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ノンクラスプデンチャーとは?メリットや費用を詳しく解説!

 こんにちは。神戸市東灘区にある木下歯科医院です。

模型に装着された部分入れ歯

ノンクラスプデンチャーとは、金属のバネを使用しない入れ歯のことです。金属のバネで歯を締め付ける一般的な入れ歯は、目立ちやすいのがデメリットでした。

しかし、ノンクラスプデンチャーは金属を使用しないため、入れ歯を装着しても見た目に影響を与えません。
今回は、ノンクラスプデンチャーのメリットや費用について詳しく解説します。

 

ノンクラスプデンチャーとは

疑問があり頭に?を浮かべる女性

ノンクラスプデンチャーとは、クラスプ(義歯を支える金属製のバネ)を使用しない入れ歯のことです。通常の部分入れ歯には金属のバネがついており、ほかの歯に締め付けることで入れ歯を固定します。
しかし、ノンクラスプデンチャーはバネを使用せず、床の部分を口内に密着させることで固定します。ノンクラスプデンチャーの素材は、ポリアミド(ナイロン)、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリプロピレン、アクリルの5つです。いずれも厚生労働省の認可を受けた素材なので安心して使用できるでしょう。

ノンクラスプデンチャーの種類を、以下それぞれ詳しく解説します。

ナチュラルデンチャー

ナチュラルデンチャーは、自然な見た目を重視した金属クラスプを使わないノンクラスプデンチャーです。ポリアミドを主成分とした柔軟性の高い樹脂が使用されています。

軽量で柔軟、アレルギーの心配も少なく、身体にやさしい入れ歯です。適合性がよく、装着感も優れています。

スーパーナチュラルデンチャー

ナチュラルデンチャーを基本に、内部にコバルトクロム合金を加えて強化したノンクラスプデンチャーです。床のたわみを防ぐため、噛む力が向上します。

口の中での違和感が少なく、滑らかな装着感を実現しています。見た目の自然さと噛みやすさを両立したノンクラスプデンチャーです。


ナチュラルフィット

ドイツのDETAX社製のシリコン素材を使用したナチュラルデンチャーで、審美性、機能性、快適性が高いノンクラスプデンチャーです。
表面のコーティングにより菌の付着を抑制するため、衛生的に使用できます。

ナチュラルソフト

ナチュラルデンチャーの特長を維持しつつ、シリコン素材を追加して快適性を向上させたノンクラスプデンチャーです。
シリコンがクッションになることで痛みを軽減し、密着性が高くフィット感があります。噛み心地がよいノンクラスプデンチャーです。

エステデンチャー

エステデンチャーは、金属を使用せず、PETを主成分としたノンクラスプデンチャーです。
金属を使用していないため、入れ歯をつけていることがわかりにくいメリットがあります。

スーパーエステデンチャー

エステデンチャーをベースに、内部にコバルトクロム合金を用いて強化したものがノンクラスプデンチャーです。床のたわみを抑えることができるため、噛む力が向上します。

最小限の範囲で装着できるため、口の中での違和感が少なく滑らかな装着感が特徴です。自然な見た目と噛みやすさを両立しています。


ノンクラスプデンチャーのメリット・デメリット
メリットとデメリットの札が釣られている

ノンクラスプデンチャーは、見た目が自然なことが最大のメリットです。一方、平均寿命が2〜3年と短いことがデメリットといえるでしょう。

メリット

ノンクラスプデンチャーのメリットは、以下のとおりです。


自然な見た目を手に入れられる

ノンクラスプデンチャーは、金属のクラスプがないため、義歯を装着していることがわかりにくいです。樹脂の部分は歯茎とほぼ同じ色の素材を使用するため、非常に自然な見た目に仕上がります。


周囲の歯や歯茎の負担が軽減される

保険適用の入れ歯は、固定するために周囲の歯をクラスプで締め付けなければなりません。金属による締め付けは、歯や歯茎に負担がかかり、不快感を覚えることもあります。

しかし、ノンクラスプデンチャーは、床で歯と歯茎を覆って固定します。樹脂製なので軽くて柔らかく、固定の際に歯を締め付けないため、不快感や歯の負担が軽減されるでしょう。


噛む力が強くなる

固定する部分が床と一体化しているため、入れ歯が安定しやすいです。安定性が高いと力強く噛むことができるため、味や食感を楽しむことができます。

保険適用の入れ歯は安定性が劣るため、しっかりと噛むことができません。

一方、ノンクラスプデンチャーはしっかりと噛めるため、味や食感を損なわれることなく食事を楽しめるのです。

自費診療の入れ歯では比較的安価に使用できる

自費診療の入れ歯にはいくつか種類がありますが、そのなかでもノンクラスプデンチャーは費用が安い傾向にあります。見た目を重視しつつ費用を抑えたい場合は、ノンクラスプデンチャーを選ぶとよいでしょう。

