入れ歯コラムCOLUMN

総入れ歯が完成するまで歯がない期間はある?対応法を解説!

こんにちは。神戸市東灘区にある木下歯科医院です。

総入れ歯
総入れ歯を作るには、いくつかの工程があります。「完成するまで歯がないの?」「何も食べられないの?」と心配に思う方もいらっしゃるでしょう。

今回は、総入れ歯が完成するまでの歯がない期間について解説します。ぜひ参考にしてください。

総入れ歯の製作期間はどれくらい?

総入れ歯の製作期間イメージ
総入れ歯の製作期間は。2週間程度です。総入れ歯の種類や使用する素材によって変動するので、1か月程度と考えるとよいでしょう。

総入れ歯が完成するまで歯がない期間はある?

総入れ歯の老人
基本的には、歯がまったくない期間はありません。総入れ歯の完成までには数週間を要しますが、患者様の生活に支障をきたさないよう、即時義歯(そくじぎし)を製作します。

即時義歯とは、仮の入れ歯です。即時義歯を装着すれば、日常生活は不便なく過ごせるでしょう。

総入れ歯が完成するまでの流れ

総入れ歯が完成するまでの流れイメージ
総入れ歯を製作する際は、いくつもの工程が必要です。治療開始から総入れ歯が完成するまでの主な流れを解説します。

カウンセリング

カウンセリングでは、どのようなことに困っているのかを伺います。入れ歯治療に対する希望がある場合は、しっかり伝えましょう。

保険内で製作するのか、保険外で製作するのかなど、相談しながら治療内容を検討します。

検査

総入れ歯を支える骨が十分にあるかなどを確認します。歯茎に炎症はないかなど、口腔内の状態を詳しく検査するでしょう。

治療方針の説明

検査によって得られた結果をもとに、最善と思われる治療計画をお伝えします。患者様が納得できたら、治療開始です。

1回目の印象採得

印象採得(いんしょうさいとく)とは、歯型を採ることを指します。総入れ歯は口腔内全体に装着する大きな技工物なので、印象採得が非常に重要です。

総入れ歯の場合、型を採るための型を製作することから行います。

個人トレーの製作

印象採得した型をもとに、患者様専用のトレーを製作します。製作したトレーを用いて、総入れ歯を製作するため印象採得を行うのです。

2回目の印象採得

製作された個人トレーを用いて、総入れ歯を製作するための型取りをします。より広い範囲の印象を採得するため、口腔内の奥まで印象材を流し込みます。

そのため、嘔吐反射が出やすい方は直前の飲食を避けるなど、工夫する必要があるでしょう。治療前の食事は消化のよいものを選ぶことも重要です。

嘔吐反射が出やすい場合、事前に歯科医師に伝えてください。印象材の量を最小限にする、少し体を起こして印象採得を行うなど、嘔吐反射が出にくいように対応できます。

石膏模型の製作

印象採得した型をもとに、石膏で模型を製作します。模型上で噛み合わせの位置や高さなどを確認しながら治療を進めるのが一般的です。

試適

完成した総入れ歯を口腔内に装着し、適合状態を確認します。痛みや不具合がある場合は、遠慮なく伝えてください。

調整・完成

粘膜に強く当たって痛む部位などを削り、口腔内に適合するよう調整します。調整した部分を磨き上げたら総入れ歯は完成です。

快適に使用できるよう、定期的な検診と調整を重ねます。


メンテナンス指導

総入れ歯を使用していると、入れ歯の床(しょう)と口腔内粘膜の間に食べカスが残留し、歯茎に炎症が起きやすくなります。歯科医師や歯科衛生士から正しい口腔ケアの方法を指導してもらって実践することで、総入れ歯を長く快適に使えるでしょう。

総入れが完成するまでの歯がない期間はどうする?

総入れ歯に疑問があるイメージ
総入れ歯が完成するまでは、即時義歯(そくじぎし)を使用するケースが多いです。治療前から入れ歯を使用している場合は、口腔内環境に合わせて加工し仮の入れ歯として使用する場合もあります。

総入れ歯の製作期間中もしっかり口腔ケアを!

