入れ歯コラムCOLUMN

自費の入れ歯の値段はどれくらい?保険の入れ歯よりも値段が高い理由

こんにちは。神戸市東灘区にある木下歯科医院です。
自費の入れ歯の値段イメージ

入れ歯とは、失った歯を補うための最も一般的な選択肢の一つです。入れ歯には総入れ歯と部分入れ歯の2種類があり、さらにそれぞれ保険適用と自費診療のものがあります。保険適用の入れ歯と自費診療の入れ歯では、特徴や実際にかかる値段などが異なります。

入れ歯を検討している方のなかには「入れ歯をしたいけれど何を選べばいいの?」「保険適用と自費診療で具体的に何が違うの?」といった疑問をおもちの方もいるでしょう。

今回は、入れ歯の種類とそれぞれの値段について解説します。また、保険適用の入れ歯と自費診療の入れ歯の違いや、医療費控除の対象になるかについても解説しますので、入れ歯を検討中の方は、ぜひ参考にしてください。

入れ歯とは?

入れ歯
入れ歯とは、失った歯を補うための人工の歯のことです。取り外し可能な装置で、義歯とも呼ばれます。治療にかかる期間が比較的短く、外科手術が必要ないためさまざまなケースで対応できるのです。また、お手入れが簡単なのもメリットといえるでしょう。

入れ歯には、総入れ歯と部分入れ歯の2種類があり、さらに保険適用の入れ歯と自費診療の入れ歯があります。保険診療で作製可能な入れ歯は、使用できる材料が限られているのです。また、入れ歯作製後6か月間は作り直しができないという保険上での決まりがあります。

総入れ歯と部分入れ歯について、それぞれ詳しく解説します。

総入れ歯

総入れ歯は、すべての歯を失った場合に使用される入れ歯です。値段が安く、また治療の負担が少ないのが特徴といえるでしょう。

一方で、噛む力が本来の歯と比べると低下すること、また経年劣化しやすいということがデメリットとして挙げられます。痛みや違和感が生じやすいことや外れる可能性があること、滑舌が悪くなることもデメリットでしょう。

保険適用の総入れ歯は、レジンというプラスチックの材料と人工の歯でできています。

一方、自費診療の総入れ歯は、床の部分がプラスチックではなく金属です。薄い金属であることから、保険適用の総入れ歯より違和感が少ないのが特徴といえます。

ただし、金属アレルギーの原因となる可能性があるため注意しましょう。

部分入れ歯

部分入れ歯は、一部の歯が欠損している場合に適している入れ歯です。残っている歯にバネを引っかけて装着します。部分入れ歯のメリットは値段が安く、治療の負担が少ないことです。

しかし、残っている歯に引っかける金具が目立つことや、寿命が短いことはデメリットといえるでしょう。

保険適用の部分入れ歯は、クラスプという金属製のバネとレジンというプラスチック、そして人工の歯を用いて失った部分の歯を補います。

一方、自費診療の部分入れ歯には、ノンクラスプデンチャーやシリコン入れ歯、磁性アタッチメント入れ歯などがあります。

ノンクラスプデンチャーでは金属製のバネは使用しません。薄くて軽い弾力性のある樹脂を使用しており、審美性にも優れています。シリコン入れ歯は、床の一部がシリコンでできています。シリコンの床がクッションとなり、噛むときの痛みを軽減できるのです。

自費診療の入れ歯の値段

自費の入れ歯の値段イメージ
自費診療の入れ歯の値段は、150,000~800,000円程度が相場です。自費診療では一律の決まりなどがないため、歯科医院によって実際にかかる値段は大きく異なります。

自費診療の入れ歯の値段を、具体的に見ていきましょう。

床が金属製の入れ歯

歯茎に触れる部分である床が金属製の入れ歯の相場は、部分入れ歯で300,000~600,000円程度、総入れ歯で500,000~800,000円程度です。

ノンクラスプデンチャー

ノンクラスプデンチャーは、先述したとおり金属製のバネであるクラスプがない入れ歯のことを指します。値段の相場は、部分入れ歯のみで80,000~300,000円程度です。

