入れ歯コラムCOLUMN

若くして歯がなくなる原因、総入れ歯治療について

若い世代でも歯がない状態になってしまう原因とは?

歯を失ってしまうトラブルは、高齢者の方だけに起こる問題ではありません。10~30代などの若い世代でも、さまざまな理由で歯を失ってしまう場合があります。 若い世代が歯を失ってしまう原因にはどのようなものがあるか見ていきましょう。

歯周病

公益財団法人8020推進財団の報告によると、歯を失う原因の1位は「歯周病」、2位は「虫歯」となっています。若い方の場合は歯周病よりも虫歯によって歯を失うことが多いという調査結果が出ていますが、歯周病で失うことがない、というわけではありません。

歯周病とは、歯垢や歯石の中にいる歯周病菌による感染症のこと。歯周病になると歯肉が炎症(歯肉炎)を起こしますが、歯肉炎の段階では歯茎が腫れる、ブラッシング後に出血する程度の症状しか認められません。 歯周病が進行すると顎の骨まで炎症が広がり(歯周炎)、顎の骨を溶かします。この顎の骨は「歯槽骨(しそうこつ)」と呼ばれ、歯の支えとなる大切な骨です。この歯槽骨が溶かされることで、歯は支えを失ってしまうのです。

虫歯

若い世代で歯を失う原因の1位は虫歯によるものです。 抜歯をしなければいけないと判断される虫歯の状態としては、以下のようなものがあります。

  • 根管治療(※)で症状が改善しない
  • 歯自体が崩壊していて、歯の修復が困難
  • 健康な歯に悪影響を与える恐れがある
  • 歯根部分が割れている

(※)根管治療…歯の神経を取り除き、根管内部洗浄、消毒する治療

重度の虫歯で歯の神経が死ぬと痛みを感じなくなる場合がありますが、これは症状が改善したのではなく、悪化したことによるものです。 神経が死んでしまった後も歯の中で細菌の感染は広がっていき、放置すると歯の周囲の骨を溶かしたり、重度の病気(顎骨炎、骨髄炎※)を起こしたりする恐れがあるため、抜歯が検討されます。

(※)顎骨炎、骨髄炎…虫歯から骨に炎症が広がってしまう病気。細菌が弱った歯茎から身体の中に入り、顎の骨に入ることで「顎骨骨髄炎」と呼ばれる病気になる。膿が出たり歯がぐらつくだけでなく、重症化すると「敗血症」を起こして、命にかかわる状態になることもある。

歯の破損

骨が折れると「骨折」と言いますが、歯の場合は「破折(はせつ)」と呼びます。口の中で普段目にしている白い部分(歯冠部)が割れたりかけたりすることを歯冠破折(しかんはせつ)、歯茎の中にある歯の根っこの部分(歯根)が割れたりかけたりすることを歯根破折(しこんはせつ)と呼びます。 スポーツや転倒などの事故以外に、歯ぎしりも原因になります。

歯根破折は、ほとんどがそれまでに神経を取り除いたりした治療が行なわれた歯に起こります。歯が割れたり折れたりした瞬間に音と衝撃を感じることもありますが、大抵は自覚できない場合が多いようです。

歯根破折した歯は自然治癒しません。放置すると炎症が歯槽骨から顎骨まで及び、骨髄炎になる可能性もありますので、歯根破折の疑いがあれば速やかに歯医者で治療を受けるようにしましょう。

※参照:公益財団法人 8020推進財団「第2回 永久歯の抜歯原因調査」(2018年11月)

歯がない状態を放置するとどうなる?

噛み合わせが悪くなる

歯をなくすことで早期に起こる症状のひとつに、噛み合わせの悪化があげられます。

「噛み合わせ」とは、上下の歯を合わせた時の歯の接触状態のこと。たった1本の歯を失っただけでも、失った歯の両隣の歯が倒れてきたり、移動してきたりといった変化が起こります。さらに、本来噛み合っている歯の片方がなければもう片方が伸びてきたりして、次第にお口の中のバランスは崩れていきます。

噛み合わせが悪い状態が続くと、咀嚼がうまくできないなどのお口の中だけの問題だけでなく、次第に身体全体のバランスが崩れ、頭痛、肩こり、腰痛やめまい、不眠など、全身に症状が広がっていく可能性があります。

残っている歯にも悪影響がある

歯を抜けたままにして嚙み合わせが乱れてくると、歯と歯の隙間が広くなり、口腔内の不衛生を招きます。悪い噛み合わせや口腔内の不衛生は虫歯や歯周病の原因となり、さらに歯を失うリスクを高めます。

