こんにちは。神戸市東灘区にある木下歯科医院です。
「インプラント治療中の歯がない期間はどう対処したらいいの?」という疑問をおもちの方もいるでしょう。インプラント治療では、顎骨に人工歯根を埋め込む外科手術をおこない、その後に人工歯を取り付けます。
この過程で治癒期間として数週間から数か月の間、歯のない状態になることがあります。歯がない期間は見た目や発音、食事での咀嚼に影響を与えるため、不安を抱える患者さまも多いでしょう。
この記事では、インプラント治療の流れや歯がない期間の目安、歯がない期間の対処法について解説します。歯がない期間中の食事のコツや注意点についても解説しますので、ぜひ最後までご覧ください。
インプラント治療の流れ

インプラント治療は、以下の流れで行われます。
カウンセリング
はじめにカウンセリングを行い、要望やお困りごとを伺います。その後、お口の中の状態を確認して、インプラント治療が適応となるかを判断します。その際に、治療の流れや期間、費用、リスクなどを説明し、納得いただいたうえで次のステップに進みます。
精密検査と治療計画の策定
レントゲン撮影やCT撮影などを行い、顎骨の厚みや神経・血管の位置を正確に把握します。これらをもとにインプラント体の埋入位置を決定し、必要があれば骨造成や歯ぐき移植などの前処置も計画に組み込みます。
抜歯と骨造成などの準備
埋入部位に残存歯がある場合、まずは抜歯をおこない、適切な治癒期間を設けます。必要に応じて、骨造成という顎の骨を増やす治療を行うこともあります。
インプラント体の埋入手術
局所麻酔をしたあとに歯ぐきを切開し、顎骨にドリルで小さな穴を開けてインプラント体を埋入します。手術時間は本数や骨の状態にもよりますが、30分〜1時間ほどです。埋入後は歯ぐきを縫合し、顎の骨とインプラント体が結合しやすい状態にします。
治癒期間
手術後はインプラント体と顎の骨が結合するまで待ちます。2〜6か月ほどかかるのが一般的です。
アバットメントの装着
顎の骨とインプラント体が結合したら、再度歯ぐきを切開してアバットメントを装着します。アバットメントはインプラント体と人工歯をつなぐ部品です。装着後は歯ぐきが自然な形で回復するまで数週間待ちます。
型取りと被せ物の装着
歯ぐきが治癒したのを確認できたら、被せ物を作製するための型取りをします。被せ物が完成したら装着して噛み合わせを調整し、問題がなければ治療完了です。
メンテナンス
インプラント治療後も、定期的なメンテナンスが欠かせません。歯科クリニックでのメンテナンスでは専門的なクリーニングが行われます。また、定期的に歯科医院で検診を受けることで、インプラント周囲炎などの問題を早期に発見できます。
ご自宅では丁寧にブラッシングを行い、インプラントを清潔な状態に保ちましょう。
インプラント治療で歯がない期間はどれくらい?

インプラント体と顎骨がしっかり結合するまで、一般的に2〜6ヶ月ほどかかります。この期間中は、歯がないということになります。
なお、上顎より下顎のほうが早く結合しやすいといわれています。また、骨の状態が良好な方は短期間で顎の骨とインプラント体が結合するケースが多いです。
インプラント治療で歯がない期間の対処法