シリコン入れ歯

シリコン入れ歯は、歯茎に触れる部分がシリコンでできている入れ歯のことを指します。値段の相場は、部分入れ歯で100,000~500,000円程度、総入れ歯で400,000~500,000円程度です。

自費診療の入れ歯は、高品質な材料や精密な製造工程により、快適なフィット感が実現できます。一人ひとりの状態に合わせたカスタマイズなどの要素が含まれているといえるでしょう。

これらのことから、保険適用の入れ歯と比較すると値段が高くなる傾向にあります。自費診療の入れ歯は、患者さんの希望や生活の状況、経済面などを考慮し、最適な選択をする必要があるのです。

保険適用の入れ歯の値段

保険の入れ歯の値段イメージ
保険適用の入れ歯は、審美性や耐久性よりもコストを重視しているといえます。部分入れ歯の一般的な値段は5,000~15,000円程度、また総入れ歯の値段は15,000円程度が相場です(患者さんが3割負担する場合)。

保険の範囲で作る入れ歯は、主にアクリルレジンという材料を使用して作製されます。アクリルレジンはプラスチックの一種です。修理がしやすい反面、強度や耐久性には劣ります。また、プラスチックは熱を通しにくいという特徴があるため、食事の際に食べ物の温度を感じにくいでしょう。

保険適用の入れ歯は、自由診療のようにこだわって作ることはできません。予算内で作られ、一般的な素材や基準に従っているため、自費診療の入れ歯よりも値段が安い傾向にあります。

保険適用であるため費用が抑えられる点や、完成までの工程が少ないことから通院回数が少ない点はメリットといえるでしょう。

保険適用の入れ歯に比べて自費診療の入れ歯の値段が高い理由

自費の入れ歯の値段が高い理由を考える女性
自費診療の入れ歯は、専門的な知識・技術・経験をもった歯科医師と歯科技工士が時間をかけて作ります。そのため、全体的に値段も高くなるのです。

また、自費診療は保険適用の制約から解放され、多様な高品質の材料を選択できます。患者さん一人ひとりの希望に合わせてさまざまな選択肢から選べるため、入れ歯の装着感や機能性が向上し、食事の際の咀嚼もしっかりとサポートできるのです。

このように、自費診療の入れ歯は高品質な素材やカスタマイズされた装着方法によって保険適用の入れ歯より値段が高くなっています。また、経験豊富な歯科医師や技術者が関与することも、値段を引き上げる要因といえるでしょう。

自費診療の入れ歯でも医療費控除の対象になる?

医療保険イメージ
自費診療の入れ歯でも、医療費控除の対象になります。入れ歯は歯の欠損を補うため、医療の一つであるとみなされるのです。

ただし、すべての症例で医療費控除が適用されるわけではないため注意しましょう。自費診療の入れ歯の場合、治療を始める前に歯科医師に「機能回復目的」で診断書を書いてもらえるかなどを確認しておくと安心でしょう。

基本的には、1年間の医療費の合計額が100,000円以上(所得が2,000,000円以下の場合には総所得の5%)の場合に申告できます。不明点がある場合や正確な情報を入手したい場合には、お住まいの地域の税務署や関連する公的機関に問い合わせましょう。

まとめ

入れ歯
今回は、保険適用の入れ歯と自費診療の入れ歯の違いや、それぞれの値段について解説しました。

どのような入れ歯を選択するのかは、患者さん一人ひとりの状況によって異なります。歯が残っているのか、それともまったく歯がないのかによっても治療の方法が異なるのです。

保険適用の入れ歯と自費診療の入れ歯には、それぞれメリットとデメリットがあります。それぞれのメリット・デメリットをしっかりと理解し、ご自身に合った最適な選択をしましょう。

自費の入れ歯は高価な場合が多いですが、その代わりに高品質な材料や個々に合ったカスタマイズされた治療を受けられるのがメリットです。また、医療費控除の対象になる場合もあるため歯科医師に確認するとよいでしょう。

入れ歯を検討している方は、神戸市東灘区にある木下歯科医院にお気軽にご相談ください。