金属アレルギーの心配がない

クラスプは金属でできているため、金属アレルギーを引き起こす可能性がありますが、ノンクラスプデンチャーはジルコニアなどの非金属素材で作製しています。金属アレルギーがある方でも安心して使用できるでしょう。

ただし、ストッパーの部分に金属を使用する場合があるため、金属アレルギーがある方は事前に歯科医師に伝えましょう。

デメリット

ノンクラスプデンチャーのデメリットは、以下のとおりです。

寿命が短い

ノンクラスプデンチャーの大きなデメリットは、寿命が短いことです。口腔内の状態やお手入れの状況によって変わりますが、ノンクラスプデンチャーの寿命は一般的に2〜3年ほどといわれています。そのため、頻繁に作り替える必要があります。

保険適用の入れ歯はプラスチック製なので、平均的な寿命は約3年と、樹脂製のノンクラスプデンチャーとあまり変わりません。保険適用の入れ歯と平均寿命がほとんど変わらないにもかかわらず、自費診療のノンクラスプデンチャーを頻繁に作り直すことは、経済的な負担が大きいでしょう。

自費診療で作製される金属製の入れ歯は、耐久性があるため10〜20年ほど使用できるといわれています。自費診療のなかでは比較的安価なノンクラスプデンチャーですが、寿命の短さは大きなデメリットといえるでしょう。

修理が難しい

樹脂製のノンクラスプデンチャーは弾力性に優れているため、壊れにくいのが特徴です。

しかし、特殊な樹脂を使用しているため、万が一破損した場合は修理ができないことが多く、新しく作り直す必要があります。

すべての症例に適応しているわけではない

歯が3〜4本以上残っていなければ、ノンクラスプデンチャーを装着することは難しいです。また、噛み合わせに問題があったり、歯の高さが十分でなかったりすると、適応できない場合もあるため注意しましょう。

ノンクラスプデンチャーの寿命

机の上に置かれた歯ブラシと入れ歯

ノンクラスプデンチャーの寿命は、一般的に2〜3年程度といわれています。

ただし、使用する素材や使用状況によって寿命は変化します。歯茎や口内環境の状態、噛む力によっても左右されるでしょう。

ノンクラスプデンチャーはバネがなく、義歯本体が歯に密着する構造であるため、材質によっては、短期間で消耗することがあります。また、使用状況によっては、義歯本体にひび割れや変形が生じ、寿命が短くなる場合があります。

ノンクラスプデンチャーの寿命をのばすためには、適切なケアやメンテナンスが重要です。定期的に調整やクリーニングを行い、清潔な口内環境を維持しましょう。


ノンクラスプデンチャーの費用

メモとペンを持って電卓をつかう女性
ノンクラスプデンチャーは1歯からでも作製できます。本数や種類によって料金に差が出ますが、およその費用相場は、以下のとおりです。

<ノンクラスプデンチャーの費用>

種類 費用相場
ノンクラスプデンチャー 約100,000円
金属素材を使用するノンクラスプデンチャー 約150,000円

樹脂素材を中心に作製した場合は、比較的費用を抑えられます。

しかし、耐久性のある金属素材を組み合わせた場合は、費用が高くなります。

ノンクラスプデンチャーがおすすめの方

男性患者に入れ歯の説明をする男性医師

ノンクラスプデンチャーは、以下のような方に向いているといえるでしょう。

・自然な見た目を重視したい方

・義歯を着用している間もできるだけ快適に過ごしたい方

・食べ物の味をしっかりと感じたい方

・歯や歯茎に負担をかけたくない方

ノンクラスプデンチャーは、金属バネを使用しないため、見た目が自然であり、周囲の人にもわかりにくい入れ歯です。装着感のよさから、口の中が快適というメリットもあります。

また、義歯をつけたときに噛む力が増し、食べ物の味をしっかりと感じることができるため、食事の満足度が高いことも特徴です。バネでほかの歯を締め付けることがないため、歯や歯茎への負担も減らすことができるでしょう。

まとめ

入れ歯を持って口に装着しようとしている老男性

ノンクラスプデンチャーは見た目が自然なため、入れ歯を装着していることがわかりにくいです。そのほかにも、金属アレルギーの心配がなく、違和感が少ないなど、メリットが多い入れ歯といえるでしょう。

しかし、耐久性が低いため平均寿命が2〜3年と短く、頻繁に作り替える必要があるのがデメリットです。ノンクラスプデンチャーは自費診療の入れ歯の中でも比較的安価といわれていますが、何度も作り直すことは経済的な負担になるでしょう。

入れ歯は種類が豊富な治療法です。それぞれのメリットとデメリットをしっかりと理解したうえで、治療法を選択することが重要です。入れ歯治療でわからないことや気になることがある場合は、歯科医師に相談するとよいでしょう。

入れ歯を検討している方は、神戸市東灘区にある木下歯科医院にお気軽にご相談ください。