入れ歯コラムCOLUMN

【やわらかい入れ歯】シリコン義歯とは?メリットと費用を解説!

こんにちは。神戸市東灘区にある木下歯科医院です。

金属でできた部分入れ歯

入れ歯を入れたものの「物を噛んだときに歯茎が痛い」「すぐ外れてしまう」などの不調に悩んではいませんか。とくに、食事に支障が出てしまうと精神的ストレスを感じて、幸福度も低下してしまうでしょう。
痛みや外れやすさなど、不快な症状を改善できる入れ歯として「シリコン義歯」が挙げられます。
今回は、シリコン義歯の概要、メリット・デメリット、費用相場など解説していきます。入れ歯の不快な症状にお悩みの方は、ぜひ参考にしてみてください。

シリコン義歯とは

画面上にレントゲン写真が出されている設備が整った歯科治療室
シリコン義歯は、入れ歯の内側(粘膜に触れる部分)をシリコンで覆った入れ歯です。シリコンは粘膜への肌触りがよく、馴染みやすい特徴があります。
一方、保険適応の入れ歯は硬いプラスチックでできているため、違和感があるといわれています。保険適応の入れ歯を使用している方は、物を噛んだ際に歯茎が痛い・入れ歯が動いて安定しない・食後に入れ歯と歯茎の間に食べカスが入り込むなど、トラブルを抱えているケースが多いです。なかには、違和感や痛みから入れ歯の使用をやめてしまう方もいるでしょう。
シリコン義歯は、やわらかいシリコンを使用することで、上述したようなトラブルを解決へと導きます。また、シリコン義歯はインプラントのような外科的手術の必要はありません。総入れ歯・部分入れ歯どちらにも対応しているので、入れ歯のトラブルでお悩みの方は検討してみるといいでしょう。

シリコン義歯のメリット・デメリット

白板の上で開いた手帳にメリットデメリットと左右に書かれている
シリコン義歯には、どのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。治療方法を選択する際には、メリット・デメリットを理解したうえで選択することが大切です。
以下で、シリコン義歯のメリット・デメリットを紹介します。

シリコン義歯のメリット


シリコン義歯のメリットは、大きく3つ挙げられます。

・食事など、ものを噛んだ際の痛みが少ない
・ガタつきが少なく外れにくい
・保険適応の入れ歯と比較して咀嚼力を保つことができる

それぞれ詳しく解説します。

食事など、ものを噛んだ際の痛みが少ない

保険適応の入れ歯は粘膜に直接プラスチックが触れるため、痛みが出やすい点が大きなデメリットです。
シリコン義歯は、内側をシリコンで覆うことで、入れ歯のデメリットである材料の硬さを解消しています。物を噛む際、シリコンがクッションの役割をはたすので、歯茎にかかる圧力が緩和され、痛みが出にくく不快感の少ない使用感を得ることができるでしょう。
入れ歯が粘膜に当たって違和感がある・痛むなど、入れ歯でもっとも起こりやすいトラブルを回避できる点は、大きなメリットといえます。

ガタつきが少なく外れにくい

シリコン義歯は、歯茎の形状に合わせて作成されます。やわらかいシリコンを使用しているので弾力があり、吸盤のように粘膜に吸着する点が特徴です。
歯茎にしっかりと吸着するので、食事など口を動かしても外れにくく、安定しています。シリコン義歯を使用すれば、食事や会話の際に入れ歯が外れるリスクを回避できるでしょう。また、歯茎にしっかりと吸着することで、食事の際に、歯茎と入れ歯の間に食べカスが入り込むことも少なくなります。

保険適応の入れ歯と比較して咀嚼力を保つことができる

シリコン義歯は、吸着力があり噛んだ際の痛みも少ないため、強い力で噛むことができるでしょう。
入れ歯は天然歯と比較して噛む力が半分以下まで低下するといわれています。入れ歯が外れやすかったり噛んだ際に痛みが現れたりすると、さらに食べられる物が限られてしまい、食事にストレスを感じてしまうケースも少なくありません。
シリコン義歯を使用して、痛みなどのトラブルが回避できれば、咀嚼力が上がり、食事を楽しめるメリットがあります。

シリコン義歯のデメリット


シリコン義歯のデメリットは、大きく3つ挙げられます。

・保険適応外のため、自費治療になる
・汚れが吸着しやすい
・寿命が短い

それぞれ詳しく解説します。

保険適応外のため、自費治療になる

シリコン義歯は、保険が適応されず自費診療になるのが一般的です。費用は全額自己負担になるので、治療費が高額になる傾向があります。
歯科医院によって治療費も異なるので、事前に料金体系は確認するようにしましょう。

汚れが吸着しやすい

シリコンは汚れが残りやすく、手入れを怠るとカンジダ菌などのカビや雑菌が繁殖するリスクがあります。
入れ歯と粘膜の間は、汚れがたまりやすく、不衛生な環境になりやすいです。粘膜に付いた汚れはもちろん、入れ歯に付いた汚れもしっかりと落とすことが必要です。カンジタ菌は、入れ歯のシリコンやプラスチックに残りやすく、カンジタ菌の繁殖した入れ歯を使用し続けると、口腔カンジダ症に罹患するリスクが高くなります。
ほかの入れ歯と同様に、シリコン義歯も毎日の手入れは必要不可欠といえるでしょう。

