入れ歯コラムCOLUMN

入れ歯のお手入れの重要性と正しいお手入れ方法について解説!

こんにちは。神戸市東灘区にある木下歯科医院です。
白い台の上に入れ歯が置かれている

入れ歯のお手入れは毎日欠かさずおこなっているけれど、入れ歯はお手入れが必要なのか疑問に感じてはいませんか。お手入れを面倒に感じて「やらなくてもいいのでは」と思う方もいるでしょう。
しかし、歯科医院で入れ歯を作成すると必ずお手入れをするように指導があります。
本記事では、入れ歯のお手入れがなぜ必要なのか、入れ歯のお手入れの重要性や正しい入れ歯のお手入れ方法、入れ歯に違和感をおぼえた際にすべきことを解説します。入れ歯のお手入れに疑問を感じている方は、ぜひ参考にしてみてください。

入れ歯のお手入れの重要性

白いセーターを着た女性が口のもとを隠している

入れ歯のお手入れは必要なのでしょうか。自分の歯ではないので虫歯や歯周病の心配もなく、お手入れを怠っている方も少なくないと思います。
しかし、入れ歯のお手入れを怠るとさまざまなリスクがあり注意が必要です。入れ歯のお手入れは、お口の健康を守るために必要不可欠といえるでしょう。入れ歯のお手入れが重要といわれる理由は、以下の4つです。

 

・口臭の原因になる

・口内炎の原因になる

・肺炎の原因になる

・部分入れ歯の場合、虫歯・歯周病の原因になる

 

以下に、解説していきます。

 

口臭の原因になる

入れ歯のお手入れを怠ると口臭の原因になります。入れ歯も天然歯と同じように食事をすると「入れ歯の表面」や「入れ歯と歯茎との間」に食べカスやプラークが蓄積されます。プラークは、細菌の塊です。入れ歯の周りにプラークが多く残ると、プラークのなかにある細菌から発生するメチルメルカプタン・硫化水素などのガスの影響で強い口臭がします。
保険の入れ歯は、レジンといわれるプラスチックを材料に使用します。レジンは傷付きやすく吸収性も高いので、汚れが残りやすいです。プラークは、蓄積され時間が経つと歯石へと変化します。歯石は、細菌が石灰化してできたものなのでハブラシで落とすことができません。表面がザラザラとした形状なのでプラークが付着しやすく、口内環境を悪化させる原因になります。また、歯石は入れ歯が合わなくなる原因にもなるので、歯石になる前にしっかりとブラッシングして食べカスやプラークを落とすように心がけましょう。

口内炎の原因になる

入れ歯は、食事をすると入れ歯と歯茎が接する部分の隙間に食べ物のカスが入り込みやすいです。食べカスをそのままにしておくとプラークとなり、多くの細菌が入れ歯と歯茎との隙間部分に生息してしまいます。
なかでも「カンジダ」といわれる細菌が増殖すると、口内炎を引き起こす原因になるといわれています。カンジダが原因の場合、口内を清潔に保つことで予防できるので食後は入れ歯を外して洗浄することがポイントでしょう。外出先で洗浄することが難しい場合は、入れ歯を外して流水で洗う・うがいをするだけでも効果的です。

肺炎の原因になる

入れ歯にプラークなどの汚れが付着していると、肺炎の原因となる可能性があります。要介護認定を受けている高齢者の場合、飲食物が食道ではなく気管に流れ込んでしまう「誤嚥」を起こすリスクが高いです。誤嚥が起きた際に、飲食物とともに入れ歯に付着していた細菌も気管に流れ込むと、口内の細菌が原因で「誤嚥性肺炎」を起こすケースがあります。
入れ歯を使用している方は、天然歯のみの方と比較して誤嚥性肺炎のリスクが高いです。要介護認定を受けている方は、自分で入れ歯のお手入れをおこなうことが難しい場合もあるので介護者など周りの方がサポートする必要があるでしょう。

部分入れ歯の場合、虫歯・歯周病の原因になる

部分入れ歯は、支えとなる歯に金属の留め具をつけて使用します。部分入れ歯は、金属の留め具部分や入れ歯と隣接する歯との間に食べカスが溜まりやすいです。飲食後、お手入れをせずに入れ歯をつけたままで過ごすとプラークが形成されます。プラークは、虫歯や歯周病に罹患する大きな原因の1つです。そのため、長期間にわたってプラークが付着した状態が続くと、金属の留め具部分や隣接の歯が虫歯・歯周病に罹患する可能性が高くなります。
入れ歯のお手入れはもちろん、留め具部分や入れ歯と接する隣接の歯もハブラシや補助清掃用具を使用して、汚れを除去するようにしましょう。

