こんにちは。神戸市東灘区にある木下歯科医院です。
重度の虫歯は、初期段階の虫歯と比べて深刻な症状を引き起こします。痛みが強まるだけでなく、虫歯が歯の神経や歯根に達すると、最悪の場合には歯を失うこともあるでしょう。そのため、重度の状態にまで虫歯が進行した場合は早期に治療を受けることが重要なのです。
この記事では、重度の虫歯の症状や治療法、費用、そして放置した場合のリスクについて詳しく解説します。
虫歯の進行段階
虫歯はどのように進行するのでしょうか。以下に、虫歯の進行段階について解説します。
初期虫歯（C0）
初期段階の虫歯は、エナメル質が溶けはじめている状態で、歯が白く濁ります。この段階では痛みはなく、進行も遅いです。適切なブラッシングやフッ素塗布を行うことで、虫歯の進行を抑えることができます。この段階では治療は不要で、予防ケアが最優先されます。
エナメル質の虫歯（C1）
エナメル質に穴があき始めた状態で、まだ痛みは感じません。歯の表面に黒や茶色の小さな穴が見えることがあります。この段階では、虫歯部分を削り、レジンを詰めて治療します。
象牙質の虫歯（C2）
虫歯が象牙質まで進行すると、冷たいものや甘いものを口にしたときに痛みを感じるようになります。象牙質はエナメル質よりも柔らかいため、虫歯が進行しやすく、早急な治療が必要です。この段階では、虫歯部分を削って詰め物をします。
歯髄にまで進行した虫歯（C3）
虫歯が歯髄（神経）にまで達すると、強い痛みが生じ、冷たいものや熱いものに敏感になります。この段階にまで進行すると根管治療が必要です。歯の神経を取り除き、歯の内部を清掃・消毒したあと、クラウンを被せて歯を保護します。
放置すると炎症が広がり、さらに深刻な問題を引き起こす恐れがあります。
歯根にまで進行した虫歯（C4）
歯の大部分が崩壊し、歯根のみが残った状態です。この段階は虫歯が最も進行した状態で、激しい痛みが伴い、抜歯が必要になる場合があります。抜歯後は、ブリッジやインプラント、入れ歯などで歯を補う必要があります。
重度の虫歯の症状
重度の虫歯とは、初期の虫歯を放置した結果、歯の内部にまで感染が広がり、深刻な症状を引き起こした状態です。進行するほど痛みや不快感が強くなり、最終的には歯を失うリスクも高まります。ここでは、重度の虫歯でよく見られる典型的な症状について解説します。
強い痛みと違和感
重度の虫歯は、歯の神経にまで感染が進行しているため、強い痛みが伴います。
象牙質の虫歯では冷たいものや甘いものを口にしたときに痛みを感じることがありますが、重度の状態になると、何もしていなくても持続的な痛みを感じることがあります。この痛みは、神経の炎症によるものです。
歯の変色や欠損
虫歯が重度の状態にまで進行すると、歯が黒ずんだり茶色く変色したりすることがあります。また、歯の表面が崩れて穴が開き、欠けることもあります。これらの変化は、エナメル質や象牙質が侵され、破壊されていることを示しています。
歯茎の腫れと膿
重度の虫歯が進行すると、感染が歯茎や顎の骨にまで広がり、歯茎が腫れたり赤くなったりすることがあります。また、膿が溜まることもあり、これは感染が広がっている兆候です。膿が溜まると、口の中に苦い味がしたり、口臭が強くなったりすることがあります。
顎や顔の腫れ
感染が顎や顔にまで及ぶと、腫れることがあります。この腫れは、歯の根元に膿が溜まり、周囲の組織に炎症が広がることで引き起こされます。場合によっては、感染が顎の骨にまで達し、さらに深刻な状態になることもあります。
発熱や全身の不調
虫歯が重度の状態にまで進行すると、感染が全身に広がり、発熱や倦怠感といった全身症状が現れることもあります。これは、体が感染と戦う免疫反応によるものです。こうした症状が現れた場合、早急に治療を受ける必要があります。
重度の虫歯の治療法［歯を残せる場合］
重度の虫歯でも、歯の根や周囲の組織が健康であれば、歯を残すことが可能です。
虫歯が歯の神経に達している場合には、根管治療を行います。この治療では、感染した神経や血管を取り除き、内部を清掃・消毒してから、充填材で密封します。その後、歯を補強するために被せ物を装着し、機能と見た目を回復させます。
この治療により、痛みの軽減と同時に、歯を保存することが可能になります。
重度の虫歯の治療法［抜歯になる場合］
虫歯が進行し、歯を保存することが難しい場合には抜歯が必要になります。特に、虫歯が歯の根まで進行している場合や、周囲の骨が著しく損傷している場合は、抜歯が避けられないケースが多いです。ここでは、抜歯が必要な場合の治療法について解説します。