歯を磨くシニア女性
総入れ歯になると、ご自身の歯はすべてない状態ですが、口腔内ケアは必須です。

口腔ケアを怠ることによる影響は、以下のとおりです。


歯茎に炎症が起きる

ご自身の歯が揃っているときは、硬い野菜やおせんべいも噛み砕けます。

しかし、歯の本数が減ると柔らかい食べ物を好むようになります。柔らかい食べ物は噛みやすい反面、粘着性がある場合が多いです。

食後、汚れとして残留しやすいでしょう。汚れが付着した状態が続くことで、歯茎が腫れることがあるのです。

歯茎が腫れると、製作中の総入れ歯の形が合わなくなることがあります。ご自身の歯が残存しているときと同じように、しっかりと口腔ケアを行ってください。


歯茎が退縮する

歯があるときは、食べ物を摂取する際に歯茎や歯槽骨に適度な負荷がかかります。歯がなくなることで、口腔内への刺激が減少するでしょう。

口腔内への刺激が減少すると、歯茎が痩せる・退縮する現象が起きます。歯茎の形状が変化した際は、総入れ歯の内側を調整しますが、退縮が激しい場合は継続して使用できなくなるでしょう。総入れ歯の作り直しが必要です。


歯茎を健康な状態に保つためには、日頃の口腔ケアが非常に重要です。


免疫力が低下する

歯がなくなり物を噛む機会が減ると、唾液の分泌量が減少します。唾液には、細菌などが体内に入り込むことを防ぐ機能があります。

唾液が十分に分泌されていない状態では、口腔内に細菌が滞留しやすくなり、病原菌に感染しやすくなるのです。体の不調が原因で、使用していた総入れ歯が合わなくなることがあります。


肺炎になる

お口の中が不衛生になると、残留した食べ物やプラークが気管を通って肺に到達し、肺炎になることがあるのです。口腔内細菌が血管を通じて全身を巡り、劇症肝炎を引き起こした事例もあります。

健康状態が悪化すると、新たに製作した総入れ歯を有効に活用するのは難しいでしょう。年齢を重ねた場合は、よりリスクが高まるので十分に注意してください。

総入れ歯の方の口腔ケア方法

総入れ歯のケア用品
総入れ歯になっても、口腔ケアが重要なことをご説明しました。

しかし「歯がないのにどうやってケアするの?」と思う方もいるでしょう。総入れ歯の口腔ケアには、以下のグッズが有効です。


柔らかい歯ブラシ

歯が残存していた際に使用していた歯ブラシをそのまま使い続けるのは避けましょう。歯茎だけになった口腔内は、非常にデリケートだからです。

総入れ歯にする際は、やわらかめの歯ブラシを用意し、マッサージしながら口腔内を清掃してください。


口腔ケアスポンジ

歯ブラシでは痛む場合や、汚れが落とせない場合があるかもしれません。口腔ケアスポンジを使用するとよいでしょう。

棒の先に小さなスポンジが付いているので、口腔内粘膜に付着した汚れを優しく除去できます。


口腔ケア用ウェットティッシュ

歯ブラシやスポンジでも刺激が強いと感じる場合は、口腔ケア用ウェットティッシュを使うとよいでしょう。

しかし、口腔ケア用ウェットティッシュでは十分に歯垢を除去できません。あくまでも補助器具として使用し、歯ブラシやスポンジを用いて清掃しましょう。


保湿ジェル

口腔内の清掃をする際に、粘膜の乾燥が著しいと痛みを感じることがあります。乾燥による痛みを感じる場合は、保湿ジェルを用いるとよいでしょう。

塗布をする際にマッサージすると、健康な歯茎をキープできます。


マウスウォッシュ

体調によっては、清掃器具を口腔内に挿入できないこともあります。清掃器具を口腔内に入れられないときは、マウスウォッシュを活用しましょう。

歯ブラシやスポンジを用いたときのような高い清掃効果は期待できませんが、口腔内の細菌を減らせます。

まとめ

入れ歯を持つ人
総入れ歯になってご自身の歯がすべてなくなることに、不安を感じる方もいらっしゃるかもしれません。歯科医院では、患者様に安心して治療を受けていただけるよう、さまざまな工夫を行っています。

総入れ歯を製作する際も例外ではなく、治療中も不自由なく食事ができるように仮の入れ歯を製作します。仮の入れ歯は、審美性を保つ役割も果たすでしょう。

不安なく治療を進めるためには、歯科医師や歯科衛生士とコミュニケーションをとることが欠かせません。疑問や不安があるときは、ぜひ積極的にご相談ください。

入れ歯を検討している方は、神戸市東灘区にある木下歯科医院にお気軽にご相談ください。