歯が1本でも抜けると、他の歯が噛む力を補おうとします。残った歯には自分の担当分以上の大きな力がかけられることになるためその分負荷が大きくなり、残された歯の寿命が短くなってしまうのです。

老けて見えるなど見た目に変化が起こる

最もわかりやすい問題は、見た目が悪くなること。歯並びのバランスが悪くなるため、笑った時の見た目が損なわれるほか、噛み合わせの悪化が輪郭のゆがみを引き起こし、片方頬が腫れているように見えたり、アゴが左右どちらかへずれているように見えるようになったりします。また、噛む力が衰えることで、顔の筋力が低下し、しわやたるみを引き起こします。

さらに、歯が抜けると歯茎の中にある歯を支えている骨(歯槽骨)は歯を支える必要がなくなるため、少しずつ吸収されて次第にやせ細っていきます。そうすると、歯茎が下がる、頬がこける、たるむ、口元にシワが増えるなどの変化が表れ、老けて見えるようになってしまいます。

消化器官に負担がかかる

噛み合わせが悪いと食べ物をよく噛めずに大きなまま飲み込むことになるため、消化器官に負担をかけ、栄養吸収も妨げられるので健康にも美容にもよくありません。 咀嚼による効果は食べ物を細かく砕くだけでなく、消化酵素である唾液の分泌を促進して消化器官にかかる負担を軽減しているのですが、歯がなくなりあまり噛まなくなることで分泌が減り、消化器官に大きな負担をかけてしまうのです。

口臭の原因になる

口臭は、口の中の細菌が栄養分を得て増殖し、臭いのするガスを出すために発生するもの。歯を失った後の傷口には食べ物がたまり、食べ物の腐敗した臭いや食べ物をエサにした細菌が発する臭いで口臭がきつくなります。 また、傷口の直りがよくない場合は化膿してしまうこともあり、膿はそれ自体が強い臭いを発します。

若くして歯がない状態を治療する際の注意点

歯を失ってしまった場合の治療方法は、一般的に「ブリッジ」「入れ歯」「インプラント」の3つ。歯を失った部位や本数、そして歯茎や顎の骨の状態によって、どの治療が最適であるかが変わってきます。

数本の歯がない程度であれば、原則として上記のどの治療法も選択が可能ですが、若い方が治療を行う場合には「あご骨」の成長について検討する必要があります。

インプラントは顎骨にインプラント体を埋入する治療ですから、基本的には顎の骨格の成長が止まっていることが条件となります。成長過程でインプラントを入れてしまうと、成長とともにずれる可能性や審美的・機能的に数年後に不具合が出る可能性があり、顎の成長自体を妨げてしまう原因にもなります。そのため、治療を開始できるのは概ね20歳以上とされています。

美しく、快適に使い続けられる精密な総入れ歯治療とは

「入れ歯は高齢者がするもの」と考えられがちですが、決してそうではありません。 神戸にある入れ歯専門歯科・木下歯科医院でご提供している精密入れ歯「ESTEETH」は、従来の入れ歯とは製作の工程から全く異なる「オーダーメイドの入れ歯」です。 入れ歯は多くの方にとって、他人には知られたくないもの。精密入れ歯「ESTEETH」なら、誰にも気づかれないような審美性の高い、まるで自分の歯のように噛める自然な入れ歯を作ることが可能です。

通常の入れ歯製作では、技工士は型取りをした模型をもとに入れ歯を製作しますが、当院では入れ歯専門技工士が治療に立ち会い、患者さんの細かな要望や悩みを直接伺ってイメージのすり合わせを行いながら、より精密な入れ歯を作製していきます。 目指すのは、咀嚼や発音など機能面の回復に加えて、健康的な笑顔を引き出す審美性に優れた入れ歯です。

当院では若い方にも安心してお越しいただき、じっくりとお悩みをお伺いできるよう、お一人ずつの貸し切り診察、全てドクター対応という特別な診療体制を整えています。 若い年代で歯がない状態になってしまった方も、疑問や不安などをお気軽にご相談ください。

★精密入れ歯「ESTEETH」の治療事例はこちらから>>

医療法人社団 木下歯科医院 
院長 木下 貴雄

  • 国立徳島大学歯学部歯学科 卒業
  • IPSG咬合認定医
  • BPSメンバー(日本第一号となる精密入れ歯国際ライセンス認定歯科医師)