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歯と歯の間にできる虫歯!原因や早期に発見するためのポイント、予防法

こんにちは。神戸市東灘区にある木下歯科医院です。

歯と歯の間にできた虫歯
歯と歯の間は、虫歯になりやすい場所のひとつです。外からは見えにくく、気づいたときには虫歯が進行しているケースも少なくありません。

「歯磨きしているのに、なぜか虫歯になった」という方は、歯と歯の間を十分にケアできていない可能性があります。

この記事では、歯と歯の間にできる虫歯の原因や早期発見のポイント、予防法について解説します。歯の健康を守るために、ぜひ参考にしてください。

歯と歯の間に虫歯ができる原因

歯と歯の間に歯ブラシ届かず虫歯ができてしまった女性
歯と歯の間にできる虫歯は、見つけにくく進行も早いため注意が必要です。ここでは、歯と歯の間に虫歯ができやすい理由を解説します。

汚れがたまりやすい

歯と歯の間は、構造上食べかすが挟まったり、汚れが蓄積したりしやすい部分です。取り除かずに放置すると、細菌が糖分をエサとして酸をつくり出し、歯を溶かすことで虫歯が発生します。

歯磨きが十分にできていない

歯と歯の間は狭く、歯ブラシだけでは歯間のプラーク(歯垢)を完全に除去することはできません。デンタルフロスや歯間ブラシを使用していない場合、歯間のプラーク除去率は約60%程度に留まるとされています。

また、正しいブラッシング方法を身につけていない場合や、歯磨きの時間が短すぎる場合も、プラークの除去が不十分となり、虫歯のリスクが高まります。

唾液による自浄作用が働きにくい

唾液には、口の中の汚れを洗い流し、清潔に保つ自浄作用があります。

しかし、歯と歯の間は、唾液の流れが悪くなりやすいです。唾液の流れが悪いと、細菌や酸性物質が洗い流されず、長時間歯に留まります。また、唾液の抗菌作用や、中和する効果も十分に発揮されないため、虫歯になりやすくなるのです。

歯と歯の間の虫歯を早期に発見するためには

歯と歯の間の虫歯を早期に発見するためにセルフチェックをする女性
歯と歯の間の虫歯は、鏡で見ても気づきにくく、痛みが出る段階ではすでに進行しているケースが少なくありません。早期発見のためには、日常生活でのセルフチェックと、歯科医院での定期検診の両方を意識することが大切です。

ここでは、早期発見のためのポイントを紹介します。

セルフチェックを行う

歯と歯の間の虫歯は、初期段階では自覚症状がほとんどありませんが、日常生活の中でいくつかのサインに気づけることがあります。普段の食事や歯磨きの際に、以下のポイントを意識して確認しましょう。

冷たいものや甘いものがしみる

アイスや冷たい飲み物を口にしたとき、あるいはチョコレートやジュースなど甘いものを食べたときに、歯がしみるように感じた場合は要注意です。歯のエナメル質が溶け、歯の内部の象牙質に刺激が伝わっているサインかもしれません。

デンタルフロスが引っかかる

デンタルフロスを使ったときに、同じ場所で何度も引っかかる、あるいは糸がほつれる場合、歯と歯の間の虫歯ができているかもしれません。虫歯によって歯の表面が粗くなっていることで起こり得る症状です。

歯が変色する

黒ずみや白濁した部分が見える場合、歯の成分が溶け出す状態が起きている可能性があります。鏡で見ても歯と歯の間は観察しにくい部分ですが、顔を傾ける、照明を明るくするなどして注意深く観察してみましょう。

食べ物が挟まるようになった

以前は食べ物が挟まらなかった歯と歯の間に、繰り返し食べ物が挟まるようになった場合も注意が必要です。虫歯ができて穴があいたり、隙間が生じたりしているサインかもしれません。

定期検診を受ける

歯と歯の間に限らず、虫歯を早期に発見するためには、定期的に歯科検診を受けることが大切です。専用の器具やレントゲン画像を用いて、患者さま自身では気づかない歯と歯の間の小さな虫歯も発見できます。

歯と歯の間にできた虫歯を治療する方法

歯と歯の間にできた虫歯を治療する様子
歯と歯の間に虫歯ができた場合、以下のように治療します。

詰め物や被せ物をする

軽度から中程度の虫歯では、虫歯の部分を削って詰め物(インレー)を入れる方法が一般的です。さらに進行して歯を大きく削った場合は、被せ物(クラウン)で歯を補います。

使用する素材は、保険診療と自由診療とで異なります。保険適用で使用される素材は、コンポジットレジンや銀歯です。自由診療と比べて治療費用が安く済みますが、外れたり虫歯が再発したりしやすいのはデメリットでしょう。

