こんにちは。神戸市東灘区にある木下歯科医院です。
インプラントは、失った歯を補うための治療法の一つです。顎の骨を削って人工歯根を埋入する外科治療が必要なため、持病や体質によっては治療できない可能性があることをご存じでしょうか。
今回は、インプラント治療ができないケースや、インプラント治療の代替となる治療法について解説します。
インプラント治療とは

インプラント治療とは、顎の骨に人工歯根を埋め込んで、失った歯を補う治療法です。顎の骨に固定するため、しっかりと自分の歯のような感覚で食べ物を噛むことができます。
インプラント治療では、顎の骨にインプラントと呼ばれる人工歯根を埋め込みます。人工歯根と顎の骨が結合することで、独立・安定した歯を作り出します。
インプラントは、人工歯根、人工歯(被せ物)、それら2つをつなぐアバットメントで構成されます。他の歯を補う治療よりも天然歯に近い構造で歯を再建するため、自分の歯のような感覚で使えることが特徴です。
インプラント治療の流れ
インプラント治療は、どのような流れで進むのでしょうか。ここでは、治療の流れを詳しくご紹介します。
カウンセリング
インプラントは外科手術を伴う治療であるため、カウンセリングを行って口内環境や全身の健康状態、持病の有無などの確認を行います。歯科医院によって治療の方法や方針が異なる場合があるため、十分に質問・相談することが重要です。
複数の歯科医院でカウンセリングを受けて、治療を受ける歯科医院を決定しましょう。
検査
手術を行う前に、血液・心電図検査や歯周病検査などが行われます。また、CTによって骨密度や量など、顎の骨の状態も確認します。
検査結果をもとにインプラントの治療計画を作成し、治療の内容やスケジュールを決定していきます。
手術
インプラントを骨に埋入する手術には、1回法と2回法があります。
1回法は、人工歯根の埋入とアバットメントの装着を一度に行う方法です。手術による患者さまへの負担を抑えられ、治療期間が短い傾向があります。
しかし、顎の骨の状態が良くないと行えないため、希望するすべての方が選べる方法ではありません。また、アバットメントが露出した状態で顎の骨との結合を待つため、感染のリスクが2回法よりも高くなります。
2回法は、人工歯根の埋入と、アバットメントの装着を2回に分けて行う方法です。歯茎を切開して顎の骨に穴を開け、インプラント体(人工歯根)を埋め込みます。その後、切開した歯茎を縫い合わせて1回目の手術は終了です。
3ヶ月ほど顎の骨との結合を待ち、インプラントと顎の骨が結合したことを確認して2回目の手術が行われます。2回目の手術では、再度歯茎を切開してアバットメントを取り付けます。
手術回数が増えるため患者さまの負担が増加しますが、感染リスクが低く、受けられる方が多い方法です。
インプラント治療のメリット
インプラント治療のメリットとして、しっかりと物を噛めることや周囲の健康な歯を削る必要がないこと、咀嚼機能が回復することなどが挙げられます。中でも、インプラントは顎の骨と固定されているため、物を噛んでも外れる心配がないことが大きなメリットです。
インプラント治療のデメリット
インプラントのデメリットとして、保険が適用されないため費用が高額になること、治療期間が長いこと、外科手術が必要なことなどが挙げられるでしょう。顎の骨と人工歯根の結合を待つ期間や、手術後の傷口の回復期間が必要なため、治療期間が長いです。
短くても3ヶ月ほど、長ければ1年以上かかるケースもあるでしょう。
インプラント治療ができないケース

