入れ歯コラムCOLUMN

歯医者に行きたくない方でも歯がないまま治療しないのは危険です

「歯医者に行きたくない」は危険!歯がない状態を放置すると起こること

2018年に全国2,345の歯科医院で行われた全国抜歯原因調査結果によると、歯を失う2大原因は「歯周病」(37%)と「虫歯」(29%)となっています。

ここでは、虫歯や歯周病を放置した場合にどうなってしまうのかを見ていきましょう。

歯周病や虫歯がひどくなってしまう

虫歯や歯周病を治療せずに放置した場合、当然、症状は悪化の一途。虫歯も歯周病も自然治癒することはありません。

虫歯の進行過程

虫歯の進行度は、CO、C1、C2、C3、C4の5段階に分けられます。

  • CO:初期段階で、歯の表がごくわずかに溶けている状態です。まだ歯に穴は空いておらず、ケアによっては自然治癒が可能です。
  • C1:第二段階で、歯の表面に小さな穴(茶色または白濁)が空いている状態。冷たいものは染みることがあります。痛みがないこともあり、この段階では自覚症状がないことも多くあります。
  • C2:第三段階で、より深く黒い穴が空いている状態です。冷たいものや甘いものが染みるようになり、痛みも感じるため、虫歯と自覚する頃です。
  • C3:第四段階で、虫歯が神経まで到達し、歯の神経が炎症を引き起こしている状態です。冷たいものや甘いもの以外に、熱いものも染みるようになり、何もしていなくても激しく痛むようになります。
  • C4:第五段階で、痛みを感じる神経が壊死し、痛みを感じなくなります。強烈な口臭が起こり、多くの場合で抜歯が必要になります。

歯周病の進行過程

歯周病の場合も5段階で説明します。

  • 健康な状態:歯と歯ぐきの間には1〜2mm程度の隙間があります。
  • 歯肉炎:歯垢(プラーク)がたまった状態を放置すると、歯ぐきに炎症が起き、2〜3mmの隙間ができます。
  • 歯周炎(軽度):歯ぐきの炎症がひどくなり、歯周病菌が歯周組織に侵入。歯槽骨や歯根膜も破壊されはじめます。

このように虫歯も歯周病も自然に治癒することはなく、悪化することで歯を失う原因となるのです。いずれの場合も、治療を嫌がって放置することで、虫歯の進行度に比例して大きな治療が必要になってしまいます。少しでも早い段階で歯科医院に相談されることをおすすめします。

※参照:厚生労働省 e-ヘルスネット「歯の喪失の原因」
(https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/teeth/h-04-002.html)

※参照:クリニカ「虫歯の原因と進行」
(https://clinica.lion.co.jp/oralcare/mechanism.htm)

※参照:公益財団法人ライオン歯科衛生研究所「歯と口のトラブルとその原因 歯周病」
(https://www.lion-dent-health.or.jp/labo/article/trouble/02.htm)

認知症になるリスク

虫歯や歯周病で歯を失った後、噛めるように治療していない方は要注意。上手く噛めないために柔らかいものばかり食べていたり、丸呑みのようにして食べたりしている方は、認知症になりやすいという調査結果があるのです。

神奈川歯科大学の厚労省研究班の調査を見てみましょう。65歳以上で自分の歯がほとんどなく、しかも入れ歯を使っていない人は、20本以上歯が残っている人と比べて認知症になり介護が必要になる可能性が1.9倍高くなると報告されています。

歯と脳は神経でつながっており、噛むことによって、脳の神経ネットワークが刺激されます。私たちは自分では意識していませんが、噛むことで脳に刺激を与え続けています。

一方、歯がなくて噛めない状態の方は、脳に噛むことによる刺激を与えることができなくなるのです。

大切なのは、日常的にしっかり噛んで食事をしているということ。インプラントや入れ歯であっても、しっかり噛めるような治療ができていれば問題ありません。

万が一歯を失うようなことになった場合は、自分にぴったりの治療で歯を補って、しっかり噛める機能を回復できるようにしましょう。

※参照:神奈川歯科大学「歯を失うと認知症のリスクが最大1.9倍に~厚労省研究班が愛知県の健康な高齢者 4425 名のデータを分析~」
(http://cws.umin.jp/press-releases/022.pdf)

