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インプラント治療の失敗例とその原因!失敗を防ぐために大切なことも

こんにちは。神戸市東灘区にある木下歯科医院です。
インプラントのイメージ

インプラント治療は、歯を失った際の機能回復や審美性の向上に非常に効果的な手段として広く普及しています。

しかし、誰もが成功するわけではなく、残念ながら失敗するケースも存在します。インプラントは外科的な処置を伴う高度な治療のため、患者さまの状態や術後の管理、施術を行う歯科医師の技術など、さまざまな要因がその成功率に影響します。

この記事では、インプラント治療における代表的な失敗例とその原因を詳しく解説し、さらに失敗を避けるために治療前に知っておくべきポイントを丁寧にご紹介します。

インプラント治療とは
患者にインプラント治療とはどんな治療か模型を使って説明する歯科医師

インプラント治療とは、虫歯や歯周病、外傷などで失った歯を補うための治療法のひとつです。チタン製の人工歯根を顎の骨に埋め込み、その上に人工歯を装着することで、天然の歯に近い見た目と噛み心地を実現します。

入れ歯やブリッジとは異なり、隣接する歯を削る必要がなく、周囲の歯に負担をかけずに済むというメリットがあります。

また、チタンは生体親和性が高く、体内に埋め込んでも拒否反応を起こしにくいため、長期的に安定して使用できる点も特徴です。しっかりと骨と結合すれば10年以上使用できるケースも多く、治療効果が長持ちしやすいです。

さらに、インプラントの上部構造には、審美性に優れたセラミックなどの人工歯を使用できるため、前歯や見える部分の治療でも自然な仕上がりが期待できます。

ただし、インプラント治療は外科手術を伴うため、全身状態が安定していることや顎の骨の量・質が一定以上あることが前提です。また、治療期間も数ヶ月に及ぶことがあり、1回の通院で完結するわけではありません。

インプラント治療の失敗例とその原因
インプラント治療後の痛みに顔をしかめる男性

成功率が高い治療とされているインプラントですが、中には「思っていたのと違った」「失敗した」と感じるケースも存在します。ここでは、インプラント治療で起こり得る失敗例とその原因について詳しく解説します。

治療後に痛みや腫れが続く

インプラント治療後には、ある程度の腫れや痛みが発生することがあります。

しかし、通常であれば、数日~1週間程度で自然に治まります。痛みや腫れが長期間続くケースもあり、数週間~数ヶ月経っても痛みが続く場合は、インプラントの周囲に炎症が起こっている可能性があります。

原因としては、手術時の感染や不潔な環境、不十分な清掃による感染が挙げられます。食べ物が埋まったままの状態や不適合な義歯による違和感や痛みも考えられるでしょう。

インプラント周囲炎を発症する

インプラント治療の失敗例として、インプラント周囲炎を発症するケースも挙げられます。インプラントを埋入した部分の周囲の歯茎に炎症が起こる状態で、歯周病と同様に歯茎が腫れて出血したり、歯茎が下がってインプラントの一部が露出したりします。

インプラントを埋め込んだ部分の周囲に歯垢や歯石が蓄積してケアが不十分になると、歯周病のように歯槽骨が浸食され進行し、失敗に繋がるでしょう。最悪の場合、インプラントが脱落してしまうこともあります。

インプラントが骨と結合しない

インプラント治療において最も基本的かつ重要なプロセスの一つが、人工歯根と顎の骨との結合です。顎の骨と人工歯根が結合しなければ、インプラントが安定せず、使用できる状態にはなりません。

骨粗鬆症や糖尿病などの全身疾患を患っている場合、骨代謝に影響を及ぼし、骨がインプラントと結合しにくい状態になることがあります。また、過剰な喫煙や飲酒も、骨の代謝に悪影響を与えて結合不良のリスクを高めるでしょう。

結合不良が起こると、インプラントはしっかりと固定されず、ぐらついたり動いたりするようになります。その結果、最終的にインプラントの除去が必要になるケースも少なくありません。

