入れ歯コラムCOLUMN

入れ歯が合わないのはなぜ?歯ぐきの痛み・ズレの原因と対策5つ

こんにちは。神戸市東灘区にある木下歯科医院です。
白い背景の前に上の歯の入れ歯が置かれている

入れ歯を入れると歯ぐきが痛む、食事のたびに外れるといった違和感でお悩みではないでしょうか。せっかく作った入れ歯が使いにくいと、毎日の食事が大きなストレスになってしまいますよね。

合わない入れ歯を我慢して使い続けると、口内炎や噛み合わせの乱れ、さらには全身の健康にまで悪影響を及ぼす恐れがあります。

この記事では、入れ歯が合わなくなる根本的な原因や自宅での応急対応について分かりやすく解説します。痛みや不具合を解消し、再び食事を楽しみたい方はぜひ参考にしてください。

受診を急ぐ目安と危険サイン

入れ歯が合わなくて悩んでいる女性
入れ歯の違和感には「慣れ」で落ち着くものもありますが、様子見が危険なケースもあります。特に痛みや外れやすさは、放置すると傷が深くなったり、噛み合わせが崩れたりしやすいため、早めの判断が大切です。

早めの受診が必要な症状

入れ歯を入れただけで強い痛みが出る場合や、噛むたびに同じ場所が刺さるように痛む場合は、入れ歯の一部が強く当たっている可能性があります。

また、口内炎が繰り返しできる、出血が続く、食事がほとんど取れないといった状態は、調整が必要なサインです。部分入れ歯で「飲み込みそうになる」「会話中に外れそうになる」など誤飲が心配な場合も、受診を急いだ方が安全です。

様子見が許容されやすいケース

新しく入れ歯を作った直後は、口の中の感覚が変わるため、軽い違和感や話しにくさが出ることがあります。

この場合でも、痛みが強い、日ごとに悪化する、2週間程度たっても改善しないときは、慣れではなく調整不足の可能性が高くなります。無理に使い続けず、歯科医院で確認を受けてください。

受診時に伝えると診断が早くなる情報

痛む場所や外れやすいタイミングは、調整の重要な手がかりになります。食事のときだけ痛いのか、装着しただけで痛いのか、どの食べ物で外れやすいのかをメモしておくと、原因の切り分けがしやすくなり、調整の精度も上がります。

入れ歯が合わなくなる主な原因

入れ歯がずれてしまった人
入れ歯が合わないと感じる背景には、入れ歯側の問題と、お口の中の変化の両方が関係します。原因を大きく整理しておくと、対処法の選び方がわかりやすくなります。

入れ歯の形や噛み合わせのずれ

入れ歯は歯ぐきの形に合わせて作りますが、人工物である以上、最初から完全に誤差ゼロにはなりません。

床と呼ばれる歯ぐきに触れる部分の当たり方や、人工歯の高さが少し違うだけでも、痛みや外れやすさ、発音のしにくさにつながります。新製直後に調整が必要になりやすいのは、この誤差を少しずつ減らしていくためです。

お口の中の形の変化

歯を失った部分の顎の骨は、時間とともに少しずつ痩せる傾向があります。骨が痩せると歯ぐきの形も変わり、以前は合っていた入れ歯でも隙間ができて動きやすくなります。

加齢による頬や舌の筋力低下も、噛みにくさや頬舌を噛む原因になることがあります。

入れ歯の摩耗や汚れによる影響

人工歯は多くの場合プラスチックで、長年使うとすり減って噛み合わせの高さが変わります。噛み合わせが低くなると、頬がたるみやすくなり、頬を噛む頻度が増えることもあります。また、入れ歯に汚れが固着すると、わずかな厚みの変化でも当たり方が変わり、痛みや違和感の原因になります。

入れ歯のトラブルの原因と対処法

入れ歯のトラブルの原因と対処法する歯科医師

入れ歯を使用しているとトラブルに見舞われる可能性があります。

入れ歯のトラブルとして挙げられるのは、以下の5つです。

・歯茎が痛い
・入れ歯が外れやすい
・頬や舌を噛んでしまう
・飲食物の温度や味を感じにくい、吐き気がする
・発音がしにくい

ここでは、入れ歯のトラブルと原因・対処法を解説していきます。

歯茎が痛い

入れ歯を使用すると歯茎に痛みを感じる方がいます。

・入れ歯を入れるだけで痛い
・食事などものを噛んだときに痛い

入れ歯が合わないと感じている方は、このような痛みのトラブルを抱えているケースが多いです。

原因

歯茎に痛みを感じる原因は、入れ歯と歯茎の形状が合っていないことが考えられます。入れ歯は歯茎の形に合わせて製作するため、形状が合っていれば、痛みもなく快適に過ごすことが可能です。