全身に虫歯菌がまわってしまう

虫歯は全身の健康に関わることをご存じでしょうか。虫歯や歯周病を放置していると、その細菌が全身に回り「菌血症」という病気に、また、虫歯菌が顎の骨に拡がると「骨髄炎」という病気になることがあります。

治療を伴わない検診を定期的に受けておくことで、怖い、痛い治療を回避することにもつながります。定期検診は、将来の自分に対しての自己投資とも言えるのです。

お口だけでなく健康な身体を保つために、ぜひ定期的なメンテナンスで歯科医院にお越しください。

菌血症とは

本来無菌であるはずの血液中に細菌が認められる状態を指し、通常血液培養によって証明されます。外傷、皮膚の膿瘍、抜歯や歯石除去などの歯科的または医学的処置、歯肉炎、激しい歯磨き、肺炎や尿路感染症などが原因とされています。

疲れていたり睡眠不足だったりすると、全身の免疫力が下がり、この菌血症が動脈硬化を引き起こします。これが脳梗塞や心筋梗塞につながることもあります。

骨髄炎とは

骨髄の炎症。細菌感染によるものがほとんどです。

原因菌としてはブドウ球菌、緑膿菌、表皮ブドウ球菌、MRSAなどがあります。化膿性骨髄炎とも言われ、急性と慢性に分かれます。

骨の組織に、細菌などの微生物が感染して化膿するもので、難治性の疾患です。

顎の骨が骨髄炎を起こすと激しい痛みや発熱、しびれ、膿が出るなどします。骨髄炎になると治療は長期的になり、場合によっては入院が必要になることも。

歯がない状態になっても行きたくないのはなぜ?歯医者をためらう理由

歯がボロボロで恥ずかしい

1つ目の理由として、虫歯などお口のトラブルが多く、口腔内がボロボロなため恥ずかしい、というものがあります。

見た目をキレイにされている方は、お口の中がボロボロなのを歯医者であっても見せたくないと思われるのかもしれません。特に長期にわたって歯医者から遠ざかっていた方は、不安や恥ずかしさが募ることも多いようです。

しかし、歯医者は毎日様々なトラブルを抱えたお口を拝見していますから、患者さんお一人お一人の治療前のお口の状態をまったく気にしていません(もちろんしっかり拝見いたします)。

久しぶりの受診はとても勇気がいることだと思いますが、お口のトラブルを恥ずかしがる必要はまったくありません。ぜひ一度受診されてください。

痛いのが怖い

歯科治療は痛い、怖いというイメージをお持ちの方も多いと思います。

お口のトラブルが多いと治療もたくさん必要そうだし、痛いのは怖いから行きたくない…と思うのは自然なこと。子供の頃に歯科治療が怖かった経験から、歯科治療に対する恐怖心を強くお持ちの方もたくさんいらっしゃいます。大人だって、痛いのは怖いのです。

治療の痛みは、様々な麻酔で回避できます。「麻酔の注射自体が痛いじゃないか」という方のために、最近は多くの歯科医院で麻酔の注射を刺す前に歯茎に塗る表面麻酔というお薬を取り扱っています。

どうしても怖い、という場合には、半分眠っているような状態で治療できる「静脈内鎮静法」という方法もあります。どの歯科医院でも取り扱っている方法ではありませんが、恐怖心が強い方は取り扱いの歯科医院を調べてみてはいかがでしょうか。

