こんにちは。神戸市東灘区にある木下歯科医院です。
根管治療と聞くと「痛みがあるのでは？」と不安に思う方も少なくないでしょう。個人差はありますが、治療中や治療後に痛みを感じることがあります。
通常は数日以内に落ち着くことが多いですが、痛みが強い場合や長引く場合には適切な対応が必要です。
この記事では、根管治療の概要や、痛いのかどうかを解説します。治療後に痛みが続く期間や、痛いと感じる時の対処法もご紹介するので、ぜひ参考にしてください。
根管治療とは
根管治療とは、歯の内部にある神経や血管が通る根管（こんかん）と呼ばれる部分を治療する処置です。歯の神経を取る治療や、根の治療と呼ばれ、虫歯の進行や外傷による神経の炎症が起きた場合に行われます。
根管治療には、大きく分けて抜髄（ばつずい）と感染根管治療の2種類があります。
抜髄は、虫歯が神経にまで達し、強い痛みや炎症が発生している際に行われる治療です。感染した神経や血管を除去し、根管内を清潔にしたうえで薬を詰め、歯を保存できるようにします。
感染根管治療は、過去に治療を受けた歯が再び細菌感染を起こした場合や、外傷や歯周病によって根の先に炎症が広がった際に必要となる治療です。細菌を完全に取り除き、炎症が治まるまで治療を繰り返すため、通院回数が増えることもあります。
治療の流れとしては、まず歯に小さな穴を開け、専用の器具を使用して神経や汚染された組織を除去します。その後、根管内部をしっかりと洗浄・消毒し、炎症が落ち着いた段階で薬剤を詰めて密封し、最終的に被せ物をして噛める状態に戻します。
根管治療は、歯を残すために非常に重要な処置です。適切な治療を受けることで、抜歯を避けられる可能性が高まります。
根管治療は痛い？
根管治療の過程では痛みを伴うことがありますが、その原因を知り、適切な対処をすれば不安を軽減できます。ここでは、治療中と治療後の痛みについて詳しく解説します。
根管治療中の痛みの原因
根管治療では麻酔を使用するため、通常は強い痛みを感じることはありません。
しかし、いくつかの要因によって痛みを伴う場合があります。詳しく確認しましょう。
炎症による影響
虫歯が進行して歯の神経が炎症を起こしている場合、根管治療中に痛みが発生する可能性があります。炎症が強いと、麻酔をしていても痛みを完全に抑えられないことがあります。
麻酔の効果が不十分
根管治療では局所麻酔が用いられますが、炎症がひどい場合や急性症状があると、麻酔の効果が十分に発揮されないことがあります。特に、下顎の奥歯は骨が硬いため、麻酔が効きにくいことが知られています。その結果、治療中に痛みを感じることがあるのです。
薬剤の充填による刺激
根管内を清掃・消毒した後、再感染を防ぐために薬剤を充填します。この際、圧力をかけて薬剤を詰めるため、一時的に痛みが生じることがあります。根の先に炎症がある場合、薬剤が神経を刺激し、ズキズキとした痛みを感じることがあります。
根管治療後の痛みの原因
治療後に痛みが出ることもありますが、多くの場合は一時的なものです。痛みが長引く場合は、別の原因が隠れているかもしれません。
神経の取り残し
歯の内部は複雑な構造をしており、完全に神経を除去しきれない場合があります。神経が一部でも残っていると、炎症を起こして治療後に痛みを感じる可能性があります。
根管内の感染
根管内に細菌が残っていると、膿が溜まって痛みを引き起こすケースがあります。膿がたまると、歯ぐきが腫れたり、ズキズキとした痛みが続いたりすることがあります。
歯根膜（しこんまく）の炎症
歯を支えている歯根膜が治療の影響を受けると、食事の際に噛むだけで痛みを感じることがあります。治療の際の振動などの刺激に組織が反応したために起こるもので、通常は数日から1週間ほどで改善します。
薬剤を詰めた際の圧力
根管内に薬剤を充填する際、強い圧力がかかるため、歯の周囲に違和感や痛みを感じることがあります。この痛みは通常、数日以内に収まります。
歯根の破折
まれに、治療中に歯根が割れることがあります。歯根が破折すると、細菌が侵入しやすくなり、炎症や痛みの原因となります。