しかし、合わない入れ歯を使用していると一部分の歯茎に入れ歯が強く当たってしまいます。強く当たっている部分の歯茎が擦れて傷ついてしまうと、さらに痛みを感じやすくなるでしょう。

以下のケースは、トラブルが起こりやすいため注意が必要です。

・入れ歯を新製したとき
・長年、同じ入れ歯を使用している

入れ歯は、歯茎の形に合わせて製作しますが、人工物のため多少の誤差がみられます。入れ歯を新製した際は、噛み合わせのバランスや歯茎に当たっている部分を調整して、徐々に誤差をなくしていくのが一般的です。入れ歯が合うまでには、何度か調整する必要があるため、入れ歯を新製したときは、痛みや違和感が出やすいでしょう。

また、長年同じ入れ歯を使用している方も注意が必要です。個人差はありますが、口の中は常に変化しています。加齢とともに顎の骨が減少してしまうと、歯茎も痩せて下がります。歯茎が下がると、入れ歯と歯茎との間に隙間が生じるため、歯茎が痛い・食べカスが隙間に入り込むなどのトラブルの原因になるでしょう。

対処法

入れ歯が合わず歯茎に痛みが出ている場合、歯科医院で入れ歯を調整してもらうと解消されるでしょう。

長年入れ歯を使用している方は、入れ歯の新製が必要な場合もあります。何度か通院が必要になるケースもありますが、入れ歯と歯茎の形状が合えば症状は改善されるため、歯科医院を受診して確認してもらいましょう。

入れ歯が外れやすい

入れ歯が食事や口を動かしたときに頻繁に外れてしまう場合があります。

原因

総入れ歯の場合、入れ歯の床部分の面積が小さすぎたり大きすぎたりすると外れやすくなるでしょう。総入れ歯は、入れ歯と歯茎がしっかりと吸着することで安定性を保っています。小さすぎる入れ歯は歯茎に吸着する面積が小さくなるため、吸着力が弱くなりやすいです。

一方、大きすぎる入れ歯は、頬の粘膜まで入れ歯が当たってしまうと、口を動かすたびに入れ歯が浮いて外れてしまう可能性があります。また、噛み合わせが合っていない入れ歯を使用していると、安定性が失われるため外れやすくなるでしょう。

部分入れ歯の場合は、入れ歯の支えとなる歯にかけるバネが、使用している間に少しずつ緩みます。バネが緩むと、食事などで力がかかったときに外れる原因になります。

対処法

総入れ歯で入れ歯が小さすぎる場合は、材料を足して入れ歯の床を大きくします。

一方、入れ歯が大きすぎる場合は、頬の粘膜に当たっている部分を削って調整します。調整しても入れ歯がすぐに外れるようであれば、新製してご自身に合う入れ歯を製作する方法が一般的です。また、加齢などで歯茎が痩せて入れ歯と歯茎との間に隙間が生じているケースでは、入れ歯の内側部分に材料を足して隙間を埋めていきます。

部分入れ歯のバネが緩んでいるときは、バネを調整したりバネ部分だけ新製したりすると解決する場合が多いです。

頬や舌を噛んでしまう

総入れ歯や奥歯に入れ歯が入っている方のなかには、舌や頬を噛んでしまい痛みが出たり、口内炎ができてしまう場合があります。

原因

頬や舌を噛んでしまうトラブルは、主に3つの原因があります。

・入れ歯を新製したとき
・加齢の影響
・噛み合わせの高さの変化

頬や舌を噛むトラブルは、入れ歯を新製した際に多く起こります。

入れ歯は歯茎を覆うため、口の中の感覚が大きく変化します。入れ歯に慣れていないと、食事をした際にうまく食べ物を回すことが難しくなり、頬や舌を噛むひとつの原因になるでしょう。特に、保険診療で製作する入れ歯は厚みがあるため、頬や舌を噛むトラブルが起きやすいです。

しかし、中には同じ入れ歯を使用している場合でも、舌や頬を噛んでしまう方もいます。入れ歯に使用している歯(人工歯)はプラスチック製である場合がほとんどです。長年入れ歯を使用していると、経年劣化で人工歯がすり減り、噛み合わせが低く変化します。噛み合わせの高さが失われた分、頬にたるみができるため、頻繁に頬を噛むようになってしまう場合もあるでしょう。