自由診療の場合は、審美性や耐久性の高いセラミックを使用することも可能です。特に、前歯に銀歯を使用すると目立ちやすいため、天然歯に似た見た目を再現できるセラミックを選ぶ方も少なくありません。

治療部位や耐久性、予算などを考慮しながら詰め物・被せ物の素材を選択し、噛む機能や見た目を回復させます。

歯と歯の間を広げる

虫歯を削って詰め物や被せ物をするのが虫歯治療の基本です。

しかし、歯と歯の間に虫歯ができた場合は、隙間がないために治療が難しく、歯を大きく削らなくてはならないケースがあります。そのため、セパレーターという金属やゴムでできた装置を1週間ほど歯と歯の間に挟み、一時的に歯と歯の間を広げる処置を行う場合があります。

歯と歯の間に隙間ができることで、歯科医師が治療器具を正確に入れられるようになり、削る範囲を抑えられるのです。できた隙間は、装置を取り外してから1〜2日でもとに戻るため、歯並びが乱れる心配もありません。

処置中は軽い違和感や圧迫感を覚えることがありますが、多くの場合すぐに慣れます。歯と歯の間を広げるまでには時間がかかるため、すぐに虫歯の治療を開始できない点はデメリットです。

歯と歯の間の虫歯を予防する方法

歯と歯の間の虫歯を予防するための口腔ケアグッズ
歯と歯の間の虫歯は、見えにくく気づきにくい場所にできやすいため、日常のケアや生活習慣が大切です。ここでは、歯と歯の間の虫歯を防ぐために効果的な方法を紹介します。

デンタルフロス・歯間ブラシを毎日使用する

前述したとおり、歯と歯の間に残った食べかすやプラークは、歯ブラシだけでは十分に取り除けません。歯と歯の小さい隙間はデンタルフロス、大きな隙間には歯間ブラシを使うことで、歯間に残った汚れを効率よく取り除けます。

毎食後に使用するのが難しい場合は、就寝前の1日1回だけでも使用すると、虫歯予防につながります。慣れないうちは時間がかかるかもしれませんが、丁寧な歯磨きを習慣化すると清潔かつ健康的な歯を長く維持できるでしょう。

フッ素入り歯磨き粉や洗口液を活用する

フッ素は、歯のエナメル質を強化し、酸によって溶けにくくする働きがあります。歯磨き粉を選ぶ際には、フッ素配合と表示されているものを使用しましょう。

また、デンタルフロスや歯間ブラシで歯と歯の間の汚れを取り除いたあとに、フッ素入りの洗口液を使うと、薬剤がすみずみまで行き渡りやすくなります。虫歯予防効果をより高められるでしょう。

食事の時間を決める

虫歯は、食事や間食の回数が多いほどリスクが高まります。食べ物を口にするたびに虫歯菌が酸をつくり出し、歯を溶かす環境が長く続くためです。

甘いお菓子やジュースをダラダラと口にする習慣は避け、間食をとる場合は時間を決めてメリハリをつけましょう。例えば、食後にフルーツをデザートとして食べるなど、間食を食事の一部にするのも工夫のひとつです。

定期的な歯科検診とクリーニング

毎日のセルフケアだけでは、歯と歯の間にたまった細かい汚れや、プラークが固まってできた歯石を取り除くことはできません。そのため、定期的に歯科医院でプロによるケアを受けることが大切です。

歯科医院では、虫歯を早期に発見できるだけでなく、歯石の除去やフッ素塗布などの予防ケアを受けられます。定期検診を受ける頻度の目安は、3〜6か月に1回程度です。

自宅でのセルフケアに加えて歯科医師や歯科衛生士によるケアを受けることで、虫歯リスクの高い歯と歯の間も健康的に維持できます。

まとめ

歯と歯の間にできる虫歯を予防するために丁寧に歯磨きをする女性
歯と歯の間は、食べかすが挟まりやすく、ブラッシングだけでは汚れを取り除きにくい場所です。目で確認することも難しいため、気がついたときには虫歯が進行しているケースも少なくありません。

歯と歯の間の虫歯を防ぐためには、毎日デンタルフロスや歯間ブラシを使用し、丁寧な歯磨きを習慣づけましょう。糖分の多いお菓子やジュースはできるだけ控え、食事の時間を区切ると虫歯になるリスクを低減できます。

また、定期的に歯科医院で虫歯のチェックと、クリーニングやフッ素塗布などの予防ケアを受けることも大切です。痛みが出てから歯科医院に行くのではなく、痛みが出る前に歯科医院を受診し、歯の健康を維持しましょう。

歯と歯の間の虫歯の治療を検討している方は、神戸市東灘区にある木下歯科医院にお気軽にご相談ください。

当院では、虫歯・歯周病治療や入れ歯治療、インプラント治療など、さまざまな診療に力を入れています。ホームページはこちら無料相談も行っておりますので、ぜひご覧ください。