インプラント
インプラントとは、歯を失った箇所に人工歯根を埋め込み、その上に人工歯を装着する治療法です。
天然の歯に近い見た目を再現でき、またしっかり噛めるようになります。顎の骨に埋め込んだ人工歯根の上に人工歯を被せるため、隣接する健康な歯に負担がかからない点もメリットです。
ただし、顎の骨に人工歯根を埋め込むためには手術が必要です。また、治療期間が長くなる点や費用が高額になる点もデメリットといえます。
ブリッジ
ブリッジとは、欠損した歯の両隣の健康な歯を支えにして人工歯を取り付ける方法です。インプラントのように手術の必要がなく、治療期間が短いのがメリットです。
ただし、欠損した歯の両隣の健康な歯を削る必要がある点はデメリットといえます。
入れ歯
入れ歯は、取り外し可能な人工歯です。ブリッジやインプラントよりも費用を抑えられることが多く、手軽に試せる治療法です。
ただし、装着したときにズレることがあるため、噛みにくかったり発音に影響が出たりすることがあります。
重度の虫歯の治療期間と費用の目安
以下に、重度の虫歯の治療期間と費用の目安について解説します。
治療期間
重度の虫歯の治療期間は、虫歯の進行度や選択する治療方法によって異なりますが、一般的に数ヶ月〜1年以上かかることがあります。
虫歯が神経にまで達している場合、根管治療が行われます。根管治療では、根管内をきれいにするために複数回の通院が必要になります。また、抜歯が必要になり、インプラント治療をする場合は3か月〜1年程度かかるでしょう。
費用
重度の虫歯の治療にかかる費用は、治療方法や選択する素材によって異なります。例えば、保険適用の根管治療であれば1回あたり数千円〜1万円程度で済むことが多いですが、自費診療の場合は1本あたり10万円以上かかることもあります。
さらに、抜歯をしてインプラント治療を選択した場合、1本あたり30万円以上かかり、複数本の治療が必要な場合はさらに費用がかかるでしょう。
重度の虫歯の放置リスク
重度の虫歯を放置すると、口腔内だけでなく全身の健康にも深刻な影響を与える可能性があります。ここでは、重度の虫歯を放置することで生じるリスクについて解説します。
歯を失う可能性がある
重度の虫歯を治療せずに放置すると、歯を失う可能性があります。虫歯が歯根にまで進行すると、歯の保存が困難になり、抜歯が必要になるケースが多いです。
感染が広がって痛みが強くなる
虫歯が重度の状態にまで進行しているにも関わらず放置すると、感染がさらに広がって激しい痛みが生じます。また、感染が歯の根元や周囲の組織に広がり、膿が溜まるとさらに痛みが強くなるでしょう。
顎の骨や周囲の組織にまで炎症が広がると、顎骨骨髄炎や蜂窩織炎といった深刻な問題を引き起こす可能性もあります。
全身に影響を及ぼす可能性がある
口腔内で増殖した細菌が血流に乗って全身に広がることがあります。これにより、心筋梗塞や脳梗塞などを引き起こす可能性があるのです。
口臭が発生する
重度の虫歯を放置したことで、口臭が強くなることもあります。これは、歯の崩壊や細菌の繁殖が原因です。口臭が強くなると、人間関係においてネガティブな影響が生じる可能性があります。
咀嚼機能が低下する
重度の虫歯を放置すると、歯が崩れて食べ物をうまく噛むことができなくなる場合があります。しっかり咀嚼しないまま飲み込むと、消化不良を起こして全身の健康状態に悪影響を及ぼすことがあります。
さらに、噛み合わせが悪化することで、ほかの健康な歯にも負担がかかり、二次的な歯のトラブルが発生する可能性もあるでしょう。
まとめ
虫歯を放置すると、歯の神経や歯根にまで感染が広がります。重度の状態にまで虫歯が進行すると、激しい痛みを感じることがあります。最悪の場合には、歯を失うことにもつながりかねません。
虫歯が歯の神経にまで進行している場合には、根管治療を行います。根管治療を行うことでご自身の歯を残すことが可能です。歯の保存が難しい場合は、抜歯が必要になる可能性があります。
虫歯を放置すると、歯を失う可能性が高まるだけでなく、全身の健康にも悪影響を及ぼす可能性があるため、早期に治療を受けることが推奨されます。
虫歯にお悩みの方は、神戸市東灘区にある木下歯科医院にお気軽にご相談ください。
当院では、虫歯・歯周病治療や入れ歯治療、インプラント治療など、さまざまな診療に力を入れています。ホームページはこちら、無料相談も行っておりますので、ぜひご覧ください。