また、加齢によって頬のハリがなくなったり、舌の筋力が低下したりすると頬や舌を噛みやすくなります。

対処法

入れ歯を新製した場合は、時間の経過とともに舌や頬が入れ歯に慣れてくるため、少しずつ噛む頻度が減ってくるでしょう。

しかし、2週間以上経過しても頻繁に舌や頬を噛む場合は、入れ歯が合っていない可能性があります。このような場合は、歯科医院を受診して調整してもらうようにしましょう。入れ歯の経年劣化が原因の場合は、噛み合わせの調整や新製をすることで改善されるケースがほとんどです。特に、総入れ歯の方は虫歯・歯周病のリスクがないため、歯科医院を受診する機会が少なくなります。

歯茎や口周り、舌の状態は絶えず変化するため、定期的に歯科医院を受診して、入れ歯が合っているか確認してもらうことが必要です。

飲食物の温度や味を感じにくい、吐き気がする

入れ歯を入れると、飲食物の温度を感じにくくなったり、味がわかりにくくなったりします。また、総入れ歯の方や奥歯を複数本失って大きな入れ歯が入っていると、敏感な方は吐き気をもよおす場合があります。「温度や味を感じない」「吐き気がある」などのトラブルがあると食事を楽しめず、苦痛に感じてしまう場合もあるでしょう。

原因

歯を複数本失うと、入れ歯の床も大きくなるのが一般的です。入れ歯の床が大きくなると、歯茎が覆われる面積が増えるため、飲食物の温度や味が伝わりにくくなってしまいます。保険適用のプラスチック製の入れ歯は、熱伝導率が低く温度が伝わりにくいため、食事の際に違和感をおぼえる方が多いです。

また、保険適用の入れ歯は、強度を保つために分厚い作りになります。口の中の感覚が敏感な方は、分厚い入れ歯を異物と感じてしまい、吐き気をもよおす場合があるでしょう。特に、上顎に総入れ歯などの大きな入れ歯が入っている方は、症状が出やすいです。

対処法

温度や味を感じにくく違和感をおぼえる場合、調整だけでは改善が難しいです。自費治療の金属製の入れ歯であれば熱伝導率が高いため、飲食物の温度を感じやすく違和感が軽減します。また、インプラント治療は自身の歯と同じような感覚で使用できるため、噛み心地や温度を今まで通り感じたいと考えている方は検討してみてもよいでしょう。

吐き気は、入れ歯を新製した際に現れやすい症状です。口の中が入れ歯になれると改善することが多いため、1〜2週間ほど様子をみるようにしましょう。それでも症状が改善されない場合は、入れ歯を調整していきます。調整しても日常生活に支障をきたすほどの症状がある場合は、ブリッジや自費治療の金属製の入れ歯・インプラントなど別の治療法を考える必要があるでしょう。

発音がしにくい

総入れ歯や前歯に入れ歯が入ると、発音しにくいと感じたり、発音が不明瞭になり周囲の方が聞き取りにくいと感じたりする場合があります。

原因

入れ歯を初めて入れた方や新しく入れ歯を新製した方は、口内が入れ歯に慣れていないことが原因の可能性が高いです。

入れ歯を入れると、舌を動かすスペースが狭くなります。スペース不足から舌をうまく動かせず「発音しにくい」「喋りにくい」と感じてしまうことが考えられます。また、分厚すぎたり入れ歯と自分の歯との間に無駄な隙間があったり、合っていない入れ歯を使用している場合も発音に支障をきたします。

対処法

入れ歯を初めて使う方や新しく新製した方は、時間の経過とともに舌やお口の周りの筋肉が入れ歯に慣れて改善するケースが多いです。

しかし、入れ歯が合っていない場合は、調整する必要があります。調整して入れ歯に慣れれば改善する場合が多いですが、改善がみられない場合は、自費の入れ歯、インプラントやブリッジなど、別の治療法を考える必要があるでしょう。

自宅でできる応急対応とNG行動

入れ歯の洗浄
歯科医院での調整が基本ですが、受診までの間にできることを知っておくと、痛みの悪化やトラブルを減らしやすくなります。反対に、自己流での対処が状態を悪くすることもあるため注意が必要です。

受診までにできる応急対応

まず、入れ歯とお口の中を清潔に保つことが大切です。汚れが付いたままだと当たりが強く感じたり、炎症が起きやすくなったりしますので、入れ歯は外して洗浄し、歯ぐきや舌もやさしく清掃してください。

痛い場所がある場合は、どこがいつ痛むのかを記録し、可能なら鏡で赤くなっている場所を確認しておくと、受診時の調整がスムーズです。

食事がつらいときは、硬いものや粘着性の強いものを避け、左右均等に噛む意識を持つと入れ歯が片側だけ浮くのを減らせることがあります。

また、熱い飲食物で粘膜が刺激されると痛みが増すことがあるため、温度にも配慮してください。入れ歯を外したまま食事を続けると噛む機能が落ちたり、誤嚥のリスクが上がったりする場合があるため、外すかどうかは症状の程度と安全性を踏まえて歯科医院で相談するのが望ましいです。

