こんにちは。神戸市東灘区にある木下歯科医院です。
入れ歯を使用している方の悩みのひとつが口臭です。入れ歯を使用するようになってから口臭が気になるようになったという方も少なくありません。そもそも入れ歯には口臭がきつくなる原因が多くあります。
入れ歯による口臭を予防するためには、口臭が発生する原因を知ることが重要です。
今回は、入れ歯によって口臭がきつくなる原因や、口臭を予防する方法について解説します。
入れ歯によって口臭がきつくなることはある?
入れ歯によって口臭がきつくなることはあります。
主な原因は、以下の4つです。
・汚れの付着
・お口の中の乾燥
・お手入れ不足
・保険の入れ歯を使用している
詳しく解説します。
汚れの付着
入れ歯によって口臭がきつくなる最大の原因は、入れ歯に汚れが付着したままになっていることです。入れ歯で食事をすると、食べ物の残りカスなどの汚れが付着することは避けられないでしょう。
汚れをきれいに洗浄せずに使用をつづけると、歯垢(プラーク)という細菌のかたまりが付着します。この細菌が口内に残った食べカスに含まれるタンパク質を分解し、臭いを発生させるのです。
お口の中の乾燥
お口の中が乾燥していると口臭がきつくなることがあります。
唾液の分泌量は年齢を重ねるとともに減少するため、入れ歯を使用する年齢になるとお口の中が乾燥しやすくなることがあります。服用している薬の副作用でお口の中が乾燥することもあるでしょう。
唾液には抗菌作用や自浄作用があるため、唾液の分泌量が減り、お口の中が乾燥すると細菌が増殖して、口臭がきつくなることがあるのです。
お手入れ不足
入れ歯と自身の歯のお手入れ不足も口臭がきつくなる原因です。毎日入れ歯に付着した汚れを歯ブラシなどできちんと落としていても、口臭が気になることがあるでしょう。この場合、お手入れが十分にできていない可能性があります。
保険の入れ歯を使用している
保険の入れ歯は、レジン(歯科用プラスチック)で作られています。レジンには傷がつきやすいという特徴があります。傷がついた部分に細菌が入り込み、増殖するとにおいを発生させることがあるのです。
入れ歯による口臭を予防する方法
入れ歯による口臭を予防する方法は、以下の5つです。
・食後は入れ歯を洗う
・お口の中の清潔を保つ
・お口の中の乾燥を防ぐ
・歯科医院で定期検診を受ける
・自費の入れ歯を検討する
詳しく解説します。
食後は入れ歯を洗う
食事を終えたら入れ歯を外して洗うことが理想です。
食後は入れ歯に多少なりとも汚れが付着しています。入れ歯に付着した汚れを水道水で流しながら指や柔らかいブラシなどで洗いましょう。部分入れ歯の場合は、金属のバネ(クラスプ)の部分に汚れが残りやすいので、特に丁寧に洗ってください。
外出先などで洗うことが難しい場合でも、就寝前にはしっかりと洗う習慣をつけて、汚れを翌日に持ち越さないようにしましょう。
また、入れ歯を洗うときは、水を張った洗面器などを用意して排水溝への落下や破損を防ぎましょう。
お口の中の清潔を保つ
入れ歯による口臭を防ぐためには、入れ歯だけではなくお口の中の清潔を保つことが大切です。
入れ歯を外して洗うときには、自身の歯の歯磨きやうがいも一緒に行いましょう。歯や口の中に汚れが残ったまま入れ歯を装着すると、入れ歯が汚れる原因にもなります。
舌に付着した汚れも口臭の原因のひとつです。舌ブラシなどを使用して清掃することで、舌の清潔を保てます。
お口の中の乾燥を防ぐ
お口の中の乾燥を防ぐことも口臭を予防するうえでは大切です。
唾液が出やすくなるマッサージやお口の運動を実践すること、お水やお茶をこまめに飲むことでお口の中の乾燥を予防できます。口呼吸が習慣になっている場合は、意識して改善しましょう。
