こんにちは。神戸市東灘区にある木下歯科医院です。
「入れ歯をすると滑舌が悪い」とお悩みではありませんか。また「滑舌が悪く聞き取りにくい」と周囲の方に迷惑をかけていないか不安を感じている方もいらっしゃるかもしれません。発音に支障が出ると、日常生活にも影響があるので何か対策はないのか知りたい方は多いと思います。
本記事では、入れ歯と滑舌の関係について入れ歯で滑舌が悪くなる原因や対処法をご紹介します。入れ歯を入れると喋りにくい・発音しにくいとお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。
入れ歯で滑舌が悪くなる原因
入れ歯を入れると「うまく発音できない」「滑舌が悪い気がする」とお悩みの方は多いでしょう。入れ歯を入れると滑舌が悪くなる原因は何なのか疑問に感じている方もいらっしゃると思います。
入れ歯によって滑舌が悪くなる原因は、以下の4つが考えられます。
・入れ歯に慣れていない
・入れ歯が分厚い
・不必要なすき間がある
・入れ歯の経年劣化した
以下、それぞれ解説します。
入れ歯に慣れていない
初めて入れ歯を使用する方や新しく入れ歯を作製した際は、ご自身が入れ歯に慣れていないため、滑舌が悪くなるケースが多いです。
初めて入れ歯を使用する方は、口の中に何も入っていない状態から入れ歯が入るので、違和感が出やすく滑舌にも影響があらわれるリスクが高いでしょう。
しかし、舌や頬などの組織が入れ歯に慣れると、滑舌も自然と改善されます。痛みなどの症状がなければ1~2週間ほど様子をみて滑舌の改善がみられるか確認する場合が多いです。
入れ歯が分厚い
保険適用の入れ歯の場合、入れ歯の床(土台)部分にプラスチックを使用します。入れ歯の破損や吸着力の低下を防ぐため、土台となるプラスチックにはある程度の厚みと大きさが必要です。
しかし、入れ歯に厚みをもたせすぎると、舌を動かすスペースがなくなってしまいます。発音する際、私たちは舌を複雑に動かして音を出します。入れ歯によって舌の動きが制限されると、結果的に滑舌が悪くなるリスクが高いです。特に、上の歯が総入れ歯の場合、入れ歯に厚みと大きさが必要なので舌の動きが制限されやすい環境となります。
不必要なすき間がある
発音する際に、入れ歯とご自身の歯の間に不必要なすき間がある場合や噛み合わせの位置が整っていない場合、滑舌が悪くなるリスクがあります。
特に「サ行」は、舌の先と上あごにすき間をつくり、漏れる息の摩擦音で発音します。そのため、入れ歯とご自身の歯との間にすき間があると空気が漏れてしまうためうまく発音できません。また、噛み合わせの位置が整わず口がうまく閉じられない方は、上下の唇をくっつけるような動作が必要となる「マ行」の滑舌が悪くなりやすいといわれています。
入れ歯が経年劣化した
今まで問題なく使用していた入れ歯で急に滑舌が悪くなった場合、入れ歯の経年劣化が考えられます。
入れ歯を長期にわたって使用すると、噛み合わせ部分が擦り減り、バネが緩んでがたつきやすいです。入れ歯の噛み合わせが悪くなると、入れ歯と歯茎の間にすき間が生じる場合や噛み合わせの高さが変化する場合があるので、発音がしにくくなるなどの不具合が出るリスクがあります。
入れ歯で滑舌が悪いときの対処法
「入れ歯をすると滑舌が悪くなることは、仕方がない」と諦めてはいませんか。滑舌が悪い場合、適切な対処を行えば改善できる可能性があります。
以下、入れ歯で滑舌が悪くなったときの対処法を5つご紹介します。
①入れ歯に慣れる
入れ歯に慣れていないことが原因で滑舌が悪くなっている場合は、入れ歯が入った状態に慣れれば解消される可能性が高いです。積極的に入れ歯を装着した状態で喋りましょう。
ご家族や親しい間柄の方に聞き取りにくい音がないか確認してもらって、発音を練習するのも有効な方法です。1〜2週間ほどで舌の動かし方や口の開閉方法に慣れて滑舌がよくなるでしょう。
発音しにくい・滑舌が悪くなるからといって入れ歯を外した状態が続くと、滑舌の改善に時間がかかってしまいます。なるべく入れ歯を装着するように心がけましょう。
