入れ歯コラムCOLUMN

インプラントが不安定に?ぐらつく原因や注意点、対処法!

こんにちは。神戸市東灘区にある木下歯科医院です。

インプラントの歯のイメージ
インプラントは、失った歯を補うための治療法です。高い安定性と機能性から人気がありますが、まれにぐらつきや違和感を覚えるケースがあります。本来、インプラントはあごの骨としっかり結合して固定されますが、何らかの原因で不安定になることがあるのです。

今回は、インプラントが不安定になる原因や注意点、ぐらつきを感じたときの適切な対処法について詳しく解説します。

インプラントがぐらつく原因

インプラントの歯がぐらつく原因イメージ
インプラントは、人工の歯根を顎の骨に埋め込んで固定する治療法で、本来は強固な安定性を誇ります。

しかし、何らかの原因でその固定が不十分になり、ぐらつきを感じることがあります。ここでは、インプラントがぐらつく主な原因について解説します。

骨との結合不良

インプラントは、治療後に顎の骨と結合して安定します。何らかの理由で結合がうまく進まなかった場合、インプラントが骨にしっかり固定されずぐらつきが生じます。

原因としては、術後の感染や過度な噛み合わせの負荷、喫煙、糖尿病などの全身疾患が考えられます。また、骨密度が不足しているケースや、治癒期間中の無理な使用も結合不良の要因となります。

インプラント周囲炎の進行

インプラントが安定していたにもかかわらず、時間が経ってからぐらつきが出てくる場合には、インプラント周囲炎の可能性が考えられます。天然歯の歯周病に似た病気で、インプラントの周囲に炎症が起こり、歯ぐきや骨が徐々に破壊されていきます。

進行するとインプラントを支える骨が吸収され、結果としてインプラントが不安定になり、動きやすくなります。歯ぐきの腫れや出血、膿の排出などが初期症状であり、これを見逃すと抜け落ちてしまうリスクもあるため、早期発見と治療が重要です。

上部構造やネジのトラブル

インプラントがぐらついているように感じても、実際にはインプラント体ではなく、上部構造(被せ物)や内部のネジが緩んでいるケースも少なくありません。特に、上部構造とインプラントを固定するスクリューが緩むと、噛んだときにわずかな動きを感じるようになります。

この場合、インプラントそのものの安定性に問題があるわけではないため、ネジの締め直しや上部構造の調整によって改善が見込めます。

ただし、そのまま放置するとネジが破損したり、構造自体にダメージが及んだりする可能性があります。異変を感じたら早めに歯科医院を受診することが大切です。

噛み合わせの不調和

インプラントには、クッションの役割を果たす歯根膜がありません。そのため、噛み合わせのバランスが崩れるとダイレクトに強い力が加わってしまいます。その結果、過度な力がインプラント体や周囲の骨に伝わり、ぐらつきや破損を引き起こすことがあります。

特に、夜間の歯ぎしりや食いしばりの癖がある人は要注意です。ナイトガードの使用や噛み合わせの調整などが必要になる場合もあります。

インプラントがぐらつくときの注意点

インプラントがぐらつくときの注意点を説明する歯科医師
ぐらつきを感じた際には、以下の点に注意しましょう。

自分で判断せず、早めに歯科医院を受診する

インプラントのぐらつきを感じたとき、自己判断で様子を見るのは危険です。症状の原因がネジの緩みなどであれば簡単な処置で対応できますが、放置すると状態が悪化する可能性があります。

骨との結合不良やインプラント周囲炎のような深刻なケースでは、適切な処置を早急に行わなければ、インプラントを失う可能性もあります。

見た目に大きな異常がなくても「少しだけ動く」「違和感がある」といった初期の兆候を感じた時点で歯科医院に相談することが、重症化を防ぐために重要です。

無理な力をかけないようにする

インプラントがぐらついているときは、その部分に無理な力をかけないように注意する必要があります。硬いものを噛んだり、無意識のうちに食いしばったりすると、さらにインプラント周囲の組織に負担がかかり、症状が悪化する可能性があります。

特に、夜間の歯ぎしりや食いしばりの癖がある場合は、ナイトガードの使用を検討するなど、歯科医師と相談して対策をとることが大切です。

自宅でのケアはやさしく丁寧に行う

ぐらつきがあるからといって、ブラッシングを怠るのは良くありません。インプラント周囲に細菌がたまると、炎症が進行してさらにぐらつきが悪化する恐れがあります。

歯ぐきに毛先を優しく当てるようなブラッシングを心がけ、歯間ブラシやフロスも無理のない範囲で使用し、清潔な状態を保ちましょう。

自己処置や市販薬での対応は避ける

インプラントがぐらついているからといって、自分でネジを締めたり、市販の消毒薬などで対処しようとするのは避けましょう。自己処置によって余計なダメージを与えてしまい、症状を悪化させる危険性があります。

