入れ歯コラムCOLUMN

歯を失った場合の選択肢!若い人におすすめの入れ歯とは?

こんにちは。神戸市東灘区にある木下歯科医院です。
2種類の入れ歯

20〜40代の方が歯を失ってしまい、その後の選択に悩むことも少なくありません。「入れ歯をしていたら周囲に気づかれる?」「20代で入れ歯の人はいる?」などと考えることもあるでしょう。
今回は、若い人が歯を失う原因やその後の選択肢、おすすめの入れ歯について解説します。若くして歯を失った人や、これから歯の治療を考えていらっしゃる人は、ぜひ最後までお読みください。

若い人が歯を失う原因

歯を確認する女性
「歯を失うのは、年配の人なのでは……」
というイメージをもたれがちですが、若い人でも歯を失うのは珍しいことではありません。特に女性は、妊娠、出産に伴うホルモンバランスの崩れが原因で、口の中の状態が悪化することや、子育てに追われてゆっくりと治療に通うタイミングを失うことがあります。「気がついたら、歯を失ってしまっていた」「歯医者に行ったときにはすでに手遅れだった」という状況もあり得るのです。
本項目では、若い人が歯を失う原因についてさらに詳しくまとめました。

重度の歯周病


重度の歯周病が原因で歯を失う可能性があります。特に若い人が歯を失うリスクが高い歯周病の種類は、下記の2つです。


・侵襲性歯周病(若年性歯周病)

・妊娠性歯周病


侵襲性歯周病は、10代の若い世代が発症する歯周病で、幼児でも発症することがあります。発症率は低いものの、一度発症すると進行が早く、あっという間に重度になり歯槽骨が溶けてしまいます。「歯周病は中年の病気」というイメージが強いため、気づきにくく、歯を失ってしまうこともあるのです。
妊娠性歯周病は、妊娠によるホルモンのバランスの崩れが原因で起こります。特に、エストロゲンというホルモンが歯周病菌の増殖を促します。さらに、つわりで口腔ケアが思うようにできないことも多いため、歯周病が悪化するケースは珍しくありません。
妊娠性歯周病は、歯垢が付着している口腔内で進行しやすいのが特徴です。口腔内がきれいだと発症しにくく、発症しても軽度で済むことも少なくありません。つわりは非常に辛いですが、口腔ケアが重要な鍵といえるでしょう。

虫歯


虫歯を放置して歯を失うケースもあります。例えば、下記の状況が考えられるでしょう。


・虫歯を放置して、歯根だけになっている

・神経を抜いて被せ物をしていたところが二次齲蝕(うしょく)になった


「忙しすぎて歯医者に行けなかった」「歯医者が怖くて放置していた」「嘔吐反射が激しくて歯医者に行きづらかった」などの理由で虫歯を放置していると、歯を失うことになりかねません。
二次齲蝕の場合、痛みを感じにくく「被せ物が取れて歯医者に行く」というケースもあります。歯医者に行ったときには手遅れになっている症例だと、抜かざるを得ないのでしょう。

事故


事故が原因で歯を失うことは、十分にあり得ます。若い人が歯を失う事故の一例を、下記にまとめました。


・部活の途中で人や物とぶつかった

・交通事故で歯を失った

・仕事中に物が歯に当たった


どんなに気をつけていても、不慮の事故は誰にでも起こり得ることです。特に、事故で前歯を失うケースが多いのが特徴です。

若い人が歯を失った場合の選択肢

歯の模型とレントゲン写真でカウンセリングする医師
若い人が歯を失った場合の選択肢は、それぞれにメリットとデメリットがあります。口腔内の状況によっては、不向きの方法もあります。ご自身の状況を考慮し、歯科医師と相談して、どの方法を選択するか決定しましょう。

インプラント


インプラントは、歯槽骨にインプラント体というネジを埋め込み、そこに人工歯を装着する治療方法です。インプラントの治療後は、違和感がほとんどなく、歯を失う前と同じように食事ができます。
見た目もよく、天然歯と見分けがつかないことも珍しくありません。特に、前歯を失った場合にインプラントをすすめられることが多いでしょう。
しかし、インプラントは保険外治療のため、1本につき30万〜40万円かかります。失った歯の本数が多い場合は、高額な治療費を払わなければなりません。また外科手術が必要なので、適応できない方もいます。

ブリッジ


ブリッジは、失った歯の両隣の歯を土台にして、被せ物をする治療方法です。失った歯の本数や被せ物の種類によっては、保険内で治療できます。一度入れると、違和感なく食事ができるようになるでしょう。
しかし、ブリッジを入れるためには両隣の歯を削ることや、場合によっては神経をとらなければなりません。失った歯の数が多すぎると、ブリッジを入れられないケースもあります。

入れ歯


入れ歯は、取り外しができる人工歯です。歯を支える床(しょう)と床の上の人工歯でできています。入れ歯には下記の2種類があります。


・総入れ歯:歯がまったくない状態を補うための入れ歯

・部分入れ歯:部分的に歯がない部分を補うための入れ歯


「入れ歯は高齢者が使うもの」だと認識されがちですが、若くして歯を失った人も入れ歯を使用しています。入れ歯についてのメリットとデメリットは、下記で詳しく解説します。

入れ歯のメリット・デメリット

黒板に書かれたメリットとデメリット
入れ歯をすることに対して「若いうちから入れ歯をするのは嫌だ」
「入れ歯をするのは恥ずかしい」など、特に若い人は消極的な感情が先にくることもあるでしょう。
しかし、入れ歯はデメリットだけでなく、メリットもあります。状況によっては、入れ歯を選択するほうが向いていることもあるのです。入れ歯を選択することのメリットとデメリットをよく考えて決定してください。