それでもお口の中の乾燥が気になる場合は、お口の中を保湿するジェルなどを使用することも方法のひとつです。
歯科医院で定期検診を受ける
歯科医院で定期検診を受けることも重要です。口腔内は日々変化しているため、それに合わせて入れ歯も調整する必要があります。
口腔内が変化すると入れ歯と歯茎との間に隙間ができ、口臭の原因となる汚れが溜まりやすくなります。入れ歯を調整してもらうことで、入れ歯がしっかりとフィットするようになり、汚れが溜まりにくくなるため、口臭が発生しにくくなるでしょう。
また、歯科医院の定期検診では口腔内のクリーニングと入れ歯の洗浄も受けられます。ふだんの歯磨きでは落としきれない汚れを除去してもらえるため、口臭予防にもつながるでしょう。
入れ歯と口腔内の清潔を保ち、口臭を予防するためには、毎日丁寧にお手入れを行い、定期検診を受けることが重要なのです。
自費の入れ歯を検討する
自費の入れ歯を検討することもひとつの方法です。
自費の入れ歯には金属を使用したものやセラミックを使用したものなど、さまざまな素材があります。歯茎にしっかりとフィットする素材や汚れがつきにくい素材を選択することで口臭を予防できるでしょう。
また、自費の入れ歯は保険の入れ歯に比べてしっかりと噛めるという特徴があります。しっかり噛めるようになると、唾液の分泌量の低下を防ぐことにもつながるでしょう。
入れ歯のお手入れをするときの注意点
入れ歯をお手入れするときは、以下の5つのことに注意しましょう。
・歯磨き粉を使用しない
・かための歯ブラシを使用しない
・熱湯を使用しない
・漂白剤に浸けない
・乾燥させない
詳しく解説します。
歯磨き粉を使用しない
歯磨き粉には研磨剤が含まれているため、歯磨き粉を使用して入れ歯を洗うと表面に細かい傷がつくことがあります。入れ歯に細かい傷がつくと、汚れや細菌が蓄積してにおいの原因となるのです。
歯磨き粉は天然歯を磨くために作られているため、入れ歯を洗浄する際には使用できません。流水で洗うだけでは汚れやにおいが気になる場合は、入れ歯専用の洗浄剤を使用するとよいでしょう。
かための歯ブラシを使用しない
入れ歯のお手入れをするときは、かための歯ブラシは使用しないようにしましょう。かための歯ブラシを使用して入れ歯を洗うと傷がつく原因になります。入れ歯専用のブラシを使用して優しく洗いましょう。
熱湯を使用しない
入れ歯は熱に弱いため、熱湯をかけたり、熱湯に浸けたりすると変形や変色する可能性が高いです。一度変形・変色した入れ歯はもとに戻せないため、熱湯の使用は避けましょう。入れ歯を洗浄する際は、水かぬるま湯を使用してください。
漂白剤に浸けない
入れ歯を漂白剤に浸けることも避けましょう。
漂白剤には黄ばみやにおいを落とす効果がありますが、入れ歯の黄ばみやにおいには効果がありません。入れ歯を漂白剤に浸けると余計に変色する可能性や変形を引き起こす可能性があります。
乾燥させない
入れ歯は乾燥させないようにしましょう。入れ歯が乾燥するとひび割れや変形の原因となります。入れ歯を外して保管する際は、水を張ったコップなどに入れて乾燥を防ぎましょう。
まとめ
入れ歯によって口臭が発生する原因には、入れ歯のお手入れ不足や口内の乾燥などが挙げられます。
入れ歯による口臭を予防するためには、毎日しっかりとお手入れを行い入れ歯と口腔内を清潔に保つことが重要です。
また、歯科医院で定期検診を受け、入れ歯の洗浄や調整、口腔内のクリーニングを受けることも入れ歯による口臭を予防するうえでは非常に重要といえます。
入れ歯と口腔内のケアをしっかりと行い、快適に入れ歯を使い続けられるようにしましょう。
入れ歯を検討している方は、神戸市東灘区にある木下歯科医院にお気軽にご相談ください。