歯石がたまってしまった方の歯石を除去している映像です。
除去した歯石の下の歯肉は、真っ赤に腫れ上がっています。
歯石除去
口の中には様々な種類の細菌が存在します。その数、数百種類ともいわれています。
口の中というのは、暗くて、狭くて、24時間唾液で湿っていて、一日3回必ず食事という栄養源も入ってきて、体温で生暖かくて、と非常に細菌からすれば居心地のいい所です。
その口の中で住み着いている細菌は、食事が入ってくる度にそれをお裾分けしてもらい、お腹一杯になると、人間と同じように3種類の排泄物をします。
一つ目が、高濃度の「酸」です。
この「酸」によって歯が溶けてしまうのが、虫歯です。
二つ目が、「毒素」です。
この「毒素」によって、歯を支えている骨を溶かしてしまうのが、歯周病です。
最後に三つ目が、「ガス」です。
具体的には硫黄を含むガスなので、いわゆる細菌のおならのようなもので、これが口独特の口臭の原因です。
この三つの排泄物の中で、一番たちが悪いのが二つ目の「毒素」によって起こる歯周病です。
歯周病は、「骨が溶ける」という怖い現象が起きているにもかかわらず、痛みは殆ど起こらず、じわじわ進んでいきます。
実際、痛みや腫れが起こってきて、歯医者さんに飛び込んだ頃には、もう骨が溶けきってしまっていて、歯を抜くしか痛みを止める方法がないという状態になります。
よく、40歳、50歳になってから歯周病という病気にかかると思っておられる方が非常に多いですが、実際には永久歯が生え始めた10代、20代からゆっくり進んでいって、自覚症状が出始めるのがその頃というだけなのです。
溶けてしまった骨はもう元にはもどりません。
もちろん、虫歯で溶けてしまった歯ももとにはもどりません。
皮膚や粘膜、内蔵の病気は、食生活、生活習慣を改善し、医師の処方通りの薬を飲めば、元通りに「治る」「自然治癒する」ということは十分期待できる事ですが、歯や骨という硬い組織は、元に戻らない事がやっかいなのです。
それが故に、穴があいたところや、歯がなくなってしまったところに、詰め物や被せ物、インプラント、入れ歯などの何かしらの人工物を入れなければならない事が歯科治療の特徴ですが、やはり、一番いいのは神様が作った自分の歯であり、自分の骨を大切に使う事です。
その為には、やはり「予防」です。骨や、歯が溶けない環境づくりです。
この予防の為に、「歯石」という名の、口の中の「細菌の巣」をとる事が、とても大切になってきます。
映像のようにたまりきってしまう前に、是非定期的な検診と、お掃除を行う「予防」の為に、歯医者さんに来院される事をお勧め致します。
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