入れ歯のメリット


入れ歯は、特に
「失った歯が多すぎてブリッジができない」「妊娠中や服用中の薬があるなどの理由で外科治療ができない」「歯の治療に高額の治療費を払えない」などの状況の方に向いています。
入れ歯のメリットは、下記のとおりです。

費用が比較的安い


入れ歯の治療は、費用が比較的安いことがメリットです。入れ歯には、保険適用のものと保険適用外のものがあります。保険適用の入れ歯の費用相場は、下記のとおりです。


・総入れ歯:約9,000円

・部分入れ歯:約3,600〜7,500円


インプラント治療が1本につき30万〜40万円かかることを考えると、非常に安いといえるでしょう。
保険適用外の入れ歯の費用相場は、下記のとおりです。


・総入れ歯:40万〜80万円

・部分入れ歯:8万〜60万円


「保険外の入れ歯だと高い」「インプラントと変わらない」と、思うかもしれません。

しかし、インプラントを総入れ歯と同じ本数(28本)入れる場合、1,000万円近くの料金が発生します。圧倒的に、入れ歯のほうが安いといえるでしょう。

外科的治療の必要がない


入れ歯は、外科的な治療が必要ありません。
インプラントを入れるためには、麻酔をしてインプラント体を歯槽骨に埋め込む手術をする必要があります。手術後に痛みを伴い、術後の経過が悪くなる可能性も否定できません。妊娠中の人はもちろん、持病を患っている人は、インプラントが適応にならないこともあるでしょう。
また、ブリッジは両隣の歯を削る必要があり、健康な歯の寿命を縮めてしまうデメリットがあります。
入れ歯は、歯槽骨や隣の歯など、周囲の口腔内にダメージを与えることなく入れられます。外科的治療が難しい人や抵抗がある人に向いているといえるでしょう。

お手入れが難しくない


入れ歯を長く使用するためには、定期検診やセルフケアが欠かせません。
入れ歯は取り外しができるため、お手入れが楽です。ご自身の歯を磨くときに入れ歯を外して軽く磨き、洗浄剤につけておくだけです。毎日のケアに時間をかけずに済むのは、大きなメリットだといえるでしょう。

入れ歯のデメリット


入れ歯には、もちろんデメリットも存在します。入れ歯のデメリットは、下記の3つです。

審美性に劣る


入れ歯を入れるときに最も気になるデメリットは、審美性に劣ることでしょう。

「入れ歯だと気づかれたらどうしよう」「入れ歯を入れるのは恥ずかしい」と悩んでいる人の多くは、見た目を気にしています。
特に、部分入れ歯には入れ歯を引っ掛けるための金属の留め金(クラスプ)があり、銀色をしているため、目立ちやすいのです。前歯に金具がかかっている場合、口を開けたら見えてしまうので「恥ずかしい」と感じる人は、少なくありません。

違和感がある場合もある


入れ歯をしていると、違和感があることも少なくありません。

「床が厚いのでゴロゴロしてしまう」「味を感じにくい」「温度を感じにくい」「発音しづらい」など、今までと同じように食べることや話すことが難しいと感じる人もいます。入れ歯を入れて馴染むまでの間は、違和感がある方が多いです。
また、食事で傷がつくこともあるため、何度も歯科医院へ行き微調整する必要があります。

しっかり噛めない場合もある


入れ歯だと、しっかりと噛めないことがあります。特に、粘着性のある食べ物が入れ歯にくっついてしまうことや、固いものを食べたら粘膜を傷つけてしまうケースが多いです。
また、前歯に入れ歯を入れている場合、前歯でものを噛むのは難しいでしょう。食べたいものを思いっきり食べられないストレスを感じる可能性は否定できません。

若い人におすすめの入れ歯とは?

入れ歯を制作する技士の手
若い人が入れ歯を入れなければならなくなった場合、最も気になるのは審美性でしょう。若い人にはノンクラスプデンチャーが向いています。ノンクラスプデンチャーとは、金属の留め金がなく目立ちにくい入れ歯です。以下に、ノンクラスプデンチャーの特徴をまとめました。


【特徴】

・金具で引っ掛けない

・歯茎に馴染む透明感のある色合い

・違和感が少なく噛みやすい

・部分入れ歯に適応

・金属アレルギーの心配がない

・保険適用外


【費用】

8万〜30万円(歯科医院によって異なります)


「友達や職場の人に入れ歯だと気づかれたくない」と、感じるのも当然です。審美性を意識し、できるだけ目立たないものを利用することで、消極的な思いから解放される人も少なくありません。
ノンクラスプデンチャーにはさまざまなブランドが存在します。歯科医師と相談して、ご自身に合ったものを選択しましょう。

まとめ

笑顔の患者と歯科医
若い人でも、虫歯や歯周病、事故などの理由で、歯を失うことがあります。歯を失ったあとは、インプラントやブリッジ治療を考慮しますが、状況によっては入れ歯を選択する必要があるケースも存在します。
「入れ歯は年配の方がするもの」「入れ歯は目立つ」というイメージが強く、入れ歯を入れることを受け入れるのが難しいこともあるでしょう。
しかし、入れ歯はデメリットばかりではなく、外科手術が必要でないことや手入れが楽であることなどのメリットも多数存在します。また、目立たない入れ歯を選ぶことで、審美性の問題を少しでも軽減できるでしょう。
口腔内の状況に合わせて、歯科医院に相談し、ご自身にぴったりな方法を見つけてください。

入れ歯を検討している方は、神戸市東灘区にある木下歯科医院にお気軽にご相談ください。