こんにちは。神戸市東灘区にある木下歯科医院です。
失った歯を補う治療法のひとつに入れ歯があります。入れ歯を入れると老けるという噂を聞いて、入れ歯を選択すべきか悩まれている方がいるのではないでしょうか。
では、入れ歯を入れると本当に老けるのでしょうか。
今回は、入れ歯を入れると老けるのか解説します。入れ歯が合わないときの対処法や入れ歯の種類についても解説しますので、入れ歯を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
歯を失ったままだと老ける?
歯を失ったまま放置すると、口元にしわができたり、頬がへこんだりすることで老けて見えることがあります。
虫歯や歯周病などで抜歯せざるを得なくなっても、歯の部分がなくなるだけだと思われるかもしれません。そもそも、歯を支える骨は噛む刺激によって維持されています。
しかし、歯を失うことで歯を支える骨が吸収され、歯茎も大幅に下がるのです。そのため、前歯を失うと鼻の下がへこみ、口元にしわが寄ることで老けて見えることがあります。奥歯を失うと頬がへこみ、老けて見られることがあるでしょう。
また、歯を失ったまま放置して、歯がある部分だけで噛んでいると、噛み合わせが悪化し、顔貌に影響を与えることもあります。
このことから、歯を失ったまま放置すると老けることにつながるため、なるべく早く治療することが大切です。
入れ歯を入れると老ける?
入れ歯はご高齢の方が使うものというイメージがあることで、入れ歯を使用すると老けると思われている方は多くいらっしゃいます。
しかし、先述したように歯を失ったまま放置することが老けることにつながるため、入れ歯で老けることはないでしょう。むしろ、失った歯の代わりに入れ歯を入れることで、口元のハリや頬のふくらみが維持されるため、若々しさを維持できるはずです。
ただし、合わない入れ歯を使用するとお顔の印象が変わり、老けて見えることがあります。
そこでここでは、合わない入れ歯を使うことで老ける3つの原因を解説します。
噛み合わせが悪い
入れ歯の噛み合わせが高すぎたり低すぎたりすると、筋肉の使い方が変化してお顔の印象が変わることがあります。
お口周りの筋肉がバランスよく使われることで、お口の若々しさは維持されていますが、筋肉のバランスが変化すると老けて見えることがあるのです。
特に、噛み合わせが合わないことで片側ばかりで噛む癖がつくと、片方の筋肉ばかりが鍛えられ、反対側は衰えていきます。これにより、お顔にしわができたり、顔貌に左右差が出たりして、老けて見えることがあるでしょう。
また、噛み癖によって顎関節症を発症し、全身の健康にも影響を及ぼすおそれもあるため、十分に注意しなければいけません。
入れ歯のサイズや歯の位置が悪い
口元の若々しさは、入れ歯のサイズによっても印象が変わります。口元のしわを改善しようと、入れ歯のサイズを大きくしたり歯を前側に配置したりすると、口元が突出した印象になりやすいでしょう。
反対に、口元の突出感を改善しようと歯を引っ込めすぎると、口元のしわやハリの喪失により老けて見えることにつながります。
このように、口元の若々しさは入れ歯のサイズやバランスが大切なのです。
歯の色が合っていない
歯が黄ばんでいる、反対に白すぎるなど、元々の歯や歯茎の色と合っていないと、不自然な印象になって老けて見えることがあります。口元の美しさがお顔の印象にも影響を与えるため、入れ歯の色味を合わせることも大切なポイントです。
入れ歯が合わないときの対処法
入れ歯が合わないときは、歯科医院で調整してもらいましょう。
上述のとおり、合わない入れ歯を使い続けると老けて見えることがあります。また、審美面以外にも十分に咀嚼できないことで消化器官に負担がかかったり、お口周りの筋肉が衰えたりすることで、口腔内の環境が悪化することもあるでしょう。
そのため、入れ歯が外れやすい・噛みにくい・痛いなどの不具合がある場合は、まずは歯科医院を受診しましょう。入れ歯の噛み合わせや床部分の調整などをすることで、改善される場合があります。
入れ歯が合わないからと、入れ歯の使用を止めてはいけません。入れ歯を使用しなくなると、歯並びや噛み合わせが悪化することで顔貌が変化し、さらに老けて見えることもあるのです。また、長期間入れ歯を使わないと、周りの歯が移動し、入れ歯が入らなくなることもあります。