破折が原因で痛みが続く場合は、抜歯を検討しなければならない可能性があります。
根管治療後の痛みが続く期間
根管治療を受けた後、一時的に痛みや違和感を覚えることがあります。歯の内部の炎症が残っていたり、治療による刺激が影響を及ぼしているためです。痛みが続く期間には個人差がありますが、多くの場合、1週間ほどで落ち着くとされています。
特に、感染の状況が深刻でなかった場合や、スムーズに治療が完了したケースでは、治療直後の痛みが最も強く数日かけて徐々に軽減していきます。噛んだときに違和感がある程度で、強い痛みを感じることは少ないでしょう。
感染がやや広がっていた場合や、根管の形状が複雑で治療に時間を要した場合は、痛みが2週間ほど続くこともあります。痛みは時間の経過とともに和らいでいくのが一般的ですが、強く噛んだときに鈍い痛みが生じるかもしれません。
抗生物質や鎮痛剤を適切に使用することで、痛みの緩和が期待できます。
治療後2週間以上経過しても痛みが引かない場合や、痛みが悪化する場合は、何らかの問題が生じている可能性があります。この場合は、早めに歯科医院を受診し、適切な処置を受けることが重要です。
根管治療後に痛いと感じるときの対処法
根管治療を受けた後、通常は時間とともに軽減しますが、痛みが強い場合や長引く場合は、適切な対処を行うことが大切です。ここでは、根管治療後の痛みを和らげるための具体的な方法を紹介します。
鎮痛剤を適切に使用する
治療後に痛みが続く場合は、歯科医師から処方された鎮痛剤を服用することで、症状を和らげられます。市販の鎮痛薬を使用する場合は、必ず用法・用量を守りましょう。
ただし、痛みが長引く場合は、鎮痛剤を使い続けるのではなく、歯科医院で診察を受けましょう。
冷やして炎症を抑える
頬の上から氷や冷却パックを当てれば、腫れや痛みを軽減できることがあります。直接肌に当てるのではなく、タオルなどで包んで10分ほど冷やし、その後少し間隔を空けて再度冷やすようにすると効果的です。
冷やしすぎると血行が悪くなり、かえって回復が遅れることもあるため適度に行うようにしましょう。
柔らかい食事を選ぶ
治療直後は、噛む力が歯にかかると痛みを感じやすいです。硬い食べ物や粘着性のある食品は避けるのが理想です。スープやヨーグルト、豆腐などの柔らかい食事を選び、刺激を与えないようにすることで痛みを抑えられます。
また、熱すぎる食べ物や冷たいものも神経を刺激することがあるため、適温の食事を心がけましょう。
頭を高くして寝る
横になると血流が集中し、痛みが強くなることがあります。そのため、寝るときは枕を少し高くして頭を持ち上げることで、血流を調整し痛みを和らげられます。
口の中を清潔に保つ
治療後の歯は細菌に感染しやすいため、適切な口腔ケアを行うことが重要です。
ただし、強くうがいをすると治療した部分に負担がかかる可能性があるため、やさしくすすぐ程度に留めましょう。歯磨きも丁寧に行い、治療した歯に刺激を与えないよう注意しましょう。
痛みが長引く場合は歯科医院を受診する
通常、根管治療後の痛みは数日から1週間ほどで和らぎます。2週間以上続く場合や、痛みが悪化している場合、違和感が続く場合などは、早めに歯科医院で診てもらいましょう。必要に応じて再治療を受けることが大切です。
まとめ
根管治療後の痛みは、通常は時間とともに和らぎますが、強い痛みや腫れが続く場合は適切な対処が必要です。鎮痛剤の服用や患部の冷却、柔らかい食事の選択、寝るときの工夫など、自宅でできる方法を活用することで痛みを軽減できます。
1週間以上痛みが続く、腫れが引かない、膿が出るといった症状がある場合は、早めに歯科医院を受診しましょう。
根管治療を検討している方は、神戸市東灘区にある木下歯科医院にお気軽にご相談ください。
当院では、虫歯・歯周病治療や入れ歯治療、インプラント治療など、さまざまな診療に力を入れています。ホームページはこちら、無料相談も行っておりますので、ぜひご覧ください。