インプラント治療で歯がない期間は、仮歯か仮の入れ歯を使用して対処します。どちらの方法を選択するかは、患者さまのお口の中の状態や治療計画によって異なります。また、歯科医院によっても対処法は異なるため、詳しくは歯科医師に確認してください。
以下に、歯がない期間に使用される仮歯と仮の入れ歯について詳しく解説します。
仮歯
インプラント体と顎の骨が結合するまでの間は、仮歯を装着することがあります。仮歯を使用することで、歯ぐきの形態を保持しながら、見た目を補うことができます。また、歯がないと発音しにくくなりますが、仮歯を使用することでその問題も解消できます。
仮歯は、隣接する歯に接着するケースが多いです。ガタついたり欠けたりした場合は、使用を続けず、速やかに歯科クリニックへ連絡してください。
仮の入れ歯
複数本の歯をインプラントにする場合や、仮歯の装着が難しい場合には、仮の入れ歯を使用します。入れ歯は取り外し可能であるため、お手入れしやすいです。また、手術後の傷口を保護しながら食事や会話ができるでしょう。
装着時の違和感を軽減するために歯科クリニックで細かく調整を行います。毎食後に外して水洗いし、夜間は専用ケースに保管すると清潔に保てます。
歯がない期間の食生活と注意点
歯がない期間の食生活と注意するポイントは、以下のとおりです。
仮歯や仮の入れ歯に過度な力をかけない
インプラント治療中に装着する仮歯や仮の入れ歯は一時的に使用するもののため、強度が高くありません。そのため、無理に噛みしめると割れたり欠けたりすることがあるのです。仮歯の脱離や仮の入れ歯の破損を招くこともあります。
さらに、過度に力を加えると、インプラント体と顎の骨の結合を妨げる可能性があります。これらを防ぐためにも、歯がない期間中は力強く噛まないようにすることが大切です。
万が一、強く噛んだことで仮歯や仮の入れ歯に不具合が生じた場合は、すぐに歯科クリニックへ連絡してください。
硬い食材はなるべく控える
歯がない期間はインプラント体と顎の骨を安定させる大切な時期です。硬いせんべいやお肉などを噛むと仮歯や仮の入れ歯の破損につながるだけでなく、顎の骨との結合に悪影響を及ぼす恐れがあります。
そのため、スープやおかゆ、煮込み料理、豆腐、ヨーグルトといったやわらかめの食事を中心に摂ることが望ましいです。食材を小さく切る、咀嚼回数を増やすなど工夫して、噛む力が一点に集中しないようにしましょう。
粘着性の高い食品を避ける
キャラメルやガムなどの粘着性のある食べ物は、仮歯や仮の入れ歯に付着しやすいです。また、粘着性の高いものを食べると仮歯が外れることがあります。仮歯が外れると、再装着や調整が必要になる場合があります。
これらのトラブルを防ぐためにも、インプラント治療が完了して上部構造がしっかり固定されるまでは、粘着性の高い食品は控えましょう。
口内の清掃を丁寧におこなう
仮歯や仮の入れ歯は歯科用プラスチックでできており、汚れが付着しやすい性質があります。ブラッシングの際に強い力をかけると、仮歯を傷つけたり脱離させたりするリスクが高まるでしょう。
そのため、柔らかめの歯ブラシやインプラント用ブラシを使い、優しい力で磨いて汚れを落としましょう。また、デンタルフロスやタフトブラシなどの補助清掃用具を併用して、口内を清潔な状態に保つことが重要です。
定期的に歯科クリニックでチェックを受ける
インプラント治療を成功させるためには、歯科クリニックで定期的にチェックを受けることが大切です。インプラント体と顎の骨の結合状態や、歯ぐきの状態などを定期的に歯科医師に確認してもらうことで、万が一、トラブルが起こっていても早期に発見・対処できます。
また、歯がない期間中に違和感を覚えた場合や、痛み・腫れなどの症状がある場合にも、放置せずに歯科医師に相談してください。
まとめ

インプラント治療では、人工歯根であるインプラント体と顎骨が結合するまで、2〜6ヶ月ほど待つ必要があります。この間は歯がない状態です。この期間は仮歯や仮の入れ歯を用いて見た目と咀嚼機能を補います。
歯がない期間中は患部に刺激を与えないように、硬いものや粘着性の高いものを避けることが大切です。また、丁寧にケアを行い、お口の中を清潔な状態に保つことで治癒を促せます。
インプラント治療中の歯がない期間について不安がある方は、歯科医院で相談しましょう。
インプラント治療を検討している方は、神戸市東灘区にある木下歯科医院にお気軽にご相談ください。
当院では、虫歯・歯周病治療や入れ歯治療、インプラント治療など、さまざまな診療に力を入れています。ホームページはこちら、無料相談も行っておりますので、ぜひご覧ください。