噛み合わせの不具合

噛み合わせが悪いことで、インプラントに過度な負担がかかる場合があります。過剰な力がかかると、インプラントの破損や周囲の歯への悪影響を引き起こす可能性があるのです。また、噛み合わせが悪いために、日常的な咀嚼が困難になる場合もあるでしょう。

このような問題が起こる原因は、術前の咬合分析が不十分だったこと、または術後の調整が遅れたことが挙げられます。治療計画段階での咬合の精密チェックと、治療後の定期的なフォローアップが不可欠です。

インプラント治療の失敗を防ぐためには
歯科医師からインプラント治療の説明を受ける笑顔の女性

失敗のリスクを完全にゼロにすることは難しいかもしれませんが、事前の対策や歯科医師とのコミュニケーションをしっかりと行うことで、防げる部分は数多くあります。以下に、インプラント治療の失敗を防ぐために特に大切なポイントを紹介します。

信頼できる歯科医院を選択する

インプラント治療の成功率を左右するのが、歯科医師の経験と技術です。治療実績が豊富で、インプラント治療に特化した研修や勉強会に参加している歯科医師ほど、失敗のリスクを低減できるでしょう。

また、術前・術後のケアを重視している医院では、長期的なフォロー体制が整っていることが多く、安心して治療を受けられます。

口腔内の環境を整える

インプラント治療の失敗を防ぐためには、治療前に口腔内の環境を整えておくことが大切です。とくに、喫煙はインプラント治療の成功率を下げる要因のひとつです。

そのため、インプラント治療を受ける際には禁煙することが推奨されます。喫煙者がインプラント治療を受ける場合は、少なくとも2週間ほど前から禁煙しましょう。

また、糖尿病や骨粗しょう症などの全身疾患の治療を受けている方は、担当の医師と相談することが大切です。実際の歯科治療の際には、インプラントを担当する歯科医師とも相談のうえ、治療を進めましょう。

さらに、治療前に虫歯や歯周病を治療することで、お口の中の環境を整えられます。

メンテナンスを習慣化する

インプラント治療後にしっかりとメンテナンスを受けていないと、インプラントの寿命が短くなることがあります。特に、インプラント周囲炎になると、インプラントが抜けることもあるのです。インプラント周囲炎とは、インプラントの周辺組織に炎症が起こる病気です。

インプラントは人工物なので虫歯にはなりませんが、きちんとケアをしていないと周りの歯茎や骨に悪影響が及ぶのです。

インプラント周囲炎を防ぐためには、自宅でしっかり歯磨きをすることに加え、歯科医院でプロによるクリーニングを定期的に受けることが重要です。プロによるクリーニングでは、自分では落としきれない汚れや歯石を取り除けます。

また、歯科医師によるチェックでは、インプラントの状態や噛み合わせなどを確認することが可能です。定期的なチェックとクリーニングにより、インプラント周囲炎や人工歯の脱落などのトラブルを未然に防げます。

自己判断での通院中断は避ける

インプラント治療後、患者さまの中には治療が成功したと感じ、すぐに通院をやめてしまう人もいます。上述したとおり、インプラント治療後はメンテナンスが欠かせません。

自己判断で通院をやめてしまうと、適切なメンテナンスを実施できずインプラントに問題が起きる可能性があります。インプラント治療後も、歯科医師の指示に従って定期的なメンテナンスを継続することが、インプラントとお口の健康を守るためには必要です。

まとめ
新緑の中で微笑む夫婦

インプラント治療は、失った歯を補うための優れた治療法ですが、適切な診断や施術が行われないと失敗に繋がる可能性もあります。失敗の原因を事前に知り、信頼できる歯科医院を選択することが大切です。

また、治療後のメンテナンスも含めて、長期的にインプラントと向き合うことが欠かせません。

インプラント治療を検討している方は、神戸市東灘区にある木下歯科医院にお気軽にご相談ください。

当院では、虫歯・歯周病治療や入れ歯治療、インプラント治療など、さまざまな診療に力を入れています。ホームページはこちら無料相談も行っておりますので、ぜひご覧ください。