入れ歯安定剤の扱い方

入れ歯安定剤は、歯ぐきが痩せて隙間ができた場合などに、一時的に動きを抑える目的で使われることがあります。

ただし、安定剤で無理に固定すると、当たりが強い部分の負担が増えて傷が悪化することもあります。使用する場合でも少量にとどめ、痛みがあるときはまず歯科医院で原因を確認することが重要です。

避けたい自己流の調整

痛いからといって、ご自身で入れ歯を削る、曲げる、熱湯で変形させるといった調整は避けてください。一度削りすぎたり変形したりすると、元の形に戻せず、噛み合わせまで崩れることがあります。

市販のクッション材を厚く盛って痛みを隠す方法も、噛み合わせが変わって顎関節に負担がかかる原因になるため、長期的な使用は勧められません。

合わない入れ歯を使い続けるとどうなる?

合わない入れ歯を使い続けるとどうなるか考える女性

入れ歯が合わない状態を我慢していると、痛みや不便さだけでなく、お口の中や全身に影響が広がることがあります。ここでは、特に注意したい3つのリスクを解説します。

歯ぐきの傷と炎症

歯ぐきに合っていない入れ歯は、歩く靴ずれのように同じ場所を繰り返し擦ってしまいます。刺激が続くと赤みや腫れが出て、口内炎の原因になることがあります。さらに、痛みを避けようとして入れ歯の位置がずれると、別の場所にも傷が広がりやすくなります。

また、合わない入れ歯は歯ぐきと入れ歯の間に汚れが入り込みやすく、食べかすやプラークが溜まりやすくなります。

不衛生な状態が続くと、カンジタと呼ばれる真菌が増殖し、義歯性口内炎と呼ばれる炎症につながることがあります。痛みがあると清掃が不十分になりやすい点も、悪化の要因になります。

顎関節への負担と全身症状

合わない入れ歯を使い続けると、噛み合わせが乱れ、顎関節や噛む筋肉に余計な負担がかかります。顎の関節に負担がかかる状態が続くと、顎を動かしたときの痛みや音が出る顎関節症につながる場合があります。

噛み合わせの乱れは、首や肩の筋肉の緊張にも影響し、頭痛や肩こりなどの不調として感じられることもあるため注意が必要です。

さらに、噛むたびに痛いと硬いものを避けるようになり、柔らかい食事に偏りやすくなります。噛む回数が減ると顎の筋肉を使わなくなり、筋力低下につながることがあります。食事内容が偏ると栄養面にも影響するため、入れ歯の不具合は早めに整えることが大切です。

誤飲のリスク

外れやすい入れ歯を使い続けると、食事中に誤って飲み込んでしまう危険性があります。特に介護が必要な高齢者の方では、誤飲したこと自体に気づきにくいケースもあります。

部分入れ歯は、使用しているうちにバネが少しずつ緩むことがあるため、症状が目立たなくても定期的に歯科医院で適合を確認することが重要です。

まとめ

入れ歯が合わないことを解消した男性

入れ歯が合わないと感じるときは、歯ぐきの痛み、外れやすさ、頬や舌を噛む、味や温度の感じにくさや吐き気、発音のしにくさといった形で現れます。

新しく作った直後は慣れで軽くなることもありますが、痛みが強い場合や2週間程度たっても改善しない場合は、入れ歯の当たりや噛み合わせ、歯ぐきの変化などを確認し、調整が必要になることが少なくありません。

合わない入れ歯を我慢して使い続けると、歯ぐきの傷や義歯性口内炎、顎関節への負担、誤飲のリスクなどにつながる可能性があります。また、自己流で削ったり曲げたりすると状態が悪化しやすいため、調整は歯科医院で行うことが大切です。

入れ歯を快適に使い続けるためには、違和感が出たときに早めに相談することに加え、症状が落ち着いているときも定期的に適合や噛み合わせを確認することが重要です。

入れ歯の痛みや外れやすさでお困りの方は、歯科医院で現在の入れ歯が調整で改善できるのか、作り直しが必要なのかを含めて相談してみてください。

入れ歯治療を検討している方は、神戸市東灘区にある木下歯科医院にお気軽にご相談ください。

当院では、虫歯・歯周病治療や入れ歯治療、インプラント治療など、さまざまな診療に力を入れています。ホームページはこちら無料相談も行っておりますので、ぜひご覧ください。