予約や通院が面倒

何度も通院する必要がある、予約を取ったり通院のスケジュールで日常生活を制限されたりするのが面倒に感じて、何となく先送りにしてしまう…という方も多いようです。

大切な歯ですが、どうしても日々の忙しさを優先してしまうお気持ちはよく分かります。

しかし、治療のスタートが遅れるとその分治療の回数や時間もかかることになりますから、どうか今の段階で一念発起していただき、予約を入れていただきたいと思います。

自由診療の場合、一度に長時間の治療ができるなどスケジュールに融通のきく歯科医院もあるため、どうしても忙しいという場合はそういった歯科医院を探してみるのもよいのではないでしょうか。

歯がない状態を補うための治療法とは

歯を失ってしまった場合の治療法は一般的に、入れ歯・インプラント・ブリッジの3つです。

歯を失った部位や本数、歯茎や顎の状態によって治療の選択肢は変わってきますが、それぞれの治療方法や治療期間を見ていきましょう。

入れ歯

残っている歯の本数により、「部分入れ歯」と「総入れ歯」があります。部分入れ歯も総入れ歯も外科手術は不要なため、入れ歯を作る段階で痛みがあることはほぼありません。

基本的にどんな入れ歯も保険で作ることが可能で、完成までの日数はおよそ2週間~1ヵ月(通院回数3~5回)ほど。費用は部分入れ歯の場合で5,000~14,000円、総入れ歯の場合で10,000~15,000円程度となります。

自費診療の場合はよりフィットした入れ歯を目指して精密な型取りや精巧な調整が必要なため、製作期間が長め(2~3か月)になる傾向があります。

インプラント

抜けた歯の根のあった部分にネジのような形をしたインプラント体(人工歯根)を埋め込み、その上に人工の歯を取り付ける治療です。

固定式でしっかり噛めることや、天然の歯と見分けがつかないような審美性を期待できることが大きなメリットですが、外科手術が必要なので、手術が怖い場合には選択肢からは外したほうがよいかもしれません。

自由診療のみのため全額自己負担となり、費用は高額になりがちです。治療期間も他の治療法より長くかかります。

ブリッジ

失った歯があった部分の両隣の健康な歯を削り、その上につながった人口歯をかぶせて、文字通り「橋」をかけるように歯を補う治療法です。固定式のため違和感が少なく、噛む機能もしっかりと回復してくれるため、歯を失った場合によく選ばれる治療法です。

外科手術も不要で、通院2~3回、約2週間程度と、入れ歯やインプラント等の治療法と比べて治療期間が短いこともメリットでしょう。

しかし、両隣の健康な歯を削らなければいけないことが大きなデメリット。両隣の歯の寿命を縮めることになってしまう可能性もあります。

「行きたくない」を尊重。ビデオ通話での無料相談OKな総入れ歯専門の歯医者

「歯医者まで行くのは遠いし面倒くさい。できれば行きたくない…」という方もご安心ください。神戸の歯医者「木下歯科医院」では、無料相談をビデオ通話で行うことができます。

通院する価値があるか?当院であなたのお悩みは改善するのか?ぜひご自宅からでもご相談ください。

当院の精密入れ歯「ESTEETH」は、今までの入れ歯とは作る工程そのものが全く異なるオーダーメイドの精密入れ歯。1回あたり1時間から2時間のお時間をいただき、通院は4回、およそ1か月で入れ歯が完成します。お忙しい方には3日間当院を貸し切る短期集中プランのご用意もあり、歯がない方であっても早く、美しく、快適な入れ歯を手に入れることが可能です。

口元に関するご相談は、些細なことでも歓迎しています。まずはお電話、お申し込みフォームから無料相談をご予約ください。

★無料相談はこちらから>>

医療法人社団 木下歯科医院 
院長 木下 貴雄

  • 国立徳島大学歯学部歯学科 卒業
  • IPSG咬合認定医
  • BPSメンバー(日本第一号となる精密入れ歯国際ライセンス認定歯科医師)