特に、ネジの緩みやパーツの破損は外から見えにくいため、歯科医院での点検と修正が欠かせません。

インプラントがぐらつくときの対処法

インプラントがぐらつくため歯科医院を受診する女性
ここでは、インプラントがぐらつくときに取るべき対処法について解説します。

まずは速やかに歯科医院を受診する

インプラントにぐらつきを感じた場合、最も重要なのは自己判断せず、できるだけ早く治療を受けた歯科医院に相談することです。ぐらつきの原因は、ネジの緩み、被せ物の破損、骨との結合不全、またはインプラント周囲炎など多岐にわたります。

検査を通じてどこに問題があるかを明確にすることで、適切な対処が可能になります。

インプラント周囲炎の治療

インプラント周囲炎が原因でぐらつきが生じている場合は、周囲の骨が吸収されてしまっている可能性があります。このような場合には、まず炎症を抑える処置が優先されます。

歯科医院では、インプラント周囲のクリーニングや抗菌薬の投与、場合によっては歯ぐきを切開して感染組織を除去する外科的処置を実施します。進行度によっては、骨の再生療法やインプラントの除去が検討されることもあるでしょう。

再治療も検討する

インプラントが骨と結合していない、あるいは結合が弱まった場合は、抜去して再度治療を行う必要があります。骨の治癒を待ってから再度インプラントを埋入するか、別の治療法(ブリッジや入れ歯)への切り替えを検討することになります。

インプラントのぐらつきを予防する方法

インプラントのぐらつきを予防するため正しいセルフケアをする女性
インプラントを快適に長期間使用するためには、日常のケアや生活習慣の見直しが不可欠です。ここでは、インプラントのぐらつきを予防するための具体的な方法について解説します。

正しいセルフケアを継続する

インプラントのぐらつきの多くは、インプラント周囲炎によって引き起こされます。これを予防するためには、毎日の丁寧なセルフケアが欠かせません。

歯ブラシだけでなく、歯間ブラシやフロスを使い、インプラントと歯ぐきの境目、周囲の天然歯とのすき間など、細かい部分まで清掃することが大切です。

定期的なメンテナンスを欠かさない

インプラントを良好な状態で維持するには、歯科医院での定期メンテナンスが不可欠です。一般的には3〜6ヶ月に1回のペースで通院し、インプラント周囲の清掃や噛み合わせのチェックを受けることが勧められています。

自覚症状がない段階でも、小さな異常を早期に発見できれば、大きなトラブルを防ぐことが可能です。特に、ネジの緩みや上部構造のゆがみなど、自分では気づきにくい部分の調整も含まれるため、定期受診の習慣がインプラントの寿命を延ばすことにつながります。

噛み合わせと歯ぎしりへの対策

インプラントは、天然歯と異なり衝撃を吸収する構造がないため、噛み合わせが悪い状態で使い続けると、一部に過剰な力がかかりやすくなります。これが蓄積すると、ぐらつきや破損の原因になります。

噛み合わせのバランスが崩れていないかは、定期的に歯科医師に確認してもらうのがよいでしょう。

また、無意識のうちに歯ぎしりや食いしばりをしている人は、インプラントへの負担が大きくなります。このような方には、就寝時にナイトガード(マウスピース)の使用が推奨されることもあります。

生活習慣と全身の健康を整える

インプラントの安定には、全身の健康状態も深く関わっています。特に、糖尿病などの慢性疾患がある場合は、インプラント周囲の炎症が起こりやすく、ぐらつきのリスクも高まります。

また、喫煙習慣はインプラントの骨との結合を阻害し、長期的な安定性に悪影響を与えることが明らかになっています。

したがって、インプラントを長く維持するためには、規則正しい生活とバランスの取れた食生活を心がけ、持病がある場合はしっかりとコントロールすることが必要です。特に、喫煙者の方は可能であれば禁煙しましょう。

まとめ

インプラントの治療を終え笑顔で同僚と過ごす女性
インプラントがぐらつく原因には、骨との結合不良やインプラント周囲炎、ネジの緩み、噛み合わせの問題などがあります。放置するとインプラントの脱落や再治療が必要になる恐れがあります。

ぐらつきを感じた場合は自己判断せず、すぐに歯科医院で診察を受けることが大切です。無理な力をかけない、やさしくブラッシングするなどの注意を払いながら、定期的なメンテナンスを受けることも予防につながります。

インプラントを検討している方は、神戸市東灘区にある木下歯科医院にお気軽にご相談ください。

当院では、虫歯・歯周病治療や入れ歯治療、インプラント治療など、さまざまな診療に力を入れています。ホームページはこちら無料相談も行っておりますので、ぜひご覧ください。