このように、合わない入れ歯を使い続けるとさまざまなリスクがあるため、歯科医院で調整してもらう必要があるのです。入れ歯を調整しても改善されない場合は、歯科医師に相談のうえ、入れ歯の作り直しを検討するのも方法のひとつです。
入れ歯の種類
入れ歯には1本から対応できる部分入れ歯と、全ての歯に対応できる総入れ歯の2種類があり、どちらにも保険と自費のものがあります。
ここでは、保険と自費の入れ歯の種類をそれぞれ解説します。
保険の入れ歯
保険の入れ歯で使用される素材はプラスチックです。プラスチック素材を使用することで費用が抑えられるものの、歯茎の形に合いづらかったり、適合が悪くなりやすかったりするのがデメリットです。
また、部分入れ歯のクラスプ部分には金属が使用されるため、歯の部位によっては金具が目立ちます。これにより、老けて見えたり、お顔の印象が悪くなったりしやすいでしょう。
自費の入れ歯
保険の入れ歯は使用できる素材が限られている上、ルールがあるため、精密な入れ歯を作るには限界があります。
その点、自費の入れ歯は費用がかかりますが、さまざまな素材を選択でき、お口の状態に合わせた入れ歯を作れるのがメリットです。
合わない入れ歯を使い続けると、お顔が老けることにつながります。そのため、入れ歯が合わなくて老けてしまった方だけでなく、お顔が老けるのを予防したい方は、自費の入れ歯を検討するのもよいでしょう。
ここでは、自費の入れ歯を4つご紹介します。
ノンクラスプデンチャー
ノンクラスプデンチャーとは、金属のバネを使用しない入れ歯のことです。
保険の部分入れ歯の場合、歯にひっかける部分に金属のバネが使用されています。
一方、ノンクラスプデンチャーは金属のバネを使用しません。バネの代わりに歯茎と同じピンク色の樹脂が使用されています。そのため、どの部位に使用しても見た目がよいのがメリットです。
また、柔軟性のある素材を使用するため、適合がよい上、周りの歯や歯茎を傷つける心配がありません。
そのため、保険の部分入れ歯のクラスプが目立つことにお悩みの方に適しているかもしれません。
金属床義歯
金属床義歯とは、歯茎に触れる部分にチタンやコバルトなどの金属を使用した入れ歯のことです。
金属は丈夫で長持ちしやすく、薄く作れることで違和感や痛みが出にくいのがメリットです。また、金属を使用することで食べ物の温度が伝わりやすくなるため、食事をおいしくいただけるでしょう。
ただし、金属アレルギーを引き起こす可能性があるため、金属アレルギーが心配な方は注意が必要です。
マグネット式入れ歯
マグネット式入れ歯とは、磁石の力で固定する入れ歯のことです。残っている歯根にマグネットを取り付け、その上にマグネットが付いた入れ歯を固定します。
通常の入れ歯は歯茎や歯を支えにしますが、マグネット式入れ歯は磁力を支えにするため、安定感が高いのがメリットです。しっかり噛めることで全体の骨の吸収を抑えられるため、老けることを抑制できるでしょう。
シリコン義歯
シリコン義歯とは、歯茎に触れる部分にシリコンという樹脂を使用した入れ歯のことです。クッション性の高いシリコンを使用するため、違和感や痛みが出にくいうえ、密着性が高く、お口の中でフィットしやすいでしょう。
ただし、素材的に汚れが付着しやすかったり、入れ歯が分厚くなりやすかったりすることがあります。また、修理に時間がかかるほか、場合によっては修理できないことがあるのがデメリットです。
まとめ
入れ歯はご高齢の方が使うものというイメージがあることで、入れ歯を使用すると老けると思われている方が多くいらっしゃいます。
しかし、入れ歯を使うことで老けるのではなく、歯を失ったまま放置することで口元のしわや頬のへこみに繋がり、老けて見えることがあるのです。そのため、歯を失った場合は放置せず、なるべく早く治療しましょう。
ただし、合わない入れ歯を使い続けると、お顔の印象が変わって老けて見えることがあります。入れ歯のサイズが合わない・外れる・噛めないなどの不具合がある場合は、歯科医院で調整してもらいましょう。
入れ歯を検討している方は、神戸市東灘区にある木下歯科医院にお気軽にご相談ください。