桜も散り、本格的な春が訪れ、昼間は半袖でもいいくらいに暖かくなってきましたが、春の訪れとともに、少しずつ患者様も増え始めてきました。
そんな中、様々な治療をさせて頂く中で、一つ一つの治療を技工士とともにこだわりをぶつけ合い、技に技で答え、切磋琢磨し合う中で、眠っていた自分の中の職人魂がまた目を覚まし始めました。
そう、いい治療を追求し、医療でありながら反面技術職である歯科医師の、職人魂に再び火が付き、楽しくなってきました。
通勤の往復の電車の中は、専門書を夢中で読む毎日に変わりました。
ここ数年間は、歯科治療の勉強の傍ら、経営やサービスなど、様々な分野の勉強をし、どうしたら理想の歯科医院を作ることができるのかという方向に、自分のエネルギーを注いでいたように思いますが、ここにきてまた基本に戻るというか、歯科医師としての根本である、治療行為そのものに喜びを実感するようになってきました。
一人一人の患者様の悩みや人生と真剣に向き合い、歯一つ一つだけでなく、お口全体の事を考え、じっくり治療していく。
一つ一つの行程を丁寧に丁寧に進め、技工士と何度も相談し合いながら、技を鬩ぎあいながら、治療を芸術作品へと近づけて行く。
時間も頭も精神力も使い、大変ではありますが、でも楽しいのです。
宮大工の世界でしょうか。。
そして、それに答えるように、技工士も目をキラキラさせて、いい作品を作ってくれる。
そして、何より患者様が喜んで下さる。
こだわる事は、一歩間違えれば自己満足になりかねません。
そのバランスが非常に難しいのですが、ですが不思議な事に患者様から治療後に様々なお言葉を頂けるのです。
「先生ってほんと治療が好きなんですね」
「手から情熱が伝わってきました」
「こんなに時間をかけて丁寧にされるなんて初めてで、とても安心できます」
とても嬉しい一言です。
あくまで人の手でする事なので、丁寧にやればやる程時間がかかるのは当然なのですが、患者様からすれば、長時間の治療は嫌なもの。
その価値や大切さを伝える事はとても難しいのですが、言葉ではなく私自身の「手」からそれが伝わる事にこの上ない嬉しさを感じました。
元々一人一人のお口と人生に真剣に向き合い、一人最低1時間をルールとしてきめ細やかな治療をしたい。時間がかり、患者様の心と向き合う治療なら居心地のいい空間のほうがいい。そこからスタートした当院です。
これからまた、経営者としてだけではなく、一歯科医師としても精進していきたいと思います。
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