歯のコラムTEETH

根管治療はどうして長い?治療期間の目安と長引く理由

こんにちは。神戸市東灘区にある木下歯科医院です。

根管治療はどうして長いのか説明するイメージ
虫歯が歯の中心部まで達すると、根管内に細菌が繁殖することがあります。この場合に行われるのが、根管治療です。根管治療は複数回通院する必要があるため「どうしてこんなに長くかかるの?」と思う方も多いのではないでしょうか。

本記事では、根管治療の一般的な回数と期間の目安、そして、治療が長引く理由について詳しく解説します。最後に、治療をスムーズに進めるためのポイントもまとめていますので、ぜひ参考にしてください。

根管治療とは

根管治療の様子
根管治療とは、歯の内部にある神経や血管が通っている管(根管)を清掃・消毒し、再感染を防ぐために薬剤を詰めて補強する治療法です。虫歯が進行して神経に達した場合や、事故などの衝撃で神経がダメージを受けた場合、過去の根管治療後、再び感染が起こった場合などに実施されます。

根管治療の目的は、炎症や感染を除去して歯を保存することです。この治療により、抜歯を回避し、天然の歯をできるだけ残すことができます。

歯は、食事や発音などを行うために欠かせません。歯を1本失うだけでも、日常生活に大きな影響を及ぼす可能性があるでしょう。根管治療は、大切な歯を守るために非常に重要な歯科治療です。

根管治療はどれくらい時間がかかる?

根管治療の期間イメージ
根管治療に必要な期間は、患者さま一人ひとりの症状や歯の状態によって異なります。1〜2ヶ月ほどが目安でしょう。通常の虫歯治療であれば、1回の通院で治療できることもあるので、長い期間がかかる治療といえるかもしれません。

根管治療が長いのはどうして?

根管治療が長いのはどうしてなのか考えるイメージ
ここでは、根管治療が長くかかる理由を解説していきます。

根管の構造が複雑だから

根管は単純な直線状のものだけではありません。枝分かれしたり細くなっていたり、S字状に曲がっていたりと、根管の形態は人によって大きく異なります。また、根管は非常に細く、目視で詳細を確認するのは困難です。

特に、奥歯の根管は複数本に分岐しているため、全体を把握するのが難しいです。複雑な根管内を徹底的に清掃・消毒するためには、ある程度の期間が必要になります。

殺菌・清掃が必要不可欠だから

治療では、専用のファイルという器具を用いて細い根管内を拡大・清掃します。目で見ることができないほど細い根管を清掃・消毒できるまで、何度も通院しなければなりません。

根管内の汚染物を取り除けずに治療を完了すると、その歯の健康が害されるだけでなく、ほかの歯へも悪影響を及ぼしかねません。そのため、汚染物を完全に取り除き、細菌を殺菌できるまで、何度も通院する必要があるのです。

期間が長くても治療を中断してはいけない理由

期間が長くても治療を中断してはいけない理由を説明する歯科医師
根管治療では、根管内の細菌を除去し、内部を消毒・殺菌するという工程を何回か繰り返します。歯の状態によって変動しますが、消毒・殺菌のための通院が3〜5回ほど、最終的な被せ物を装着するまでには8~10回ほどの通院が必要になるケースもあるでしょう。

治療期間が長く、仕事や家事の都合で通院が難しくなり、治療を中断してしまう方もいるのではないでしょうか。治療が完全に終わっていなくても、神経が除去されると痛みを感じなくなるため、治ったと考えて通院をやめる方もいます。

しかし、根管治療は最後まで受けるべきです。ここでは、期間が長くても治療を中断してはいけない理由をご紹介していきます。

細菌感染のリスクが高まる

根管治療の途中で通院をやめると、再び細菌が根管内に侵入するリスクが高まります。治療中の根管は完全に密閉されておらず、細菌や汚れの侵入を防ぐための仮蓋は長期使用に耐えられる強度はありません。

仮蓋のまま過ごすと、新たに細菌が根管内に侵入する可能性が高いでしょう。再感染が起こると、再度洗浄と消毒が必要になり、さらに治療期間が延びることもあります。

また、根管内の消毒は、一度の処置で完了することは少ないです。数回の処置で少しずつ細菌の数を減らしていきますが、この段階で通院をやめると、細菌が根管内に残った状態で過ごすことになります。再び細菌が増殖して、感染を起こす可能性もあるでしょう。