②入れ歯の厚さを薄くする
舌が入れ歯にあたって思うように動かせない場合は、滑舌に支障が出ている部分を削って、あたりをなくすことで解消できる可能性があります。
ただし、保険適用の入れ歯は床部分がプラスチック製なので、薄くし過ぎるとヒビが入るリスクや割れるリスクが高くなるため注意が必要です。発音しにくい音がある場合は、歯科医師に伝えることで調整するべき部分が明確となり、スムーズに治療を進められます。
入れ歯の厚みが原因の場合は、歯科医師に調整してもらう必要があります。気になる方は早めに相談するとよいでしょう。入れ歯を限界まで薄くしても滑舌の悪さが改善されない場合は、金属床も選択肢のひとつとして検討することをおすすめします。
③入れ歯の形を修正する
入れ歯とご自身の歯との間にすき間が生じている場合は、すき間を埋めて空気が漏れない形に調整する必要があります。
歯科医院では、入れ歯の形と生じているすき間を確認しながら、すき間部分に材料を足して発音に支障がない形にします。また、経年劣化によって入れ歯やバネが擦り減っているケースでは、入れ歯のすり減り部分に材料を足す・バネ部分だけ新しく作り変えることで解消される場合が多いです。
しかし、調整によって入れ歯の形が変わるので、痛みや違和感が出ることがあります。痛みや違和感がなく発音にも支障が出ないようにするためには、何度か調整が必要です。治療をスムーズに進めるために、気になる点は歯科医師にしっかり伝えることがポイントとなります。
④入れ歯を新製する
入れ歯の経年劣化などが原因の場合、新しく作り直すことも有効な手段です。
保険適用の入れ歯の場合、寿命は4~5年といわれています。何度か通院する必要がありますが、古い入れ歯で噛み合わせや発音に支障が出ている場合は、入れ歯を新製するのがよいでしょう。
入れ歯の新製には時間と費用がかかるため、負担が大きく、面倒に感じる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、噛み合わせや歯並びはつねに変化しています。定期的に歯科医院で入れ歯を調整している方は、より長く入れ歯を使うことが可能です。入れ歯であっても、歯科医院を定期的に受診して、噛み合わせなどにトラブルがないか確認してもらうとよいでしょう。
⑤入れ歯以外の治療法を検討する
入れ歯を調整しても滑舌や使用感に違和感がある場合は、入れ歯以外の治療法を検討してみるのもよいでしょう。
歯を失った際に選択できる治療法は、入れ歯・ブリッジ・インプラントの3種類となります。ブリッジ・インプラントを選択すれば、歯茎を支えとして使用しないため、違和感が少ないメリットがあります。舌の動きが制限されることもないので、滑舌に支障がでるリスクも低いです。
ただし、失った歯の本数など、口内の状態や全身の健康状態などによって、できる治療が限られる場合があります。入れ歯以外の治療法を検討したい方は、歯科医師に相談すると適切な治療法を提案してもらえるでしょう。
まとめ
「入れ歯をすると滑舌が悪くなる」とお悩みの方は多くいらっしゃいます。
しかし、滑舌に影響が出る原因を理解して適切な対処を行えば、改善されるケースがほとんどです。なぜ滑舌が悪くなるのか、原因を突き止めることがポイントといえます。
また、入れ歯を新製した場合、入れ歯に慣れていないことが原因で滑舌に支障が出ることがあります。こうしたケースでは、入れ歯に慣れることが滑舌の改善に必要不可欠なので、なるべく入れ歯を装着して発音しましょう。舌や口周りの筋肉が、次第に入れ歯に適応して滑舌の改善に繋がります。
入れ歯を使用していても改善がみられない場合は、入れ歯に問題がある可能性が高いです。入れ歯が分厚い・不必要なすき間が生じているなどの原因がある場合は、歯科医院で調整してもらう必要があります。滑舌が悪くなる原因はさまざまな理由が考えられるので、気になる方は早めに歯科医院を受診して確認してもらいましょう。
入れ歯を検討している方は、神戸市東灘区にある木下歯科医院にお気軽にご相談ください。