入れ歯のお手入れ方法
白い台の上に2本の歯ブラシが置かれている

入れ歯のお手入れは、口内や全身の健康を保つためには必要不可欠です。

しかし、お手入れ方法が間違っていると、毎日しっかりとお手入れしているにもかかわらず、汚れが残っていたり入れ歯に傷が付いてしまったりする場合があります。ここでは、入れ歯の適切なお手入れ方法を解説していきます。

毎食後のお手入れ方法

入れ歯のお手入れは、基本的には毎食後におこなうようにしましょう。
入れ歯を外し、流水下で「入れ歯用ブラシ」または「ハブラシ」を使用して清掃します。清掃する際に、研磨剤が含まれる歯磨き粉を使用すると、入れ歯に細かい傷がついてしまいます。傷がつくと細菌の繁殖や着色の原因にもなるので、入れ歯の清掃に歯磨き粉は使用しないようにしましょう。入れ歯の汚れは「入れ歯の裏側」「部分入れ歯の場合、金属の留め具部分」に残りやすいです。清掃する際は、ネバつきが残ってないか確認して、確実に汚れを除去しましょう。
なお、入れ歯は衝撃に弱く落とすと破折してしまう場合があるため、取り扱いには注意が必要です。洗面器などに水を張って、落としても問題ない環境下で清掃することをおすすめします。

就寝前のお手入れ方法

入れ歯は、衛生面や歯茎への負担を軽減させるために、就寝中は外すことが一般的です。就寝前のお手入れは、食後におこなうお手入れに加えて、入れ歯洗浄剤を使用しましょう。
入れ歯洗浄剤は、ブラシでは取りきれない汚れを分解する効果や除菌・消臭効果が期待できます。入れ歯を清潔に保つためにも、週2〜3回の使用がおすすめです。入れ歯洗浄剤を使用したあとは、流水下でブラシを使用して軽く清掃します。清掃が完了したら、入れ歯専用のケースやコップなどの容器に水を張って保管しましょう。
入れ歯は乾燥に弱く、長時間乾いた状態が続くと変形やヒビ割れの原因になります。就寝中はもちろん、長時間外す場合は必ず水に浸けるなど、湿った状態が保てるように保管する必要があります。

入れ歯に違和感をおぼえたときは

歯の模型に作業員の人型フィギュアが置かれている

入れ歯を使用していると違和感をおぼえることがあると思います。入れ歯を使用しているときに「歯茎に痛みがある」「噛み合わせに違和感がある」「入れ歯がすぐに外れる・外れにくい」などの症状がある場合は、早めに歯科医院を受診して口内と入れ歯の確認をしてもらいましょう。
口内や入れ歯の状態は、何月の経過とともに絶えず変化するのが一般的です。変化にともない、入れ歯と口内の調和が崩れると違和感としてあらわれます。入れ歯を快適に使用するためには、ご自身による毎日のお手入れはもちろん、歯科医院を定期的に受診して入れ歯の状態を確認してもらうことも大切です。変化する口内の状態にあわせて入れ歯を調整していけば、入れ歯の寿命を伸ばすことも期待できるでしょう。
まれに、ご自身で入れ歯を直そうとする方がいらっしゃいますが「入れ歯の破損」や「噛み合わせの不調和」など、さまざまなリスクがともないます。そのため違和感がある場合は、必ず歯科医院を受診しましょう。


まとめ

高齢男性が歯科医院で治療を受けている

入れ歯のお手入れは口内や全身の健康を保つために、毎日欠かさずおこなう必要があります。
入れ歯はレジンと呼ばれるプラスチックでできているので、天然歯と比較して表面に汚れが残りやすいです。また、入れ歯は歯茎と接する部分に隙間が生じるので食べカスが入り込みやすい特徴があります。お手入れを怠っている方の口内は、不衛生な状態になるので口臭や口内炎・肺炎・虫歯や歯周病になるリスクが高いです。入れ歯を快適に使用するためにも、毎日欠かさず適切な方法でお手入れするようにしましょう。
ただし、入れ歯はしっかりとお手入れをおこなっていても違和感をおぼえる場合があります。年月の経過とともに、口内や入れ歯が変化するのが原因です。歯科医院で口内と入れ歯を確認してもらい、入れ歯を調整してもらうと改善されます。長く入れ歯を使い続けるために、定期的に歯科医院で口内と入れ歯を確認してもらうようにしましょう。入れ歯を検討している方は、神戸市東灘区にある木下歯科医院にお気軽にご相談ください。