抜歯につながるリスクが高まる

根管治療は、歯の内部にある神経や血管を取り除き、細菌の侵入を防ぐことで、歯を保存するための治療です。治療が不十分な状態で放置すると、虫歯が根の先に広がって顎の骨にまで炎症が及ぶかもしれません。

その結果、抜歯が必要になるリスクが高まります。抜歯をすると、インプラントやブリッジ、入れ歯などで歯を補わなければなりません。それらの治療のために通院が必要になり、患者さまの負担も増加していきます。

治療費が高額になる可能性がある

基本的に、虫歯治療は早期に対応すればするほど、治療の負担を抑えられます。身体的な負担だけでなく、経済的な負担も同様です。

根管治療においても、状態が悪化する前に治療を始めたほうが、重症化してから治療を開始するよりも、経済的・身体的な負担を軽減できます。根管内の清掃・消毒にかかる期間も、より軽度な症状で受診したほうが短縮できるのです。

受診回数が増えれば、その分治療費が増加していきます。治療を途中でやめて感染が再発してから再度治療を受けることになると、治療費の負担が大きくなるでしょう。

また、抜歯が必要になって歯を補う場合、入れ歯・ブリッジ・インプラントなどの治療費も加算されてしまいます。

根管治療の期間を延ばさないためには

根管治療の期間を延ばさないために定期検診を受診する女性
根管治療の期間を延ばさないためには、以下のポイントを意識するとよいでしょう。

虫歯を早期発見・早期治療する

根管治療を長引かせないための最も根本的な対策は、虫歯を早期に発見し、早期に治療することです。冷たいものや甘いものを口に入れたときに痛みが出るほど虫歯が進行すると、神経にまで炎症が及んでいるケースが多いでしょう。症状に気づいた時点で受診することが、治療期間を延ばさないために最も有効といえます。

虫歯が重症化する前に受診できれば、そもそも根管治療が必要なくなるケースもあります。痛みや違和感などがある場合は、歯科を受診しましょう。

定期的に歯科検診を受ける

虫歯などの口腔トラブルは、初期段階では自覚症状が出ないことが多いです。痛みや違和感などの症状が現れる頃には、ある程度進行しているといえます。

そのため、初期段階で発見するためには、定期的に歯科医院を受診することが欠かせません。万が一何か問題が発生していても、早めに対応できるでしょう。

通院ペースを守る

根管治療の効果を高め、治療期間を延ばさないためには、通院ペースを守ることが重要です。通院間隔が開くと虫歯が再発するリスクも高まります。

基本的には、根管内の清掃・消毒の際は、1週間に一度の頻度で受診するよう指示されます。歯科医師の指示に従って、適切なタイミングで受診するよう意識してください。

通院間隔が開きすぎると、再び感染が広がる可能性があります。

自宅でしっかりケアをする

根管治療中も、日々のセルフケアが非常に重要です。歯科医院でどれだけ丁寧に処置を行っても、毎日のケアが不十分で口内に汚れが残っていれば、治療の効果を十分に得られないでしょう。

歯磨きの際は、歯と歯茎の境界も意識しながら、1本1本丁寧に磨いてください。特に、歯と歯の間には汚れが残りやすいため、デンタルフロスや歯間ブラシの使用を習慣づけるとよいでしょう。

歯磨きの方法に自信がない、フロスの使い方がわからないという方は、歯科医院でブラッシング指導を受けるとアドバイスしてもらえます。

まとめ

根管治療が長くても完治させ歯を大切に守るイメージ
根管治療は、虫歯が神経にまで達した際などに、歯を残すために行う治療です。歯の根の内部を徹底的に清掃・消毒して、患者さまの歯を残すことを目指します。

しかし、治療が複雑なことや、歯の状態によって通院が多くなることから、治療が長期化するケースもあります。忙しい生活の中で通院を続けたり、何度も治療を受けたりするのは大変だと感じる方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、根管治療を完了させることは、抜歯を避けるためにも大切です。

根管治療を検討している方は、神戸市東灘区にある木下歯科医院にお気軽にご相談ください。

当院では、虫歯・歯周病治療や入れ歯治療、インプラント治療など、さまざまな診療に力を入れています。ホームページはこちら無料相談も行っておりますので、ぜひご覧ください。