入れ歯コラムCOLUMN

入れ歯が痛い!その原因と対処方法について詳しく解説!

こんにちは。神戸市東灘区にある木下歯科医院です。歯に痛みがある男性
入れ歯を装着することに対して不安や苦痛を感じる原因のひとつとして「痛み」が挙げられます。痛みの原因は人それぞれで、決して原因がひとつとは限りません。毎日の生活が快適になるよう入れ歯の痛みの原因を理解し、しっかりと対策をしましょう。

入れ歯の痛みの原因

歯の模型を使って説明を受ける患者

入れ歯の痛みの原因はさまざまで、原因がいくつも重なりさらなる痛みを引き起こす場合もあります。痛みを決して我慢せず、歯科医院で早めに原因を診断してもらうことが大切です。
入れ歯の痛みの原因には以下が挙げられます。

・噛み合わせが合っていない

・粘膜面に適合していない

・口の中が乾燥している

・残っている歯に負担がかかっている

・入れ歯の手入れが悪い

・硬いものを噛んでいる

・歯茎が傷ついている

・口腔カンジダ症を発症している

それぞれ解説していきます。

噛み合わせが合っていない

入れ歯の噛み合わせが合っていないと、痛みが出ることが多くあります。入れ歯は、噛み合わせも考慮して製作されています。
ただし、実際に装着すると、噛み癖や噛み合わせのバランスによってうまく噛めずに痛みが生じる場合があります。また、使い続けていくうちに噛み合わせのバランスが崩れ、特定の部分に強く義歯が当たるようになります。本来であれば歯全体で噛む力を分散させなければなりません。噛み合わせが悪くなると、一部分に強く力がかかるため痛みを引き起こす原因になります。

噛み合わせが悪い入れ歯を使っていると、痛みが出るばかりではありません。噛み合わせのバランスが悪いと額冠せ値への負担が増え、やがて顎関節症を引き起こします。また特定の部分に大きな負担がかかるため、人工歯が取れる・入れ歯が割れるなど破損の原因にもなり得ます。

粘膜面に適合していない

入れ歯が粘膜面に適合していないと、入れ歯が安定せず、痛みが出る原因になります。
入れ歯は、顎堤と呼ばれる土手状の盛り上がった歯茎の上にのせて装着します。加齢・歯周病・不適合な義歯の使用などにより、顎堤は退縮して痩せていき、粘膜が薄くなっていくのです。入れ歯を使い続けていくうちに入れ歯と顎堤の粘膜面に隙間ができると、入れ歯が外れやすくなり痛みが生じます。食事中、外れた入れ歯に食べ物が挟まることも痛みの原因といえるでしょう。
また、骨隆起と呼ばれる歯茎に硬いコブのような膨らみがある方が一定数います。骨隆起を覆う粘膜は薄く、骨隆起に入れ歯が当たる場合は痛みを起こしやすくなるのです。

口の中が乾燥している

口の中の乾燥は入れ歯の痛みに繋がる原因のひとつです。
唾液は、入れ歯と粘膜を吸着させ、外れにくくする役割を担っています。そのため、唾液が少ないと入れ歯が外れやすくなり痛みが生じる場合があります。唾液が少なくなるのは、加齢・喫煙・薬の副作用などさまざまな要因が考えられるため、生活を見直してみましょう。

残っている歯に負担がかかっている

残っている歯に負担がかかるなどして痛みが出ることがあります。
部分入れ歯の場合、入れ歯を維持・安定させる目的で残っている歯にバネをかけます。バネの締め付けが強いと、バネがかかった歯に痛みが出ることも少なくありません。バネがかかっている歯の負担は大きく、歯周病に似た症状を引き起こす場合があります。歯茎が腫れたり歯がグラグラ揺れたりすることで、痛みを生じることも考えられます。

入れ歯の手入れが悪い

入れ歯にも汚れや食べ残しが付着するため、自分の歯と同様に手入れしなければなりません。
手入れが不十分であると、入れ歯に雑菌がたまり、むし歯や歯周病などの原因となります。むし歯や歯周病は、歯や歯茎の痛みを引き起こすため注意が必要です。不衛生な入れ歯は痛みだけではなく口内炎や口臭、誤嚥性肺炎の原因にもなり得ます。

硬いものを噛んでいる

入れ歯に慣れていない状態で硬いものを食べると、痛みが出る可能性があります。
入れ歯に慣れてくると、食べるものの幅は広がります。
ただし、天然歯と比較して入れ歯は20〜30%ほどしか噛む力がありません。残っている天然歯の数が少なくなるほど噛む力は低下していきます。硬いものを無理に食べると痛みが生じるばかりではなく、よく噛めないことで胃腸に負担をかける可能性もあるため注意しましょう。