年齢・持病・体質などによって、インプラント治療ができないケースがあります。治療を検討する際には、ご自身の健康状態なども確認する必要があります。
顎の骨が足りない
インプラント治療では、顎の骨に穴を開けて人工歯根を埋め込む手術を行います。そのため、骨の厚みが十分にない場合には治療を受けることができません。
ただし、顎の骨の量や厚みを増やす骨造成を行えば受けられるようになるケースもあります。一度歯科医師に相談してみると良いでしょう。
持病がある
糖尿病や腎疾患などの持病がある方は、感染症や免疫力・治癒力の低下などのリスクが高くなるため、インプラント治療を行うことができません。特に、糖尿病の場合には、病気の影響で血管が細くなり傷口に栄養や酸素が十分に行き届かない可能性が高いです。
傷の治りが遅くなることが考えられたり、インプラント周囲炎のリスクが高まったりする恐れがあります。
歯周病がある
歯周病が重度になると、細菌が増殖することで歯や歯を支える顎の骨を溶かしていきます。インプラントを受ける際に歯周病にかかっている場合、インプラントと顎の骨が結合しない可能性があるため先に治療しなければなりません。
骨が成長途中である
インプラント治療は、顎の骨の成長が完了している成人が対象の外科治療です。顎の骨に穴を開けてインプラントを埋め込む外科手術では、顎の骨に大きな負担がかかります。
骨の成長途中である時期にインプラント手術を行うと、骨に強い負荷がかかり、顎の成長に悪影響を及ぼす可能性があります。問題なく結合したとしても、成長に伴ってインプラントの位置が変わってしまう恐れもあるでしょう。
歯を補うインプラント以外の治療法

持病や体質が原因でインプラント治療ができない場合であっても、別の方法で歯を再建できます。様々な治療法のメリット・デメリットを比較したうえで、自分の歯の状態にあった治療法を選択することが重要です。
ブリッジ
ブリッジは、歯を失った部分の両隣の歯を削り、隣の歯とつながった被せ物を装着することで歯を再建する治療法です。高血圧や糖尿病などの持病がある場合でも治療を受けることができる、体への負担が少ない治療法の一つです。
ブリッジのメリットとして、装着した際の違和感・不快感が少なく、自分の歯で噛んでいるようなしっかりとした噛み心地を得られることが挙げられます。ブリッジをかける両隣の歯を削る必要があることがデメリットでしょう。
部分入れ歯
部分入れ歯は、失った歯の代わりとなる人工歯を留め具によって固定することで歯を再建する治療法です。部分入れ歯には多くの種類があり、保険適用の有無によって使用できる材料が異なります。
部分入れ歯の主な種類として、コンフォート義歯、金属床義歯、ノンクラスプデンチャー、コーヌス義歯などがあります。中でもノンクラスプデンチャーは、入れ歯を固定する金具を使用しておらず、入れ歯全体が歯茎に近い色味であるため見た目の違和感が少ないのが特徴です。
部分入れ歯には多くの種類がある一方で、保険適用の入れ歯は耐久性や審美性に課題がある可能性があります。
まとめ

インプラント治療とは、顎の骨に穴を開けてインプラントを埋め込むことで歯を失った再建させる方法です。インプラント治療には、しっかりと物を噛めることや周囲の健康な歯を削る必要がないというメリットがあります。
しかし、顎の骨を削る外科的な処置を伴うため、持病や体質によっては治療を受けることができません。インプラント治療を受けることができない方の特徴として、骨が弱いことや糖尿病・腎疾患などの持病がある、重度の歯周病であることなどが挙げられます。
インプラント治療の代替となる歯の再建方法としては、ブリッジや部分入れ歯などがあります。これらの治療法はインプラントと比較すると身体への影響を与えにくく、インプラントができない場合でも治療が受けられるでしょう。
歯を失ったまま放置すると、咀嚼機能が低下して胃腸に負担がかかるなど、全身の健康に悪影響を及ぼすかもしれません。インプラントができない場合でも、代替の治療法を検討しましょう。
インプラントや入れ歯・ブリッジを検討している方は、神戸市東灘区にある木下歯科医院にお気軽にご相談ください。
当院では、虫歯・歯周病治療や入れ歯治療、インプラント治療など、さまざまな診療に力を入れています。ホームページはこちら、無料相談も行っておりますので、ぜひご覧ください。