寿命が短い

シリコン義歯は、入れ歯の内側にシリコンを貼り付けて使用します。プラスチックの入れ歯に貼り付けている形状なので、年数の経過とともにシリコンが剥がれるリスクが高くなるのが一般的です。
万が一、剥がれてしまったら、新しいシリコンに貼り替えるか入れ歯自体を新製する必要があります。状態によりますが、2~5年でシリコンの張り替えや新製をするケースが多く、定期的なメンテナンスが必要な点が大きなデメリットでしょう。

シリコン義歯はこのような人におすすめ

シニアの夫婦が野菜中心の食事を一緒に取っている
シリコン義歯は、以下の悩みがある方におすすめの治療方法です。入れ歯のトラブルでお悩みの方は、ご自身が該当しないかチェックしてみてください。

・食事の際に入れ歯が当たって痛い
・入れ歯がガタつき食事や会話の際に外れる
・食後に入れ歯と歯茎のすき間に食べカスがたくさん詰まる
・ブリッジやインプラントに抵抗がある

シリコン義歯は、痛みや外れやすいなどのトラブルに対して大きな効果があります。また、インプラントのような外科的手術は必要なく、ブリッジのように隣接の歯を大きく削ることもありません。

シリコン義歯の製作費用

机に広げられたお金と電卓、聴診器の医療費イメージ
シリコン義歯は、保険適用外の自由診療です。
シリコン義歯の費用相場は、以下を目安にしましょう。

<シリコン義歯の費用相場>

種類 費用相場
部分入れ歯 100,000〜500,000円
総入れ歯 400,000〜500,000円

シリコン義歯の費用は全額自己負担で、価格設定もクリニックによって異なります。あとでトラブルにならないよう、見積もりを確認し、疑問点は解決するようにしましょう。
また、シリコン義歯は医療費控除の対象です。医療費控除は、自身と同居する家族の1年間の医療費の総額が100,000円を超えた場合、確定申告することで所得控除が受けられる制度です。医療費控除は自身で手続きする必要があります。治療費を少しでも抑えたい方は忘れずに行うようにしましょう。

シリコン義歯のお手入れ方法

青と黄色の2本の歯ブラシとタオル
食事をすると、入れ歯にも食べカスやプラークが付着します。ご自身の歯と同様に、入れ歯も毎日しっかりとお手入れをして清潔に保つことが大切です。
以下で、シリコン義歯の毎日のお手入れ方法の流れを紹介します。

①ブラシで入れ歯の汚れを落とす

口内から入れ歯を外したら、目に見える食べカスなどを流水で洗い流します。義歯用のブラシまたはハブラシを使用して、入れ歯に残るネバネバした汚れ・プラークを除去しましょう。
シリコン義歯は、やわらかい素材を使用しています。硬いハブラシや研磨剤が含まれる歯磨き粉で洗うと、細かい傷が付いてしまいます。細かい傷が付くと、傷のなかで細菌が繁殖してしまうリスクがあるので、注意が必要です。入れ歯を洗う際には、やわらかめのブラシで優しく洗うようにしましょう。

②入れ歯洗浄剤で一晩つけ置きする

就寝時は、入れ歯を外して保管するのが一般的です。保管時は、入れ歯がしっかりと水に浸かる容器を準備しましょう。
シリコン義歯は汚れが吸着しやすいので、入れ歯洗浄剤を使用することをおすすめします。

③入れ歯洗浄剤を流水で洗浄する

朝、洗浄剤から入れ歯を取り出し流水ですすぎます。入れ歯を確認して汚れが残っていたら、ブラシやガーゼで汚れを除去しましょう。
シリコン義歯は、カンジダ菌などのカビや雑菌が付着しやすい性質があります。通常の義歯であれば、入れ歯洗浄剤は週に2〜3回の使用でも問題ありません。
しかし、シリコン義歯の場合は、できる限り毎日使用するようにしましょう。

まとめ

シニアの女性が両手の人差し指を天に向けて笑顔の様子
シリコン義歯は、保険適応の入れ歯で起こりやすい「痛み」「外れやすさ」「噛みにくい」などのトラブルを軽減できる治療法です。やわらかいシリコンを入れ歯の内側に貼ることで、歯茎にしっかりと吸着し、外れにくく噛みやすい・シリコンがクッションの役割をして痛みが出にくいなどの特徴があります。
ただし、シリコン義歯は、汚れが吸着しやすく経年劣化しやすいので、日頃のお手入れや定期メンテナンスが必要不可欠です。
シリコン義歯は、通常の入れ歯とは異なり、保険が適用されません。そのため、費用は高額になる傾向があります。検討する際は、費用面も考慮して選択するようにしましょう。
入れ歯を検討している方は、神戸市東灘区にある木下歯科医院にお気軽にご相談ください。