入れ歯コラムCOLUMN

前歯用の目立たない入れ歯とは?種類と選び方、注意点について

こんにちは。神戸市東灘区にある木下歯科医院です。
前歯の目立たない入れ歯を持っている歯科医師

失った前歯を入れ歯で補う場合「できるだけ目立たない自然な見た目の入れ歯を使用したい」「入れ歯を使っていることに気づかれたくない」と考える方が多いでしょう。前歯でも、目立たない入れ歯を使用することは可能です。

この記事では、前歯の入れ歯の種類について解説します。目立たない入れ歯の選び方や、前歯を入れ歯にする際の注意点についてもご説明しています。前歯を失い治療方法を検討している方や、前歯を入れ歯で補おうとお考えの方は、ぜひ参考にしてください。

前歯を失う原因

前歯を失う原因イメージ
前歯を失う主な原因は、以下の3つです。

・虫歯
・歯周病
・外傷

それぞれの原因について詳しく解説します。

虫歯

通常の虫歯であれば治療して歯を保存することが可能ですが、重度まで進行した虫歯の場合は抜歯が必要になることがあります。

C4とよばれる段階まで進行した場合、虫歯が歯根にまで達しています。歯のほとんどが溶けて根だけなっている状態で、放置し続けると細菌感染が起きて排膿などの症状が現れ始めるでしょう。

歯の根っこの先に膿が溜まり、腫れや痛みを繰り返すこともあります。C4まで進行している状態の虫歯であれば、抜歯になる可能性が高いでしょう。

歯周病

歯周病とは、細菌感染によって歯茎が炎症を起こした状態を指します。進行すると、歯を支えている顎の骨が溶かされ、最終的には歯が抜け落ちます。

軽度や中等度の歯周病であれば、歯磨きの仕方を改善したり歯科医院でクリーニングを受けたりすることで改善できます。

重度まで進行している場合は歯を支えている骨が溶けるため、歯がグラつき始めるでしょう。歯の動揺が大きいと、自然に抜け落ちたり抜歯が必要になったりする可能性があります。

外傷

事故などで口元を怪我する場合、前歯が最も衝撃を受けやすいです。歯の表面だけが欠けた場合などは修復が可能ですが、歯の根っこまで破折している場合は治療が難しく、抜歯が必要なこともあるでしょう。

事故のほか、転倒した時に前歯をぶつけて破折する方もいます。ラグビーやバスケットボールなどの人と接触しやすいスポーツをしている方も、口元に衝撃を受けて前歯が欠けたり割れたりすることがあります。

前歯の部分入れ歯の種類

前歯の入れ歯を持っている歯科医師
前歯の部分入れ歯には、保険が適用されるものと自由診療のものがあります。それぞれ詳しく確認しましょう。

保険適用の部分入れ歯

保険適用の部分入れ歯は、使用できる素材や構造などが制限されているため費用を抑えられます。歯肉に触れる部分はレジンとよばれるプラスチック製で、金属のバネを残っている歯に引っ掛けて固定します。

プラスチックのため劣化しやすく、金属のバネが目立ちやすい点がデメリットでしょう。破損した場合の修理が容易なこと、安価に作れること、完成までの期間が短いことがメリットといえます。

自由診療の部分入れ歯

自由診療では素材や構造が制限されることがないため、患者さまの希望を叶えられる入れ歯を作製しやすいです。保険適用の入れ歯より、審美性・機能性に優れた入れ歯の作製が可能でしょう。

自由診療で作製できる代表的な前歯の部分入れ歯は、以下の3つです。

ノンクラスプデンチャー

金属のバネを使用しない部分入れ歯です。ピンク色の樹脂で固定するため、見た目が自然なことが特徴です。

保険の入れ歯よりも密着性が高いので、違和感なく使用できる可能性が高いでしょう。金属を一切使用しないため、痛みなどの不快な症状が出にくいこともメリットです。

金属床義歯

床部分を金属で作る部分入れ歯です。金属を使用するため耐久性が高く、丈夫で壊れにくいことが特徴です。飲食物の温度が伝わりやすいため、食事の楽しみを損ないにくいです。