歯茎が傷ついている

噛み合わせや粘膜への適合が悪い入れ歯を装着していると、歯茎が傷ついたり口内炎ができたりして痛みが出ることがあります。
出血しやすい傷がある・口内炎がなかなか治らないなどは、口腔癌の症状であることも考えられます。傷や口内炎がある場合は、早めに歯科医院へ行き原因を診断してもらいましょう。
また、不適切な入れ歯の着脱も痛みを引き起こす原因のひとつです。入れ歯を途中まで入れた状態で噛み込んで装着すると、入れ歯と歯茎が擦れて痛みを生じます。

口腔カンジダ症を発症している

口の中には細菌だけではなく、カンジダ菌をはじめとした何種類ものカビが存在しています。健康な状態では身体に影響を与えませんが、加齢や病気などで体力や抵抗力が衰えている状態にあると、カンジダ菌が増殖し感染を起こすことがあるのです。口腔カンジダ症と呼ばれ、粘膜に白い斑点が広がり痛みを引き起こします。
口腔カンジダ症は、特に入れ歯を装着している方に多いといわれているため注意が必要です。

入れ歯の痛みがあるときの対処方法
歯ブラシを持っている歯科衛生士

入れ歯を使っていて痛みが生じた場合は決して我慢してはいけません。余計に痛みが長引くことも考えられるため、対策方法を理解して痛みに対応しましょう。
入れ歯の痛みがあるときの対処方法は以下のとおりです。

・歯科医院を受診する

・口の中を保湿する

・入れ歯を正しく手入れする

・残っている歯を清潔に保つ

・やむを得ないときは入れ歯の安定剤を使用する

それぞれ解説していきます。

歯科医院を受診する

入れ歯による痛みが出た場合は、まず歯科医院を受診しましょう。
入れ歯の噛み合わせや粘膜面との適合など痛みの原因を確認し、調整・修理を行います。歯茎に傷がある場合は、傷が治るまで食事以外のときは入れ歯を外す・処方された薬を塗るなど歯科医師の指示に従いましょう。

口の中を保湿する

病気や薬の副作用によって口の中が乾燥する場合は、身体の治療を優先します。原因の除去が難しくても、専用のジェルやスプレーで口の中を保湿することが大切です。
また、水分を多く摂る・噛む回数を増やすなどして唾液の分泌を促しましょう。唾液腺のマッサージや舌を動かす運動なども唾液の分泌に効果的です。

入れ歯を正しく手入れする

入れ歯を正しく手入れし、清潔に保つ必要があります。食後は入れ歯を外し、入れ歯専用ブラシかふだんお使いの歯ブラシで汚れを落としましょう。
歯磨き粉は、配合されている研磨剤によって入れ歯の表面を傷つける恐れがあるため、使用は控えてください。入れ歯の洗浄剤を使用することで、菌の繁殖を防ぎ入れ歯をより清潔に保てます。

残っている歯を清潔に保つ

むし歯や歯周病を防ぐため、残っている歯のケアにも力を入れましょう。
特に、バネがかかっている歯は負担が大きく、不衛生になりやすい傾向にあります。注意して歯を磨くのはもちろん、フロスや歯間ブラシを併用するのもよいでしょう。

やむを得ないときは入れ歯の安定剤を使用する

入れ歯による痛みはあるが、忙しくて歯科医院に行けない・次の受診日まで期間があるといった場合があります。こうしたやむを得ないときは、市販の入れ歯安定剤を使用して対処するのもひとつの方法です。

ただし、長期間に渡って市販の入れ歯安定剤を使用するのは避けてください。使用する安定剤や入れ歯によっては、つけた安定剤が除去しにくく治療に支障が出る場合があります。安定剤の粘着がある性質ゆえに汚れがつきやすく、菌が繁殖する危険性も考慮しなければなりません。
入れ歯の安定剤を使用する前に歯科医院に連絡して指示を仰ぐか、やむを得ない場合以外は使用を避け、歯科医院を受診しましょう。

まとめ

歯科医院で治療を受ける高齢男性

入れ歯を使用して痛みが出るときには必ず理由があります。痛みがあるまま使用を続け症状が悪化しては、食事などの生活に支障が出かねません。入れ歯の痛みがある際は、早めに歯科医院を受診しましょう。

入れ歯を検討している方は、神戸市東灘区にある木下歯科医院にお気軽にご相談ください。