強度が高いため床部分を薄く作ることができることもメリットです。装着時の違和感を最小限に抑えられるでしょう。

金属アレルギーの方は使用できないことがデメリットとして挙げられます。

インプラントオーバーデンチャー

埋入した数本のインプラントに部分入れ歯を固定する方法です。顎の骨と結合させたインプラントを支えにするため、安定性が高いことが大きな特徴でしょう。

保険の入れ歯のように金属を使用して固定しないので、自然な見た目を再現できます。インプラントで歯を補うよりも費用を抑えられることがメリットです。

ただし、外科手術を伴うため、選択できない方もいます。

目立たない前歯の入れ歯とは

目立たない前歯の入れ歯を持っている歯科医師
目立たない前歯の部分入れ歯を希望される場合は、自由診療を選択するとよいでしょう。保険適用の前歯の部分入れ歯は、クラスプと呼ばれる金属のバネを使用します。クラスプが付く位置は症例によって異なりますが、前歯の部分入れ歯であれば間違いなく目立つでしょう。

自由診療の入れ歯であれば、保険診療のように素材や作り方に制限されず作製できます。上述したノンクラスプデンチャーやインプラントオーバーデンチャーは、金属のクラスプを使用する必要がありません。

金属床義歯の場合も、ノンクラスプで設計したり金具が見えにくいよう加工したりすることができます。

目立たない前歯の入れ歯の選び方

目立たない前歯の入れ歯を選んでいる人
自由診療の部分入れ歯には種類がいくつかありますが、お口の状態や失った歯の本数などによって費用は異なります。予算やそれぞれの入れ歯の特徴を考慮して選択しましょう。

入れ歯の目立ちにくさのみを優先する方は、ノンクラスプデンチャーを選択するケースが多いです。自然な見た目で費用も抑えられるためです。

目立ちにくさと違和感の少なさを重視する場合は、金属床義歯とノンクラスプデンチャーを組み合わせたものがよいでしょう。インプラントオーバーデンチャーは、多くの歯がない状態でもしっかり固定されるため、違和感なく使用できます。

歯科医師に希望や条件を伝え、予算や残っている歯の本数などを考慮しながら入れ歯の素材・構造を相談しましょう。

前歯を入れ歯にする際の注意点

前歯を入れ歯にする注意点イメージ
前歯を入れ歯にする際の注意点は、以下の2つです。

・慣れるまで時間が必要
・入れ歯は永久的に使えない

それぞれ詳しく解説します。

慣れるまで時間が必要

入れ歯に慣れるまでには時間がかかります。特につけ始めたばかりの時は違和感を覚えやすいですが、日々使用することで次第に馴染んできます。

最初の段階で「違和感があるから使えない」と諦めてしまう方も少なくありませんが、使用し続けないと入れ歯に慣れることができません。また、長期間入れ歯を使用していないと、入れ歯が合わなくなり使えなくなる可能性もあります。

保険の入れ歯でも自由診療の入れ歯でも、慣れるまでは時間が必要ということを理解しておきましょう。

入れ歯は永久的に使えない

入れ歯は永久的に使用できるものではありません。次第に人工歯がすり減り、噛み合わせが変わってきます。また、入れ歯は歯茎によって支えられているため、歯を失った部分の歯茎が痩せると入れ歯の安定感が徐々になくなります。

入れ歯が合わなくなった際は、入れ歯の修理や新調をしましょう。


まとめ

入れ歯をしている笑顔の人
前歯を失った際、部分入れ歯でも目立たずに補うことが可能です。保険診療の部分入れ歯は、残っている歯に金属のクラスプを引っ掛ける必要があるため目立ちます。

しかし、自由診療の部分入れ歯であれば、金属のクラスプを使用せずに作製が可能です。ノンクラスプデンチャーやインプラントオーバーデンチャーは、見た目も自然で周りから入れ歯を装着していることに気付かれにくいでしょう。

金属床義歯の場合も、ノンクラスプにしたり金具が見えにくくしたりすることができます。希望する素材や費用、残っている歯の本数などによって、ご自身にあう前歯の部分入れ歯を選択するといいでしょう。

入れ歯を検討している方は、神戸市東灘区にある木下歯科医院にお気軽にご相談ください。